人類最強は農家だ。異世界へ行って嫁さんを見つけよう。

久遠 れんり

文字の大きさ
66 / 120
第2章 異世界開拓

第66話 苦悩

しおりを挟む
「ふっふふっ」
「どうした。真一」
「広大。家を建てくれ。土地を貰って来たらしい」

「そりゃいいけど。お前。顔色が土色になっているぞ」
「ああ。うわさが流れたらしくて、カリーネとシーラが、他の女? 良いのよ。あなたのお好きなようにって言いながら、交代交代に起き上がって来るんだ。もう二日寝られていない。奴らのふふっていう笑いが、頭から離れない」
「おう。大変だな」
「ああ頑張ったよ」
「そう言うのを、自業自得って言うのよ」
 美咲が嬉しそうに言いながら、聖魔法をかける。


 光が収まると、顔色が元に戻っていた。
「ああ参った。エルミの件が、此処まで大きくなるとは思わなかった」
「声と一緒に思念。感情まで乗ったらしいからな。お前のことが好きって、暗示がかかったんだろう」
「ああそんな感じだ。そっちは大丈夫なのか?」
「ああこっちは順調。子供たちが思ったより強い。それに俺はうかつに手を出さ無しな」
「そうか。カリーネは駄目だけどシーラを連れて行こうかな?」
「それで抑止になるのか?」
「たぶん。な」

「まあいい。家はどんなのが良いんだ?」
「風呂と台所。部屋はたくさん」
「あら?」
「変なことを考えるな。プライベートは必要だろう?」
「まあ。そうしておこうか」
 そう言った後、土地に案内してもらう。
 領主の館に程近い、土地だった。

 ざっと地面に設計図を書き形を理解。
 土魔法で基礎を作り、配管を設置。
 上物を木組みで作って、棟まで上げる。
 垂木を組み、野地板を張るとその上に、ケイ素をベースにした保護膜を張る。
 部音と防水ルーフィングシートの代わりだ。
 その上に瓦を施行する。

 天井もしっかり張るが、「各部屋共通のウォークインクローゼット? それって、すべての部屋を繋ぐということか?」そう聞くと、
「ああ。いやまあ」
「そんなのを作れば、覗かれるということだろ」
 そう言うと、気がついたようだ。
 知っていたが、馬鹿だなこいつ。

 一応、夫婦の寝室横に、個別の風呂とトイレも作った。

 扉は、しっかり扉。
 ふすまは座敷。つまり客間のみにした。
 別個に洋室も。
 客間の和室は、蓋を外せば掘りごたつにもなる。
 当然防音は魔道具も使い。
 思念も漏れないようにした。

「こんなものだろう」
 うろうろと、見て回っていたが、真一も納得したようだ。

「とりあえず、夫婦の寝室と、横の部屋にはベッドを入れて布団は、お値段以上だがまあ良いだろう。気に入らなかったら自分で買ってこい」
「分かった。カリーネに教えてこよう」
 そう言って、領主の館へ走って行った。


 その頃、クスティとヤルマリは、王都からの書簡を見て困っていた。
『日本国との交渉について、全責任をクスティ・キルペライネンに委譲する。王国に対し最も良い結果を報告してくれることを期待する。アミサム王国国王。ラウリ・ヒルム・アミサム』

「これは、あれかな。この国の行く末を、私に任せるということかなヤルマリ」
「そうでしょう。日本から使者が来れば、有無を言わさず王都に行けばよろしいのでは。車なら、先触れも使者も置いてきぼりにできますし、松田様のお力で飛んで、先触れも使者も先に出したので、二週間もすれば到着をするとでも、言って差し上げればよろしいのでは? クスティ様も腐った肉の料理はもう無理でございましょ」
「それはそうだな。よくあんなものを、ありがたがって食していたものだ。おっと、他言は無用だぞ」
 そう言うと、ヤルマリはにこやかに微笑んでいる。


「ちわっ。カリーネはこっちに来ていませんか?」
「これは、窪田様ちょうど良いところへ。カリーネへの要件の前に、少しお話をよろしいでしょうか?」
「いいよ? なんだ?」

「私が、王国の代表になったようです。そう広大へ伝えて頂きたい」
「分かった。じゃあ日本側にも言っておこう」
「前にも伝えましたが、素材並びに料理は、国を知ってもらうためとか理由をつけて」
「ああ分かっている。言っちゃあ悪いがあれはなあ」
「お口汚しを。無知とはいえ、申し訳ありませんでした」
 ヤルマリが頭を下げる。

「それで、窪田様はどのようなご用件で?」
「そういえば、土地をありがとう。それで家ができてね」
「それは、土地を譲ったのは、つい先日ですのに」
「ああ。広大が頑張ってくれた」
「カリーネに伝えておきましょうか?」
「いやこういうことは、自分で伝えるさ」
 そう言って、部屋を出て行く。

「規格外な、方達だ」

 侍女の控え室を、ノックする。
 返事がする前に開くと、たまに良い物が見られる。
 バッと、ドアを開く。

 そこには見たことのない女性が、着替えている途中。
 下着まで、これから穿くところで、片足が上がっている。
 普通見えにくいところまで、きっちり真一の目は捉える。

 その女性はあわてることなく、右手を横に差し出す。
 侍女かお付か、刀を流れるように渡す。
「姫様。お待ちください」
 カリーネが叫ぶが、一瞬で剣は振り抜かれる。

「危ねえな」
 ひょうひょうとした態度で、真一は剣先をつまむ。
「ぬっ。離せ無礼者。我が裸体。辱めおって」
「すみません。姫様。その者、我が夫でして」
「カリーネ? 夫? そちはまだ婚姻を行っていないはずだが」
「それよりも先にお召し物を。あなたも見ないで。向こうを向いて」
「いや切られると怖いから、向こうなど向けないのだが」
 そう言いながら、切っ先を離す。

「ふむ。カリーネの夫か。そなた我が肢体。しかと見たな」
「あーまあね」
 そう言った瞬間、カリーネは自身の顔を隠す。
 悪い癖が。幼少期からこの姫。
 第二王女マリアーナ・ヘレナ・アミサムは変なところに興味を示す。
 姉が居るせいなのか、人の大事なものが好物。

 つかつかと近寄り、真一の顔を見る。
 真一も、なんだこいつと、見返す。
「ふむ。気に入った」
 そのままキスをしてくる。
 真一も負けるものかと、抱きしめ。舌を押し込み蹂躙する。
 頭の中から、カリーネの存在が、その時は消えていた。
 すぐに、目が合い。やばいと冷や汗が流れ始める。
 フッと手を離しカリーネに言い訳をしようとしたが、先に姫様が倒れそうになる。あわてて、すっと腕を回し背中を支える。

「好き」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~

よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】 多くの応援、本当にありがとうございます! 職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。 持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。 偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。 「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。 草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。 頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男―― 年齢なんて関係ない。 五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!

勇者召喚の余り物ですが、メイド型アンドロイド軍団で冒険者始めます

水江タカシ
ファンタジー
28歳独身、一般事務の会社員である俺は、勇者召喚に巻き込まれて異世界へと転移した。 勇者、聖女、剣聖―― 華やかな肩書きを持つ者たちがもてはやされる中、俺に与えられたのは聞いたこともないスキルだった。 【戦術構築サポートAI】 【アンドロイド工廠】 【兵器保管庫】 【兵站生成モジュール】 【拠点構築システム】 【個体強化カスタマイズ】 王は落胆し、貴族は嘲笑い、俺は“役立たず”として王都から追放される。 だが―― この世界には存在しないはずの“機械兵器”を、俺は召喚できた。 最初に召喚したのは、クールな軍人タイプのメイド型戦闘アンドロイド。 識別番号で呼ばれる彼女に、俺は名前を与えた。 「今日からお前はレイナだ」 これは、勇者ではない男が、 メイド型アンドロイド軍団と共に冒険者として成り上がっていく物語。 屋敷を手に入れ、土地を拠点化し、戦力を増強しながら、 趣味全開で異世界を生きていく。 魔王とはいずれ戦うことになるだろう。 だが今は―― まずは冒険者登録からだ。

【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

魔道具は歌う~パーティ追放後に最高ランクになった俺を幼馴染は信じない。後で気づいてももう遅い、今まで支えてくれた人達がいるから~

喰寝丸太
ファンタジー
異世界転生者シナグルのスキルは傾聴。 音が良く聞こえるだけの取り柄のないものだった、 幼馴染と加入したパーティを追放され、魔道具に出会うまでは。 魔道具の秘密を解き明かしたシナグルは、魔道具職人と冒険者でSSSランクに登り詰めるのだった。 そして再び出会う幼馴染。 彼女は俺がSSSランクだとは信じなかった。 もういい。 密かにやってた支援も打ち切る。 俺以外にも魔道具職人はいるさ。 落ちぶれて行く追放したパーティ。 俺は客とほのぼのとした良い関係を築きながら、成長していくのだった。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

処理中です...