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第5章 空間崩壊と混ざり合う世界
第3話 終末は突然に
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「落ち着いたようだが、物が降ってきているな」
「モンスターもね」
俺、芳雄、みゆき、真魚は南の空を学校の廊下で眺めている。
みゆきのお母さんが、
「さっきの衝撃は? 一体何があったのでしょうね?」
と聞いて来る。
「しばらく前から、赤道上に浮いていた黒い球が、壊れたみたいですよ」
とだけ説明する。
「まあ? それで。こんな所まで、衝撃が?」
「ええ、そうですね」
そう答えながら、このシールド。いつまで張らないといけないんだと考える。
すると、考えが漏れていたのか
「人類に対する試練として、厄災(やくさい)を与えるか?」
孔雀モードで、芳雄がボソッと聞いてくる。
「それは嫌だな。今は普通の人間としての感情も強いし」
それに対して、俺はそう答える。
その頃、ドゥアト側。
「おお、世界の境界が壊れたな。いよいよ始まったか」
喜んでいるのは脳筋な神々や、地球で地獄と呼ばれている所の住人。
封印されていた者たちも、呪縛から解放され、もろくなった境界を打ち破りながら這い上がって来る。濃厚な魔素を吐き出す闇の住人と、燦然と神気による光を振りまく神の側。どこかの世界に封印されていた、燃え盛る巨人も這い上がって来た。
巨人に触れたものは燃え始め、口からも炎を吹き出す。
その炎は善悪関係なくすべてを、燃やしていく。
どこからともなく炎の長剣を取り出し、目の前にあるものすべてを壊し燃やし尽くす。
「おお、あいつ見たことがあるな」
「不動様。あいつはスルトだと思いますが、伝承と炎の色が違いますな。元は黒い闇の炎をまとっていたはずです」
「どっちにしろ、あいつが落ちると孔雀たちも大変だろう。ちと手伝ってやる」
そう言って、力を集め始める。
ところが、この場は混とん状態。
不動のもとへと、予想以上の力が集まる。
本人も、
「おお?なんじゃこりゃ」
と言いながら、収束した神気を撃ちだす。
ビーム状の神気は、スルトを巻き込みドゥアトの地殻を撃ち抜く。
「おおっ?」
そう叫びながら、スルトと共に不動そしてその場にいた四天王達を巻き込み、地球へと落下する。
撃ち込まれたのが神気のため、地球に被害は出なかったが、落ちたところは奇しくもグリーンランド。
スルトの伝承の残る、北欧にほど近い。
「ありゃ? どうしてこんなことに」
不動が空を見上げると、空にぽっかりと黒い穴が開き、そこからほかのモンスター達も降って来る。
「やっちゃいましたね」
「ああ。助けるつもりが、とどめを刺したか。あいつらが気が付けば何とかするだろう。お前らもこちら側に落ちると、器を何とかしないと力が出せないだろう」
「そうですね。境界が壊れたためか、普通に来た時よりはずいぶんましですが、帝釈天様を探して頼りましょうか?」
「ああ…… こいつを落とした報告も必要かな?」
そう言うと、4人ともニマニマと笑ってやがる。
みゆきのお母さんと、軽くお茶して帰る。
ちょっと見ないうちに立派になったと、ひたすら芳雄をほめてくれる。
あとは延々、旦那の給料が増えただの、自慢話が続いたがまあいい。
うん? 遠くの方から俺を探している気がする。
「じゃあ、ぼちぼちお開きと言うことで、お母さんも家に帰ったらニュースを注意して見てください」
「そうね。地震? もあったし。それじゃあ、みゆきも皆さんにご迷惑を掛けちゃだめよ。頑張ってね」
そう言って、陽気に帰っていった。
「すいません。母が舞い上がっちゃって」
「ずいぶん嬉しそうだったな」
「弟か妹ができるみたいです」
ぽそっと、言ってきた。
「まあ、仲がいい証拠だな」
家へと帰り、俺を探している思念に応答する。
すると、ポンという感じで目の前に5人現れた。
「四天と不動様?」
〈ああ。申し訳ない〉
そう言って、いきなり謝られた。
〈どうしたんですか?〉
〈あーとなあ、上でスルトを見つけてな。こっちに来るとやばそうだから、攻撃をしたんだよ〉
〈そりゃ、ありがとうございます〉
周りの思念が揺れているのは四天か?
〈お前が、こっち側の裂け目にシールドを張っているのは知っている。だがなあ……〉
〈なんでしょう?〉
〈全然違うところをぶち抜いた。スルトも一緒に落ちた。すまん。何とかしてくれ。器も欲しい〉
それを聞いて、一瞬理解ができなかった。
再起動をして一言。
〈何言ってんだお前? ああっ。せっかく人が苦労して防御してんのに、天の者が足を引っ張って、何してくれてんだ?〉
〈なんだよ謝ったじゃないか。上位者に何だよ、その口の利き方は〉
などと言ってくる。
〈お前が悪い〉
そう言いながら、みゆきと芳雄が出てきた。
それを見て、やばいと思ったのだろう態度が変わる。
〈あっ。はい。でも器〉
〈いやだけど、壮二と神音ちゃん。なつみと一翔それに霞ちゃんで良いだろう。不動は壮二に入れ。四天は適当だが、問題がある。さっき言った組み合わせで、番(つがい)だ。なつみは帝釈天とだな。中に入れば当然……〉
〈それはちょっと…… 自分で探して来ます〉
四天は散って消えたが、北方天は帝釈天の側にいると言って、一翔へ入ることにして、相方の吉祥天を探すと言って消えた。
その後、みんなの前にクリスタルが現れて、無事取ったようだ。
それは家だけではなく、世界中で目の前に謎のクリスタル出現とニュースになっていた。
「何とかなったな」
壮二の姿で椅子に座り、足を組んで茶をすすっている不動。
「何とかじゃねえ。スルトはどうすんだよ」
俺が突っ込むと、
「あっ。一司おにいちゃん。何とかしてよ」
と言ってきやがった。
神音ちゃんは横で何も言わず座っているが、神気が漏れてきている。
「出てくんな。壮二のイメージが崩れる」
「ひどいよ。お兄ちゃん」
神音ちゃんが、黙って立ち上がる。
おもむろに壮二の襟首をつかみ、引きずってダンジョン側へ消えて行った。
「…………」
「モンスターもね」
俺、芳雄、みゆき、真魚は南の空を学校の廊下で眺めている。
みゆきのお母さんが、
「さっきの衝撃は? 一体何があったのでしょうね?」
と聞いて来る。
「しばらく前から、赤道上に浮いていた黒い球が、壊れたみたいですよ」
とだけ説明する。
「まあ? それで。こんな所まで、衝撃が?」
「ええ、そうですね」
そう答えながら、このシールド。いつまで張らないといけないんだと考える。
すると、考えが漏れていたのか
「人類に対する試練として、厄災(やくさい)を与えるか?」
孔雀モードで、芳雄がボソッと聞いてくる。
「それは嫌だな。今は普通の人間としての感情も強いし」
それに対して、俺はそう答える。
その頃、ドゥアト側。
「おお、世界の境界が壊れたな。いよいよ始まったか」
喜んでいるのは脳筋な神々や、地球で地獄と呼ばれている所の住人。
封印されていた者たちも、呪縛から解放され、もろくなった境界を打ち破りながら這い上がって来る。濃厚な魔素を吐き出す闇の住人と、燦然と神気による光を振りまく神の側。どこかの世界に封印されていた、燃え盛る巨人も這い上がって来た。
巨人に触れたものは燃え始め、口からも炎を吹き出す。
その炎は善悪関係なくすべてを、燃やしていく。
どこからともなく炎の長剣を取り出し、目の前にあるものすべてを壊し燃やし尽くす。
「おお、あいつ見たことがあるな」
「不動様。あいつはスルトだと思いますが、伝承と炎の色が違いますな。元は黒い闇の炎をまとっていたはずです」
「どっちにしろ、あいつが落ちると孔雀たちも大変だろう。ちと手伝ってやる」
そう言って、力を集め始める。
ところが、この場は混とん状態。
不動のもとへと、予想以上の力が集まる。
本人も、
「おお?なんじゃこりゃ」
と言いながら、収束した神気を撃ちだす。
ビーム状の神気は、スルトを巻き込みドゥアトの地殻を撃ち抜く。
「おおっ?」
そう叫びながら、スルトと共に不動そしてその場にいた四天王達を巻き込み、地球へと落下する。
撃ち込まれたのが神気のため、地球に被害は出なかったが、落ちたところは奇しくもグリーンランド。
スルトの伝承の残る、北欧にほど近い。
「ありゃ? どうしてこんなことに」
不動が空を見上げると、空にぽっかりと黒い穴が開き、そこからほかのモンスター達も降って来る。
「やっちゃいましたね」
「ああ。助けるつもりが、とどめを刺したか。あいつらが気が付けば何とかするだろう。お前らもこちら側に落ちると、器を何とかしないと力が出せないだろう」
「そうですね。境界が壊れたためか、普通に来た時よりはずいぶんましですが、帝釈天様を探して頼りましょうか?」
「ああ…… こいつを落とした報告も必要かな?」
そう言うと、4人ともニマニマと笑ってやがる。
みゆきのお母さんと、軽くお茶して帰る。
ちょっと見ないうちに立派になったと、ひたすら芳雄をほめてくれる。
あとは延々、旦那の給料が増えただの、自慢話が続いたがまあいい。
うん? 遠くの方から俺を探している気がする。
「じゃあ、ぼちぼちお開きと言うことで、お母さんも家に帰ったらニュースを注意して見てください」
「そうね。地震? もあったし。それじゃあ、みゆきも皆さんにご迷惑を掛けちゃだめよ。頑張ってね」
そう言って、陽気に帰っていった。
「すいません。母が舞い上がっちゃって」
「ずいぶん嬉しそうだったな」
「弟か妹ができるみたいです」
ぽそっと、言ってきた。
「まあ、仲がいい証拠だな」
家へと帰り、俺を探している思念に応答する。
すると、ポンという感じで目の前に5人現れた。
「四天と不動様?」
〈ああ。申し訳ない〉
そう言って、いきなり謝られた。
〈どうしたんですか?〉
〈あーとなあ、上でスルトを見つけてな。こっちに来るとやばそうだから、攻撃をしたんだよ〉
〈そりゃ、ありがとうございます〉
周りの思念が揺れているのは四天か?
〈お前が、こっち側の裂け目にシールドを張っているのは知っている。だがなあ……〉
〈なんでしょう?〉
〈全然違うところをぶち抜いた。スルトも一緒に落ちた。すまん。何とかしてくれ。器も欲しい〉
それを聞いて、一瞬理解ができなかった。
再起動をして一言。
〈何言ってんだお前? ああっ。せっかく人が苦労して防御してんのに、天の者が足を引っ張って、何してくれてんだ?〉
〈なんだよ謝ったじゃないか。上位者に何だよ、その口の利き方は〉
などと言ってくる。
〈お前が悪い〉
そう言いながら、みゆきと芳雄が出てきた。
それを見て、やばいと思ったのだろう態度が変わる。
〈あっ。はい。でも器〉
〈いやだけど、壮二と神音ちゃん。なつみと一翔それに霞ちゃんで良いだろう。不動は壮二に入れ。四天は適当だが、問題がある。さっき言った組み合わせで、番(つがい)だ。なつみは帝釈天とだな。中に入れば当然……〉
〈それはちょっと…… 自分で探して来ます〉
四天は散って消えたが、北方天は帝釈天の側にいると言って、一翔へ入ることにして、相方の吉祥天を探すと言って消えた。
その後、みんなの前にクリスタルが現れて、無事取ったようだ。
それは家だけではなく、世界中で目の前に謎のクリスタル出現とニュースになっていた。
「何とかなったな」
壮二の姿で椅子に座り、足を組んで茶をすすっている不動。
「何とかじゃねえ。スルトはどうすんだよ」
俺が突っ込むと、
「あっ。一司おにいちゃん。何とかしてよ」
と言ってきやがった。
神音ちゃんは横で何も言わず座っているが、神気が漏れてきている。
「出てくんな。壮二のイメージが崩れる」
「ひどいよ。お兄ちゃん」
神音ちゃんが、黙って立ち上がる。
おもむろに壮二の襟首をつかみ、引きずってダンジョン側へ消えて行った。
「…………」
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