勝手にダンジョンを創られ魔法のある生活が始まりました

久遠 れんり

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第4章 少しずつ変わって行く世界

第41話 日常と明日はインド

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 毎日、おバカな騒動が、デフォルトの神崎家。
 子供たちに飯を食わせて、一司ママは子供たちを送り出す。

「行ってらっしゃい」

 口々に
「行ってきます」
 を言いながら、飛び出していく。

 その開けたドアの前を、一翔と霞が元気なく通って行く。
 何だ、倦怠期か?

 その後、納品の物を持って、ゲートに沈んでいく一司。
 直後に目が合った、窓口のゆかちゃんから「エプロン姿お似合いです」と褒められて、にゃんこが乱舞するデザインのエプロンを収納する。
 物を取り出すと、ゲートに沈む。

「こんな所に、積まないでくださいよぉ」
 積みあがった段ボールの陰から、そう叫ぶゆかちゃんの嘆きは完全無視。
 次へ向かう。

 発電機屋さんで、カスタムの図面を貰い。
 新たな注文を受ける。
 バカ売れらしく、担当者さんはにこやかだ。
「そう遠くないうちに、日本から既存の発電所が消えますよ」
 担当者さんが、豪語している。

 そして、もう一軒の発電機屋へ向かう。
 みゆきちゃんのお父さんが、飛んでくる。
「娘は元気ですか?」
「つい2~3日前に、顔を出したはずでは?」
 そう言うと、顔が力をなくし眉尻が下がる。
「タイミングが悪くて、いつも私が居ないときに来るんです」
 それは、避けられているのでは?

「そうなのですか? 元気ですよ」
 今なら東京位、秒で殲滅できるくらいに。と思ったが、口には出さない。

「そう言えば、家庭用発電システム順調ですよ。日本から、大手の発電所が消えるのも時間の問題ですね」
 ここでもか。大丈夫かな電力会社? つぶれる原因は俺だな。

 次に、最近依頼が来た、チェーン店のセントラルキッチン。
 ゲートを、各店舗分設置する。
「意外と配送するときに、渋滞とかの影響を受けて困っていたんですよ。これがあれば、交通量の多い所に出店したときの問題が消せます。在庫管理はしているんですが、材料不足でお客さんに提供できないなんて、大きな損失ですからね」
 人に感謝されるのは嬉しい。
 配送関係の人からは、お前のせいかと言われそうだが。


 そんなこんなで、仕事を済ませて家へ帰る。


 家へと帰ってみると、ダイニングで美月がぼーっと座っている。
「おっ起きたのか」
「頭が痛くて……」
「そりゃそうだろう。昨夜フルボトル。2本空けたの、お前だろう」
「そんなに飲んだの? 困るわね」
「何を他人事みたいに…… 大丈夫か?」

「うん。たぶん。……もう一回寝よ。一緒に寝る?」
「仕事も終わったし別にいいが、何も食わなくていいのか?」
「一司も…… 食べなくて平気なのは、分かっているでしょう?」
「まあな。フレイヤじゃないが、魔素があれば平気そうだ。肉体的には、どうなんだろうな?」
「多分魔素が、細胞に置き換わるから平気じゃないの?」
「そうか? まあそうだな」


 そうして、4時間耐久レースに参戦した。

 ベッドの中。気だるい疲れの中で私は考えていた。この残滓は神気? 一司の中で力が戻っている? でも、記憶は? どうなの。一司の神気を体の中で練り上げて循環させる。「ああっ」やばいわあ。神気だけでいっちゃう。


 家のリビング側。
 子供たちが帰って来るな。
 俺はソファーから起き上がり、ダイニングの冷蔵庫を開き中を眺める。
 面倒だから、お好み焼きにしよう。

 キャベツを少し大きめに刻んで、出汁を用意する。山芋をすりすり鬼やすりでおろす。残りを賽の目に切ってぶち込む。
 ボウルで、出汁と、粉は市販品で良いか。山芋とキャベツを混ぜ寝かせておく。

 エビの殻をむき、背ワタを取って、今度は烏賊の皮をむく。
 豚バラはあるな。卵もある。中華麺もあるな。

 皆が帰って来るまで、烏賊に塩コショウを振って軽く焼き、ビールを飲む。
 うん、うまい。

「ただいま」
 中学生組が帰って来たのかと思えば、玲己だ。
「講義は、終わったのか?」
「へへっ。自主勉強と言う事で、帰ってきちゃった。先生、出席取らないし」
 そう言いながら、荷物を放り出し、グラスにビールを入れて箸と皿を持ってくる。
「どれ」
 と言って、俺が焼いた烏賊を引っ張って行き、口へと放り込む。そして、ビールを飲む。
「おいしー。あっ、どうせ焼くならあれも焼こう」
 と言って、鶏モモ肉を持って来た。

「みんなが帰ってこないうちに、出来あがるぞ」
「大丈夫ですよ。身体強化すればすべてOK」

 うちの人間。
 魔法の使い方が、間違っている気がするな。

「ただいま」
 今度こそ、中学生だな。

「また、こんな時間から飲んでいる。体に悪いですよ」
 真魚が、いつものセリフを言ってくる。
「玲己さんまで一緒になって。美月さんは?」
「一度起きてきたが、なぜかまた寝ている」
 一瞬、真魚の動きが止まり
「そうですか」
 そう言って、台所へ向かう。

 そんなに時間を置かず、ばらばらと皆が帰ってきて、腹ペコ高校生たちが、慣れた感じで、キャベツとタネを混ぜて焼き始める。

「あっずるい。皆が帰って来るのを待っていたのに」
 真魚と壮二が、宿題をほったらかして出て来る。

 皆が騒ぎながらお好み焼きを焼いていると、携帯のホットラインアプリから着信が入って来る。
〔はい、神崎です〕
〔ああ、すまないな私だ〕
〔私さんが、どんな御用でしょう?〕
〔意地が悪いな、御仕事だよ。インドに行ってもらえないか?〕
〔インドですか? いいですよ。現地時間で9時AM位でお願いします〕
〔じゃあ、明日だな。よろしく頼む〕
 電話を切ると、皆がこっちを注目してる。

「一司さんが、ぺらぺらだ」
 玲己が目を丸くして、そんなことを言ってくる。
「なんだ、その表現? 薄くはなっていないぞ」
「いや、英語」
「ああ、なんだか、意識しなければ喋れるんだ。よく分からん。英語をしゃべろうと思ったら、中学英語でも怪しいレベルだ」

「へぇー。まあ、それは置いといて。インディアって、明日インドへ行くんですか?」
「ああ。明日の朝、向こうが9時だとこっちが12時だな」
「私も行きます」
 玲己がそう言うと、学生たちも
「明日は休みなので、行きます」
 と口々に言い出す。

「インドって、カレーの本場ですよね」
 真魚がそう言うが、別に香川県のうどん屋みたいに、カレー屋が乱立してはいないと思うぞ。
「まあ良い。みんなで行くか。観光名所もあるみたいだし」
 スマホに映し出された、寺院を見ながら俺はそう言った。
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