勝手にダンジョンを創られ魔法のある生活が始まりました

久遠 れんり

文字の大きさ
162 / 167
第5章 空間崩壊と混ざり合う世界

第7話 夏休みの工作 その1 今後の方針

しおりを挟む
「みんな、もう夏休みだよな」

 家のリビングだがダンジョン側。
 いま、みんなを集めてディスカッション中。

 四天と八部鬼衆が、器を見つけて合流したために手狭になった。
 家はいつまで待ってもできないし。

 全員話をして、社員として登録。
 八部鬼衆が適当に器を決めて、家出同然に合流したものだから、親に挨拶に行ったり許可をもらうのが大変だった。
 学校もアルバイトや就業禁止の所は芳雄たちの通っている高校へ転校させた。

 校長が出てきて、ぶちぶち言われたので、ご自由にお使いくださいと、小判では無いが紙束の入った菓子折りを包むことにした。
 校長は見事な手のひら返しだったよ。
 私立も最近は大変でねと、ぼやきながら行こうとしたので、呼び止めて寄付の書類を書かせた。
 そしたら、なぜかにらまれた。普通じゃないのか? 対応してくれていた事務の方は笑っていたが。

 高校生と大学生。
 やろう共の親は、手放しで喜んでくれた。
 と言っても、最初は胡散臭い会社と思われたらしく、作っていたパンフレットを見せた。
 パンフレットには、取引先、日本、アメリカ、世界ダンジョン&モンスター対策協会の特別指名会社と明記。
 ひきつった笑いを見せる大統領や、総理との写真も載せるとさらに怪しくなった。 

 会社理念には平和をこの手にと書いて、地球を包む手を書いたら、なぜか完全に悪の組織か、宗教団体だよねと皆から突っ込まれた。

 パンフレットを渡して、保護者全員に怪しい目で見られたが、最終的には、特別指名会社のタグを見せて納得してもらった。テレビのニュースで見知っていたらしい。
 
 男の方で手間取ったので、女の子の方は説明会と称して経費をこっち持ちで集まってもらった。
 女の子たちの親は、パンフレットを見せると、どこの宗教組織だと詰め寄られ、違いますモンスター退治の会社ですと言うと、杉本さんと斎藤さんの親は納得ができず「か弱い娘が務められるわけがない。何が目的だ」とさらに詰め寄られた。

 手が無くなって、井守先生に電話をする。
 来ると言うので迎えに行き、説明をしていただく。
 すると先生は、副業の魔道具系から説明に入る。
「弊社は、モンスター退治だけではなく、世界で唯一の魔道具作成会社として営業しています。取引先は、エコエネ総合研究開発をはじめとした…… 年商は……、ほかにも流通革命を起こした時空シリーズ。取引先は…… 後、名前が長いので割愛しますが、個人用シールドも弊社の商品です」

 説明が終わると、親たちの目つきが変わっていた。
 名前を聞いたことがある企業が、ポンポンと出てきたことが効いたのか、年商が効いたのか? 
「神崎さん、先ほどは申し訳ありません。うちの会社に収めていただいた時空シリーズで問題点が無くなったと、春先に社長から社員に向けて説明があったのですが、まさか御社が販売元でしたか」
 そう言って、杉本さんが握手をしてきた。
 
 にこやかになった杉本さんと違い、斎藤さんの親。特にお父さんは憮然としている。
 斎藤さんに聞くと、長距離のトラックを運転していたが、仕事がなくなって、そのために私も大学に通いながら割のいいバイトとして、キャストをしていたと説明してくれた。
「今も、仕事無いの?」
「近距離ですね。通販のおかげで配達トラックの需要は多いので。ただ、給料は減ったし、父は人相手が苦手で、個人相手だと、訳の分からないクレームとか言われると、辛いらしくて」
「ふーん」
 それを聞いて、お父さんに近寄っていく。

「斎藤さんのお父さん」
「なんだ。娘の就職なら認める。よろしく頼む」
 と言って、頭を下げてくる。

「お父さんもうちに来ません?」
「あん? 娘から話を聞いて同情か?」
「まあ、そうですね」
「ぐっ」
 おおっ。こぶしを握ってプルプルしている。

「うちの魔道具の配送です。個人で4トン持っているんですって? 役所と、さっき話に出たエコエネ総合研究開発への配送をお願いしたいのですが、デリケートなもので安全運転でお願いします。両方とも納品と次の受注を取って来るだけ。見た感じ、かなり腰に来ているようだし、どうでしょう? このあたりで楽な仕事に切り替えてみては? みゆき治してあげて」
「失礼しますね」
 みゆきがそう言うと、斎藤さんのお父さんを光が包む。

「ああっ。腰の痛みが、背中の張りもなくなった。足のしびれも」
 とどめを刺そう。
「週5日でもいいし週3日でも。倉庫を用意しますので、中にあるのをその週のうちに順番に配達して頂ければいいので。それで、月給制でこんだけ、年収はみんなにあわせるととんでもないので夏2,5と冬3で合わせて、この位の年収でどうでしょう?」

「年800? おい、いいのか? さっきの話じゃ」
「ああ、商品を壊さないでくださいね。ちなみに、娘さんの年収はこんだけ。歩合や作戦によっては、臨時ボーナスが入るので確定じゃありませんけどね」
 お父さんの目が点になった。

 少しすると復活したのか、
「ちなみに、長距離はないのか?」
「週に一回アメリカというのがありますけど、やるんですか? 自家用ジェット持っています? トラックじゃ無理ですよ」
 それを聞いて、お父さんはがっくりしていた。
「よし、話はまとまった」

 と、まあいろいろ苦労をして、話をまとめた。
 女の子でも、武道関係は苦情? 何それ状態。修行して給料をもらえる、カモーンだったよ。


 そして話は、リビングに戻る。
「えーと、大事な夏休みの宿題の関する方針だ。まず壊れかかった世界を壊して、まっさらにしたいところだが、ただまあ、一気にやるとなると、神も仏も獄卒も全員殲滅か地上に降ろすことになる。だがこれはできない」
 そこまで言うと、みんなは当然と納得してくれた。

「そこでだ、まず下級世界。昔美月が作った修羅界のようなものから先に作りモンスターや餓鬼などを落とす。ちなみに地上にできているダンジョンなどは残す。なぜなら会社の為だ。あっいや、魔素は究極のエネルギーになる世界平和のためだ」
 ちょっと口が滑った。生暖かい目が注がれる。

「そして、今崩れかかっている通称ドゥアトを、各世界の緩衝用の世界として再構築し直す。緑があふれる、しかし魔素が高濃度の世界とする。ここはうちが管理して、その上に天上界や俗にいう天国を作る。これで、何かあっても直接現世、つまり地球に干渉できなくする」

 手が上がる。
「なんだ、神音」
「干渉できないとすると、ダンジョンのモンスターはどうするんですか?」
「俺が、ダンジョン内で輪廻させる。つまり、小さな獄界を作る」
「無間地獄(むけんじごく)ですね」
「ああ。見た目は同じだが、全く違うダンジョンをクリエイトする」

「干渉世界はどうして作るの?」
「真魚。良い質問だ。それはだな……」
「一司がこっちで好き勝手するつもりにゃ。上位の神に邪魔されたくないのにゃ」
 なぜかフレイヤが、人化までしてばらしやがった。
 みんなの目が、刺さる。だんだん癖になって来るな。

「なんだ、だめなのか?」
 開き直ってそう言ってみる。すると、
「まあいいんじゃない。やってみてダメそうなら、干渉世界なんて言う玩具飛ばして干渉してくるわよ。帝釈天あなたはまだ天部でしかないから、上の方々の力を知らないだけ。どうあがいても手のひらの上だけの自由よ」
 みゆきがそう言ってくる。中身は誰だよ。

「ちっ。孫悟空かよ」
 俺がそう言うと、
「そんな話があったわよね。世界の果ての柱の話ね」
 玲己がポンと手を打ち納得する。

「まあいい。踊ってみるさ」
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

ずっとヤモリだと思ってた俺の相棒は実は最強の竜らしい

空色蜻蛉
ファンタジー
選ばれし竜の痣(竜紋)を持つ竜騎士が国の威信を掛けて戦う世界。 孤児の少年アサヒは、同じ孤児の仲間を集めて窃盗を繰り返して貧しい生活をしていた。 竜騎士なんて貧民の自分には関係の無いことだと思っていたアサヒに、ある日、転機が訪れる。 火傷の跡だと思っていたものが竜紋で、壁に住んでたヤモリが俺の竜? いやいや、ないでしょ……。 【お知らせ】2018/2/27 完結しました。 ◇空色蜻蛉の作品一覧はhttps://kakuyomu.jp/users/25tonbo/news/1177354054882823862をご覧ください。

治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~

大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」  唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。  そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。 「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」 「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」  一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。  これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。 ※小説家になろう様でも連載しております。 2021/02/12日、完結しました。

異世界へ行って帰って来た

バルサック
ファンタジー
ダンジョンの出現した日本で、じいさんの形見となった指輪で異世界へ行ってしまった。 そして帰って来た。2つの世界を往来できる力で様々な体験をする神須勇だった。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える

ハーフのクロエ
ファンタジー
 夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。  主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。

迷宮に捨てられた俺、魔導ガチャを駆使して世界最強の大賢者へと至る〜

サイダーボウイ
ファンタジー
アスター王国ハワード伯爵家の次男ルイス・ハワードは、10歳の【魔力固定の儀】において魔法適性ゼロを言い渡され、実家を追放されてしまう。 父親の命令により、生還率が恐ろしく低い迷宮へと廃棄されたルイスは、そこで魔獣に襲われて絶体絶命のピンチに陥る。 そんなルイスの危機を救ってくれたのが、400年の時を生きる魔女エメラルドであった。 彼女が操るのは、ルイスがこれまでに目にしたことのない未発見の魔法。 その煌めく魔法の数々を目撃したルイスは、深い感動を覚える。 「今の自分が悔しいなら、生まれ変わるしかないよ」 そう告げるエメラルドのもとで、ルイスは努力によって人生を劇的に変化させていくことになる。 これは、未発見魔法の列挙に挑んだ少年が、仲間たちとの出会いを通じて成長し、やがて世界の命運を動かす最強の大賢者へと至る物語である。

処理中です...