人類最強は農家だ。異世界へ行って嫁さんを見つけよう。

久遠 れんり

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第3章 アミサム王国 動乱

第93話 すべては、プローペ

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「むっアウラ。近衛、どうして解放した?」
「それが、王女。姫様が、我々から逃れるために、お小水を我々に振りかけられて、手が緩んでしまいました。申し訳ありません」

「ぬおっ。そこまで」
 そう言って驚いた後。アミサムと通信中なのを思い出す。

「おっと失礼。お見苦しい所を」
 当然、アミサム側は、ニヤニヤが止まらない。

「さて、少し取り込んできたので、失礼させて頂く。またご連絡いたします。ラウリ・ヒルム・アミサム王よ」
 そう言いながら、王は宰相に、通信を切るように催促をする。

 無事に、通信が切れる。
 王は、娘。アウラに向き直る。
 近衛に捕まり、猿ぐつわをかけられ、ジタバタしている。
 それを見て、王は力なく座り込む。

「王都民からは、聖女と名高いおまえが。何という姿。かまわぬ。少し牢へでも放り込んでおけ」
「はっ」

「んっ。んんっ。んんーんん。んんんー」
 ジタバタしながら、連れて行かれる。

「さてと、恥もさらしたが、アミサム側でも騒動のようだ。日本というのは、今回召喚された勇者の記録に出ておったな」
「左様です」
「アウラ。あの様子では、何してきたのか不安じゃ。そうだな、早急に王子。アルヴを使いに出し。爺ダニエル・ローゼズと落ち合い。話を聞け」
「はっ。早急に」
「頼む」



 アミサム側。
「先ほどのは、第1王女アウラ・アレクシス・ヘルムル。アルフォンスの婚約者では?」
 第1王女ビルギッタが、笑いをこらえ聞いてくる。

「前にお目にかかったときは、聖女にふさわしい方でしたが」
 アルフォンスも苦笑い。
「近衛から逃れ得るために、自らの小水を振りまいたとは、なかなか思い切った事を。少し見なおしましたわ。捕らえられたのは、どうしてかしら?」

「私が、プローペへ赴きましょう。是非に」
「そうじゃな。マリアーナだけでは、ちとあれじゃな。クトゥルフ。そしてお二方と、縁を強固にしてくるが良い。また、プローペの状態も把握してくるがいい。それと道中。日本に教えられた状況か、各領の様子も見聞してくるがいい」
「はい父上」

「松田様と縁をと言うなら、私も参りますわ。勇者の小娘と仲が良いようですが、胸の大きさでは、私の方が勝っております」
「お姉様、勇者と仰るのは美咲と呼ばれていた、酒井様ですよね」
「そうじゃ」
「あの方も、真一様。窪田様と同レベルのお力があります。私には分かりました」
「そうなのか? しかし私も王族。むげにはできまい」

「まあいい。2人とも行き。さっき言った事。確認せよ」
「「はい。務めさせていただきます」」

「すべては、プローペだな」


「ただいま」
「おうお帰り。姫さんはどうした?」
「家へ送っていった」
「家?」
 クスティが、怪訝そうな顔で聞いてくる。

「アルテリウムの城だ」
「なっ。今の一瞬の間に。しかし、従者や兵がまだこちらにいますが」
「聞かれたら、古の魔法で帰ったと言っておけ。何とかして連絡は取るだろうし。自分たちで何とかするだろう」
「そんな、いい加減な」
「悪いのは、あの姫さんだ。そうだろう。美咲も機嫌が悪くなるし。おい。せっかく来たんだ。王都からの無事帰還。祝いだ飲むぞ」

「へーい。おい。クスティ逃げるな。宴会だ」
「あーはいはい。ヤルマリ。従者達に姫の事を伝えてきてくれ。神の怒りを買って国に帰されたと」
「承知しました」
「あっ。おい。ヤルマリも手が空いたら戻って来いよ」
「あー。承知しました」
 そう言って、とぼとぼと帰って行った。

 そして、領主の館。
「なに。姫様が帰った」
 そう言って驚くのは、爺やダニエル・ローゼズ。
「一体どうしてそんな事に、いかん。追いかけなくては」
「ああ。いえ。すでにおそらくは、お国の王城にいらっしゃいます」
「先ほどここへ、来ていたはずだ。お声を聞いた」
「そのすぐ後。あー。松田様を怒らせまして、古の魔法で一瞬のうちに。送っていかれたようです」

「なんと。兵が連絡用の鳥を連れておるはず。いずれにしろ確認は必要。失礼」
 そう言って、ダニエル・ローゼズは駆け出していく。

 無事、鳥を使い。確認の書状を出す。
「しかし、一瞬で王城まで。そんなもの、攻撃に使われれば、防ぐ手立てがないではないか。恐ろしい」


 そして、嵐が去ったと思っていた、松田家。
「あのーこの娘が、庭で粗相をしていましたが」
 帰り着いたら、すぐ真一が呼び出されたので、付いてきたシーラ。
 オロオロしていると、庭でしゃがみ込んでいた魔族の女ダニエラを見つける。

「えへ。普段は外で、適当にしているから。ここじゃあ、どこか決まった所があるのね」
「シーラ。トイレの場所と使い方を教えてやれ」
「はい。こっちへおいで」
 そう言って、引っ張られていく。

「今まで外でって。どんな生活をしていたのかしら。ちょっとお風呂とか、常識一般教えてくる」
 そう言って、美咲が、2人の後を追いかける。

「あれが魔族ですか?」
「あれ? そういえば、いたのか」
 すっかり存在を忘れていた、勇者くんがいた。
「ぼけーっと見ていると、奥さんに刺されるぞ」
 大丈夫です。普通の刃物じゃ刺さりません。
「よし奥さんに、破邪の剣をプレゼントしよう」
 ちょっと出しただけで、強力な力を感じる。

「それは。ちょっと冗談にもならないし。それ、この世にあってはいけないものでは?」
「あるし。拾い物だからな」
「絶対駄目です。仕舞っておいて」
「おーい。凪沙ちゃん」
「やめてぇ」
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