勝手にダンジョンを創られ魔法のある生活が始まりました

久遠 れんり

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第3章 本格的侵攻開始   か?

第19話 開き直りの余波

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「あれをどう思った?」

「いや、まじめに死ぬかと思いましたよ。初めてです。空気が重いというか、まるで粘りを持った液体ように感じました。それに意識せずとも、体が恐怖に打ち震えるというのは、ああいうのを言うのでしょうね」

 総理と内閣官房長官、そして警察庁長官が立派な応接室の椅子に座り、それに見合わない感じで、中央に寄りぼそぼそと話をしている。

「彼の調べは、付いているんだよな?」
「それは、お手元の資料に詳細がありますが、普通ですな」
「親は会社員と、パート。本人は工業系大学卒業後、中規模のIT系勤務。10月末で退社。10月初めに起業か…… 業務内容は?」
「こちらに詳細があります」

「『株式会社 特別指定外来種対策会社』これはダンジョンの、モンスター駆除だよな」
「そうです。ですが、それだけではなく、世界で唯一。魔道具と言われる先進的な道具を開発、販売をしています。個人用バリアみたいなものと、魔素を利用した回転部品です」
「魔素?」
「ええ、ダンジョンができてから、地球上には魔素というものが撒き散らされているようです。それが彼の言う、侵略者による惑星改造のようです」
 というと、内閣官房長官は総理に資料を突き出す。

「ただまあ、非常にクリーンなエネルギーとして注目です。先ほどの回転部品モンスターが落とす魔石で動きますが、本来魔素が十分濃くなれば魔石すら必要なくなるだろうと有識者から回答が来ています」
「じゃあ、何もないところで、ひたすら発電ができるという事か」
「そうです」
「すごいじゃないか。彼の会社で発電機は作っていないのか?」
「法的な規制が厳しいので、あきらめたようです。それで、部品のサプライヤーとして動いているようですな」

 総理は少し考えると、
「これって、日本が圧倒的に強くなれる種として。十分な力が、あるのじゃないか」
「ありますね。今のところは、ですけれどね」
「だが本当に彼が、神となったが為に、作れるのが魔道具だとすると、ほかには作れないということになる」
「そうですね、資料にあった個人用バリア。解析不能だそうです。材料は、魔石と真鍮のみ。どう分解しても、俗にいう魔方陣すら書いていないそうです」
「ならやはり、後続が出てくる可能性は低いようだな。アメリカあたりやヨーロッパの上位に個人用バリアと回転部品を持っておど、いや、話をしに行こう」

 と総理が、テンション爆上げの所へ、警察庁長官が突っ込む。
「その彼が言った、魔素が濃くなるとモンスターがダンジョンから這い出して来る件ですが、どう管理しましょうか」
「そりゃ、ダンジョンの周りに壁でも作るとかしないとだめだろう」
「ありがとうございます。では予算をお願いします」
「ああまあ、そうだな。ちょうど次年度からの予算にモンスター対策費を組み込もう。警察と自衛隊両方とも10月には弾が無くなったと陳情が来ていたな」

 警察庁長官はさらに、資料を押し出す。
「そうですね。それと、隊員のダンジョントレーニングの許可を出してください。鉄砲の弾はモンスターには効きにくく、上位のモンスターには無駄だそうです。今回理由が上がって来ました。魔素をまとっていないと武器として使えないらしく。丸太とかバットの方が効くそうです」

 総理が、豆鉄砲を食らったような顔をする。
「例の彼からの情報が、警備部経由で上がって来ています。モンスターに対して、攻撃をする場合。武器に魔素を纏わせるには、明確に人の意識を武器にまで、利かせないと駄目なようです。銃の弾のような、そちらに向けて撃つだけでは、単なる鉛弾になるから効かないそうで、棒のように、これでどのようにどうやって攻撃するということを、明確に意識すると武器に魔素をまとわせることができるようです」

 総理が、さらに驚く。
「アメリカが、攻略に手間取っているのはそのせいか?」
「日本では、銃が持てないので、ダンジョンに入るのにナイフかバットが多いのですが、かえってそれが有効なそうです」
「その情報も使えそうだな。素晴らしい」

「後、彼の扱いをどうします?」
 と警察庁長官がぼそっと言うと、総理の動きが止まった。ぎぎぎと音が出そうな動きで首を警察庁長官に向けると、
「それは、俺に聞いているのか?」
 と答える。

「他に誰が、判断を下すのですか?」
「そりゃそうだが、宮内庁に任せようか?」
「そりゃ、またどうして?」
「神事は、あそこの管轄だろう」
「陛下と神社本庁ですね。国が現人神として、彼を承認するのですか? マスコミと国民に突っ込まれますし、彼も嫌がるとしか思えません。怒らせたら、昨日の会議の再現を日本全土で行うおつもりですか? それなら、特別な役職…… 表ではダンジョン対策室とでもして裏で侵略対策室でも作って、特別参与として参画を願ってみますか?」

 総理は少し、思索して。

「ついでに魔道具の管理もお願いしよう。我々には判断がつかんし、これからを考えると大事な戦略物資だ。許認可を出す部署を建てよう」
「はあ、良いでしょう。じゃあ、ダンジョン関連総括管理と言うことで、かかわりがある警備部と、経済産業省で人員を集めて、新年度から発足と言うことでいいですか」
「それでいいだろう。世界で唯一魔道具を作れる人間が、魔道具に許可を出すのでそこを突っ込めそうだが、その場合、判断できる人間を連れて来いということで通す」

「ずっと彼と、かかわっていられる環境を造るのが第一だな」
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