勝手にダンジョンを創られ魔法のある生活が始まりました

久遠 れんり

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第4章 少しずつ変わって行く世界

第45話 ぶっちゃけと再認識

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 色々な所を見学していた真魚達が帰ってきて、変な雰囲気に気が付いた。
「どうしたんですか、これ?」

「みゆきちゃんは、からかったら怒った。美月は自爆だな。フレイヤ達はそれを見ていてあきれているのかな?」
 どう? と目を向けると、その通りだよと言う感じで皆からにらまれた。

「ああっと。もう見学は良いかな? 暑いから帰ろうぜ」
 そう言うと、皆は釈然としないようだが、ゲートへ入って行った。

「ああっ涼しい」
「そうね。エアコンは正義だわ」
 思った以上に暑かったようだ。
「海外を見ると、日本が良いと思っちゃうよね」

「ああガイドブックには、今の時期は行くなと書いてあるよ」
「それを、先に言ってくださいよ」
 玲己から苦情が来る。
「知らん。皆が行くと賛同したんだろう」
「まあ。料理はおいしかったし良かったけど。ところで美月さんはどうしてぐでっているんですか?」
「本人に聞いてみろ。ここで伸びているんだから」
 真魚、突っつくな。何処からそんな棒を持って来たんだ?

 いじられていると、むくっと起き上がり、
「一司の馬鹿」
 と言って、ワインとフレイヤを抱えて奥へと消えて行った。
 つまみにフレイヤを食いそうだな。

 そんな事を思っていると、霞ちゃんが手を上げて質問してくる。
「はい、霞ちゃんなんだね」
「一翔が屑なんですが、どうしたらいいでしょう?」
 一瞬皆が固まる。言われた本人もびっくりだ。

「うん。それは良い質問だ。頑張るか頑張らせるか、慣れろ。人間基本は3歳で出来上がる。駄目な奴は駄目だ。直すなら本人の自覚と努力。周りのフォローで何とかしていくしかないが、大変だぞ。ただ、男は好きな推し(おし)ができただけで、家から這い出して、真面目に仕事を始め、頑張れる単純さもある。お前も頑張れ」
 それを聞いて、霞ちゃんが落ち込む。

「そこまで言わなくても、ちょっと優柔不断で頼りなくて、女に見境が無くカッコつけで自爆するくらいじゃないですか」
 なつみ容赦ないな。元カレだろ?

「そんな事を言っちゃたら可哀そうよ。昔から蓼食う虫も好き好きって言うじゃない。同じ穴のムジナよ」
 玲己。それは意味が解って言っているのか? 霞ちゃんの姿がずいぶん薄くなったぞ。

 皆に色々言われて縮んでいき、身長が10cmくらいになった一翔が、手を上げて質問してくる。
「俺って、そんなにひどいですか」
「ああまあ、ひどいな」
 俺が言うと、周りで皆が頷く。

 あっ、とうとう泣き出した。びえーんと泣く奴初めて見た。
 身長はすでに5cm位だな。

「いやでもさ、霞ちゃんも結構わがままで、自分中心だからバランスは良いんじゃない?」
 絶対、わざとだよな玲己。

「うーんそうだね。そう言われれば、お似合いかも。霞ちゃん自己評価だけは高いし、駄目同士?」
 なつみ容赦ないな。霞ちゃん友だちだろ。

 芳雄とみゆきはにこにこと笑ってみているだけだし、ここはひとつ。
「よし。ダンジョンに行って、もっとお互いを知れ。二人だけの共同作業だ。そうすればはっきりするだろう」

 そう言いながら、どこが良いか考える。
 あそこがいい。思わずフレイヤを頼ってしまった沖縄のぬるぬるダンジョン。
 一つは潰したが、野良の一つくらいあるだろう。
 探すと、予想外に50階だが、良いだろう。

 二人の襟首をつかむ。どっちにも逃げられないように25階へGO。


 到着早々俺は姿を隠す。記憶を思い出してから、使える魔法や技が一気に増えた。
「さて諸君、ここは全50階の25階。進むも戻るもご自由に。多くは語らないがここのモンスター、有機物を溶かすから頑張れ。ふっははは」

 と言い残して、姿と気配を消す。
 まあ近くで、隠れて様子を見るけどな。
「はっ? 一司さん」

 しーん。

 ここのボスはスライム。
 壁にへばりつき雪崩れて来る。
 今二人は熱い国への観光の為、普通の服。
 モンスターにとっては紙装備。
 それに、奴らの粘液。
 男にとっては、強力な媚薬。
 女にとってはどうか知らんが頑張れ。

「おいて行かれた?」
「まあ、殺されることはないでしょう。行きましょ」
 こういう時は、女の子の方が度胸があるな。

「うん? なんだこの壁」
 一翔がつけている指なしの手袋から煙が上がる。
「げっ、手袋が溶けた」

「それ、モンスターだわ」
 慌てて一翔が火魔法を放つが、慌てているため、綺麗に出ない。

「任せて」
 そう言って、霞ちゃんが亜空間からバットを取り出して振りかぶり、頭からスライムに飲み込まれる。
「霞」
 そう叫んで、助けに入る。
 何とか引っ張り出すが、もう服は半分溶けている。
 げはげは言っているから、飲んだな。
 内側からは食われないが、喉は痛くなるし、男だとあれが立ちっぱなしになるんだよ。

「大丈夫か?」
「うっうん」
「火魔法で何とかなるか?」
 そう言いながら何とか一翔が周りを焼いていく。
 だが壁になり、スライムはうにょうにょしている。

 二人に向かって、雪崩れて来るスライム。
「瞬殺だわ。私たち、単独だとこんなに弱かったのね」
 そう言いながら、二人は再び飲み込まれていく。


「うーん。思ったより二人が弱いな」
 放電して、スライムを焼いていく。

 再び這い出した二人は、ほとんど服が溶かされていた。

 何とかしようと、あがくが、決定打が出せない。

 それでも一翔は何とか霞を守り、モンスターを倒そうと頑張る。
 その姿を見て、霞は思い出す。
 自分たちを助けてくれた時。
 その時も、一翔は頑張って何とかしようとあがいていた。
 そうだわ、その時にあこがれたのは間違いない。

 今周りにいる人達が、常識はずれなだけ。
 いつの間にかそれが基準になり、一翔がチープ化していく。
 きっとそれだけなんだわ。
 他の女にデレデレはするけれど、必要な時には守ってくれる。
 そうよ。彼はこんなにも…… そう思いながら、またスライムに飲み込まれていく。

「ダメダメだな。二人とも鍛えなおしだ」
 その瞬間周りが凍り付き、びしっと電気が流れる。

 そして、目の前には金色に輝く一司さんが、スケベそうな目で私たちを見ていた。
 私は自分たちの姿に気が付き、収納庫から慌てて服を出す。

「二人とも。鍛えなおしだな」
 うん? 一司さん。
 言っていることは立派だけど、目線が離れない。
 この人服を溶かされた私を、見たかっただけでは?
 ふふっ、私は少し一翔を見直した。
 私もわがままを治そう。

 この時一司は、二人に怪我がないかスキャンしていた。
 見られていると感たのは正解だが、エッチな目と言うのは霞が少し、いや大分(だいぶ)自意識過剰なだけである。
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