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第3章 本格的侵攻開始 か?
第18話 1月2日 はれ 今日、僕は……
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1月2日、今日もいい天気だ。
家で雑煮をみんなと食べていると、松沼父と木村さんが現れた。誘ったらしっかり雑煮を食べた後、松沼父に誘われ(攫われ)てパトカーでドライブ中。
運転手は、当然、木村さんだ。
どんどん都心へ入っていく。どこに行くんですか? と聞いても「めったに入れない所で私の職場だから大丈夫」と言ったきり黙ってしまった。
着いたのは皇居に程近い、2丁目にある建物。案内されるがまま、エレベーターへ乗り13階まで上がる。そこで誰かと合流して、会議室へ向かうようだ。
松沼父に促されて中に入ると、1月2日なのに円卓にびっしりと人が居た。
さらに松沼父に促されて、用意された席に座る。
「警備部各位、休暇中に呼び出して申し訳がない」
と突然話をし始める。
「任務遂行に関係する、重要な情報を入手した。これの扱いについて議論したい」
ああ、松沼父は、抱えきれなくてみんなを巻き込むのか。こうして情報は拡散されて、俺は幽閉か…… いやどうやって? 俺だけなら、どうやってでも逃げられそうだし、家族を連れて海外にでも行くか。魔道具を売れば、生活できそうだ。
「……以上がもたらされた情報で、ここにいる彼は人類が通常知りえない情報の提供者であり、なおかつ重要な戦力となりえる」
「部次長、発言よろしいでしょうか?」
円卓に座る中の一人、眼鏡を掛けた者が発言する。
「何だね?」
「彼の、戦力として能力は客観的に見て、どのくらいなのでしょうか? それと、情報の信頼度についてもお答えいただけますでしょうか?」
松沼父は、少し考えた後、
「一司君、さっき彼が言ったことに答えられるかね」
なんだよ、意味ありげに考えた挙句。こっちに全振りかよ。
「ちょっと、お待ちください」
俺はゲートに潜り、腹を出して寝ていた。フレイヤとフェンを捕まえて戻って来た。
「こいつらが、情報提供者の異世界の神です」
昨日ばらしたからもういいや。こっちも、後のことは松沼父に投げよう。
「「「はぁ?」」」
「君、ふざけないでくれるか。どこかから、犬と猫を取り出すマジックには驚いたが」
〈フレイヤ。こいつらに、一方的に念話を流すのはできるか〉
〈魔素に指向性を持たせて、それに思念を乗せればできるにゃ〉
〈威圧をかけて、死にたいのかと念話で脅せ。フェンは、それに合わせて気温を下げろ〉
〈はいにゃ〉
〈承知しました、主〉
この時俺は、少しばかり機嫌が悪かった。
これからちょうど、各地の変わり種、雑煮大会をする所だったからだ。
鳥取県の小豆雑煮vs香川県のあん餅雑煮対決の前に連れ出されてしまった。
茨城県のお雑煮白和え雑煮を、加えるかどうかの審議に時間がかかったのが悔やまれる。
その前に食べたのは、高知県の一部地域で食べられている雑煮。
餅を軟らかく煮て、餅だけを器に入れ、その上にお雑魚を乗せて、醤油を回しかけたものだった。
完全に、酒のあてだよな。さすが高知。
まあ、ということで理不尽な八つ当たりを、味わってもらおう。可哀そうな人たち。
〈下等な者ども控えろ!! 死にたいのか〉
念話の発信と共に、ズンという音が聞こえそうなレベルで威圧が発せられた。それと同時に気温が一気に下がる。
寒い。下げすぎだが、まあいいか。
「うわ」
と言ったまま、幾人かは気を失った。
あちゃあ、死んでないよね。
「一司くん、これは?」
「ああ、家でごろごろしていたのを捕まえてきて。来た瞬間に、馬鹿にされたのでちょっと機嫌が悪いようです」
ちなみに、フレイヤは俺の目の前で、机の上で胡坐をかいて座っている。骨格的に大丈夫なのか?
〈もういいぞ、威圧を下げろ〉
「あーこのフレイヤは、死を司る神です。言動にはお気を付けください」
まあ、みんな静かだこと。
「そしてこっちのわんこは、皆さんも名前くらい聞いたことがあると思いますが、フェンリルです。おい、フェン。元の大きさに戻れるか?」〈おい、フェン。体高3m位になれるか?〉
〈はい、では〉
その瞬間、フェンは伏せの状態で、天井に頭がついていた。
「この部屋じゃ狭いな。戻ってくれ」
〈はい〉
「それと、私の戦力ですよね。ちょうど月に敵が居るので、月でも割ってみましょうか」
「なっ、できるのか」
「できますよ。私も、神の端くれですから」
〈なっ、主、端くれとは何ですか。あなたは創造主。我らの上に立つお方ですぞ。いくらご自分の事とはいえ……〉
「おい、フェン……」
フェンは慌てたのか、念話をさっきのフレイヤと同じ要領でオープンチャンネルを使い叫んだ。俺はすぐに止めたが……、
「今のお前の暴露、何処まで聞こえたかな」
フェンは立ち上がり、口を押えている。念話だから口抑えてもだめだろう。
すぐに調べがついて、魔素の関係上、半径20m位の円形範囲で収まっていたようだ。
まあ警察関係者だし1月2日だったため、速やかに収拾は付いたようだ。
しかしここが日本でよかった、創造主なんて言ったら、縛り首になる国がたくさんありそうだ。
まあ、何はともあれ。松沼父の職場関係者へ、そういう存在の周知と警告は、速やかに周知されたようだ。監視を、という声が出たようだが、もし怒らせて地球を壊された場合、責任を取れる奴はいるのか? と言う言葉が出て、静かになったようだ。
そして、なぜか1月3日。
首相官邸で、同じことをしていた。
おれは、一部で超有名人となったようだ。
威圧と脅しのおかげで。仁王立ちするフレイヤの前で、跪く(ひざまずく)、有名な方々に思わず顔が緩んでしまった。
家で雑煮をみんなと食べていると、松沼父と木村さんが現れた。誘ったらしっかり雑煮を食べた後、松沼父に誘われ(攫われ)てパトカーでドライブ中。
運転手は、当然、木村さんだ。
どんどん都心へ入っていく。どこに行くんですか? と聞いても「めったに入れない所で私の職場だから大丈夫」と言ったきり黙ってしまった。
着いたのは皇居に程近い、2丁目にある建物。案内されるがまま、エレベーターへ乗り13階まで上がる。そこで誰かと合流して、会議室へ向かうようだ。
松沼父に促されて中に入ると、1月2日なのに円卓にびっしりと人が居た。
さらに松沼父に促されて、用意された席に座る。
「警備部各位、休暇中に呼び出して申し訳がない」
と突然話をし始める。
「任務遂行に関係する、重要な情報を入手した。これの扱いについて議論したい」
ああ、松沼父は、抱えきれなくてみんなを巻き込むのか。こうして情報は拡散されて、俺は幽閉か…… いやどうやって? 俺だけなら、どうやってでも逃げられそうだし、家族を連れて海外にでも行くか。魔道具を売れば、生活できそうだ。
「……以上がもたらされた情報で、ここにいる彼は人類が通常知りえない情報の提供者であり、なおかつ重要な戦力となりえる」
「部次長、発言よろしいでしょうか?」
円卓に座る中の一人、眼鏡を掛けた者が発言する。
「何だね?」
「彼の、戦力として能力は客観的に見て、どのくらいなのでしょうか? それと、情報の信頼度についてもお答えいただけますでしょうか?」
松沼父は、少し考えた後、
「一司君、さっき彼が言ったことに答えられるかね」
なんだよ、意味ありげに考えた挙句。こっちに全振りかよ。
「ちょっと、お待ちください」
俺はゲートに潜り、腹を出して寝ていた。フレイヤとフェンを捕まえて戻って来た。
「こいつらが、情報提供者の異世界の神です」
昨日ばらしたからもういいや。こっちも、後のことは松沼父に投げよう。
「「「はぁ?」」」
「君、ふざけないでくれるか。どこかから、犬と猫を取り出すマジックには驚いたが」
〈フレイヤ。こいつらに、一方的に念話を流すのはできるか〉
〈魔素に指向性を持たせて、それに思念を乗せればできるにゃ〉
〈威圧をかけて、死にたいのかと念話で脅せ。フェンは、それに合わせて気温を下げろ〉
〈はいにゃ〉
〈承知しました、主〉
この時俺は、少しばかり機嫌が悪かった。
これからちょうど、各地の変わり種、雑煮大会をする所だったからだ。
鳥取県の小豆雑煮vs香川県のあん餅雑煮対決の前に連れ出されてしまった。
茨城県のお雑煮白和え雑煮を、加えるかどうかの審議に時間がかかったのが悔やまれる。
その前に食べたのは、高知県の一部地域で食べられている雑煮。
餅を軟らかく煮て、餅だけを器に入れ、その上にお雑魚を乗せて、醤油を回しかけたものだった。
完全に、酒のあてだよな。さすが高知。
まあ、ということで理不尽な八つ当たりを、味わってもらおう。可哀そうな人たち。
〈下等な者ども控えろ!! 死にたいのか〉
念話の発信と共に、ズンという音が聞こえそうなレベルで威圧が発せられた。それと同時に気温が一気に下がる。
寒い。下げすぎだが、まあいいか。
「うわ」
と言ったまま、幾人かは気を失った。
あちゃあ、死んでないよね。
「一司くん、これは?」
「ああ、家でごろごろしていたのを捕まえてきて。来た瞬間に、馬鹿にされたのでちょっと機嫌が悪いようです」
ちなみに、フレイヤは俺の目の前で、机の上で胡坐をかいて座っている。骨格的に大丈夫なのか?
〈もういいぞ、威圧を下げろ〉
「あーこのフレイヤは、死を司る神です。言動にはお気を付けください」
まあ、みんな静かだこと。
「そしてこっちのわんこは、皆さんも名前くらい聞いたことがあると思いますが、フェンリルです。おい、フェン。元の大きさに戻れるか?」〈おい、フェン。体高3m位になれるか?〉
〈はい、では〉
その瞬間、フェンは伏せの状態で、天井に頭がついていた。
「この部屋じゃ狭いな。戻ってくれ」
〈はい〉
「それと、私の戦力ですよね。ちょうど月に敵が居るので、月でも割ってみましょうか」
「なっ、できるのか」
「できますよ。私も、神の端くれですから」
〈なっ、主、端くれとは何ですか。あなたは創造主。我らの上に立つお方ですぞ。いくらご自分の事とはいえ……〉
「おい、フェン……」
フェンは慌てたのか、念話をさっきのフレイヤと同じ要領でオープンチャンネルを使い叫んだ。俺はすぐに止めたが……、
「今のお前の暴露、何処まで聞こえたかな」
フェンは立ち上がり、口を押えている。念話だから口抑えてもだめだろう。
すぐに調べがついて、魔素の関係上、半径20m位の円形範囲で収まっていたようだ。
まあ警察関係者だし1月2日だったため、速やかに収拾は付いたようだ。
しかしここが日本でよかった、創造主なんて言ったら、縛り首になる国がたくさんありそうだ。
まあ、何はともあれ。松沼父の職場関係者へ、そういう存在の周知と警告は、速やかに周知されたようだ。監視を、という声が出たようだが、もし怒らせて地球を壊された場合、責任を取れる奴はいるのか? と言う言葉が出て、静かになったようだ。
そして、なぜか1月3日。
首相官邸で、同じことをしていた。
おれは、一部で超有名人となったようだ。
威圧と脅しのおかげで。仁王立ちするフレイヤの前で、跪く(ひざまずく)、有名な方々に思わず顔が緩んでしまった。
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