勝手にダンジョンを創られ魔法のある生活が始まりました

久遠 れんり

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第4章 少しずつ変わって行く世界

第30話 フレイヤさんはじける

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 よし行こうか。

 そう言って、籠へ入れたフレイヤさんを連れて、元気よく電車に乗りこむ高校生組プラス玲己。
 ガタゴトと電車に揺られて、駅に着きナビアプリを見ながら座標にあるダンジョンへとやって来る。

「ここか、もう一つあるからサクッと行かないてなあ」
 一翔がぼやく。
「やっぱり社長のゲートが便利だよな」
 皆が頷き。玲己は思い出す。私ゲートを使えるじゃん。

「さあまあ、行こう」
 そう言ってぞろぞろと、ダンジョンへと入って行く。

「それ競争だ」
 そう言って、一翔が走って行く。

 それを見送りながら、フレイヤを、籠から出す。
〈さて行くにゃ。一司が居ないから魔石を取り放題にゃ〉
〈一緒に行きましょうよ〉
〈にゃ。こんな浅い所はつまらんから、玲己10階へつなげるにゃ〉

 そう言われて、引きつる玲己。
「なっ、玲己さんゲート使えるんですか?」
「うん。この前。一司さんがアメリカへの結晶を配達する仕事が増えたから、仕事の手伝いと大学へ行くために貰ったの」
「じゃあここへ来るにも、使えばよかったんじゃ」
「いやあ、つい癖で。ははっ」
〈急ぐにゃ〉

「はーい。えーと10階ね」
「にゃ」
 とフレイヤは、一声鳴くとゲートへと飛び込む。

「行っちゃった」
「いっ急ごう。獲物が居なくなるぞ」
 そう言って皆が走り始める。
 だがしかし、到着したころには、そこら中に転がる魔石。フレイヤが通ったと思える所はきれいに魔石が無くなっている。

「やばい。もう次に行っている」
 慌てて、皆が走る速度を上げていく。
「このダンジョン何階まであるんだろう?」
 玲己が飛ぶつもりなのか、ぼそっと言う。
「でも、前に出ると、フレイヤさんの力を食らうと死んじゃいますよ」


 どんどん階を進むが、魔石すら落ちていない。
「やばい。全部取られた」
 やがて、20階。
 待ち構えていたフレイヤが叫ぶ。
〈早くクリスタルを取って、ここを閉じるにゃ。次へ行く〉

「ちょっと、休憩させてください」
 霞ちゃんから泣きが入る。
〈だらしない。芳雄でも玲己でも良い。クリスタルはあそこの奥にゃ〉
「はーい」
 とぼとぼと、玲己は壁に行きぶん殴る。
 中で浮いているクリスタルをつかみ、マスター登録をする。

「じゃあ、外へ転移するわよ」
 そう言って、ダンジョン管理能力を使って転移をする。

 入口で、モンスターの消滅命令と魔石の排出を実行。
 少し待つと、ころころと魔石と一翔が排出される。
「あっ」
 誰かが、一声言ったが、魔石を回収するとダンジョンを閉じる。

 どのようにして、排出されたか分からないが、一翔は気を失っている。

「どうしよう?」
「とりあえず。次のダンジョンの入り口へ置いておいて攻略を進めよう」
「そうね。それでいいか」
 霞ちゃんが賛同して、一翔の処遇が決まった。

 
 玲己は地図を見て、意識を広げる。
「ここね」
 ゲートを開き、皆が入って行く。
 芳雄が一翔を拾いゲートをくぐる。


「さていくか、フレイヤさん残しておいてくださいね」
〈わかったにゃ〉
「くっ、表情が読めないが怪しい」
 玲己がぼやく。

〈さーて、行くにゃ〉
 そう言って、フレイヤは走り始める。

「やっぱり。出遅れたぁ」
 芳雄が叫び、皆が走り始める。

「また走るのね。遅れると、レベル差が開くから追いつかないと」
 必死で、霞ちゃんが走る。


 一翔は、ダンジョンの壁が襲ってくる夢を見ながら、うなされていた。


「だー、やっぱりフレイヤさん早い」
「一司さんは、あれより早いんでしょう?」
「前に、フレイヤさんの力をくらって、死にかかったことがあるって言っていたから、たぶんね」
 玲己が中途半端な情報を、なつみに教える。

 床に転がる魔石はない。
 きっちり回収まで行っている。

 幾度か、前方の魔素が乱れたから、そんなには離れていないはず。

「くっ、今日は走ってばかり。こんなダンジョン攻略はつまらない。ストレスが変にたまるぅ」
 ぼやいたのは、玲己だが、
「ねえ、なつみ。なんだか、久しぶりに陸上の練習を思い出すわね」
「そうね。ペースが全然違うけれど。昔は走っているだけで頭が真っ白になったけれど、玲己さんの言う通り、ストレスがたまるわ。これじゃない感が凄い」
「ただペースが、息が上がる」
「苦しいのを乗り越えれば、きっと気持ちよくなるわ」
「そうかしら」

「みゆきちゃん……攻略歴の差があまりないはずなのに、なんであんなに元気なの」
「玲己さんも……攻略数は……少ないはずなのにおかしいわ」

「やば…… 私もうだめ…… 息が」
「今…… 何階かしら?」

「もう少しで、10階だよ」
 平然と答える、芳雄。

「あと…… 何階くらい? かしら」
「そんなに深くないと思う。基本の魔素濃度が薄い感じがする。深い方を多分一司さんが取ったんだと思う」
「そう良かった」

「じゃあ、ご飯なんか食べられないね。せっかく道具とか材料貰ったのに」
 そう、玲己がつぶやく。
「そうですね。さっさと終わらせて家に帰りますか」
 芳雄も、もう気分的には帰って休みたくなっていた。

「今度から、フェンさんを借りましょう。フレイヤさんは駄目ですね」
「そうね」

 そう言っている間に10階へとたどり着く。
 そこには、不満そうなフレイヤ。
〈遅い。待ちくたびれたにゃ。クリスタルはあそこにゃ〉
 腕を壁に向ける。
「はーい」
 芳雄が返事をして、クリスタルを取りに行く。

 入口に戻り、モンスターを消す。
 まだ脇で、一翔はうなされながら、ぴくぴくしていた。
 魔石を回収して、ダンジョンを閉じると、玲己が家へとゲートを開く。

 疲れ切った皆は、風呂場へと急ぐ。
 霞に言われて、芳雄が一翔を自分の家へと放り込むと、霞はなぜか芳雄と一緒に一司の家へと来る。そしてダンジョン側の風呂場へと走って行く。
 久しぶりに、なつみと一緒に風呂へ入りたいらしい。


 食べられる人間だけが昼食を取り、夕方までまったりとした時間が流れる。

 夕方になり、一司と中学生組が帰ってきて、いきなり紹介される。
「今日から、この子を預かることになった。鵜戸神音ちゃんだ。壮二と同じ中学2年だ」
「今日から、お世話になります。壮二君の許嫁となりました。鵜戸神音です。よろしくおねがいします」

 なつみ驚愕。
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