人類最強は農家だ。異世界へ行って嫁さんを見つけよう。

久遠 れんり

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第3章 アミサム王国 動乱

第95話 ダニエラの村

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「それって本当なの?」
「長はそう言っている。長は魔族に伝わる古文書? を、見つけて読んで。先代の魔王様に探すように頼まれたって。それでこっちに来て、逃げていた農民達と仲良くなって暮らしながら探している」

「ほう。近くにいるなら、会いに行ってみるか」
「本当? それなら、主様と番いになるって報告ができる」
「それは駄目。あなたが言っているだけで、誰も認めていない」
「えーでも、ご飯美味しいし。主様強いのに。強い人を独り占めにするのはいけない事なんだよ。種族の弱体を招き。滅ぶって」

「ぐっ。でもね。私たちの所では、そういう決まりなの」
「変よ。変わってる」
 いい加減、美咲が涙目になってきた。
 こっちへ来て、ずっと同じことを言われているようだからな。

「まあ。人それぞれ、あるのさ。おれは、美咲だけでいい」
「もったいない。子供を作れるのって、ある程度までだから。若いうちにばらまいた方が良いのに」
 ダニエラがぼやく。

「まあ。日本で一夫一婦になったのは明治で。西洋文化を取り入れたら、キリスト教の影響を受けたっていうのが通説らしいしな」
「えっ。そんなに最近なの?」
「大奥はなんだ?」
「あっ」
 そう言ったら、また考え始めた。

「まあ食え。明日は、お散歩だ。晴れると良いなあ」
 そう言って、美咲の頭をなでる。
「えへへ。ご飯美味しい」
 そういえばこいつも、最初ご飯を食わせてくれるって、家に来たよな。

 そして、ダニエラを客間に戻し、寝室に戻った俺たちは、明るい所で美咲をじっくり見るという作業を再開した。
「凄いな。大洪水だ」
「言わないで」

 翌朝、ダニエラの話を、朝食を食べながら皆にざっと説明。
 日本組みは、一度帰すが。
 その他はのりのり。
「トレジャーハンター。リアルインデ○ージョンズ」
 そう言って、盛り上がる。

 王国に行ったとき、置いてけぼりになったのが、寂しかったのだろう。
「私もいく。もう安定しているし、運動は必要」
 そう言って、杉山さん。つまり凪沙も参加。勇者そろい踏み。

 力を感じる事のできるダニエラが、ご飯を食べながらキョロキョロしていた。
「この家、化け物ばかりいる」
 だそうだ。

 いちど、日本組みを送っていき、戻ってくる。
 チームの宿舎に、様子を見に行き。
 何処で、ダニエラを拾ったか聞いてくる。
 王国まんじゅうはなかったが、お土産に、途中で捕まえた猪を渡す。
 農民を探していたときに見つけた。

「さて、行くか。聞いた所へ、一度飛ぶからな」
 さて飛んだ所は、急斜面の中腹。

「どっちから来たんだ?」
 ダニエラに聞く。

「えーと、あっち」
 王都の方向を指し示す。
「どうして、こんな高い所をうろついていた?」
「うーんとね。施設の排気筒って言うのが、比較的高い所にあるって言ってたので。上から見ていたら、自分の胸が重くて。落ちちゃったの」
 そう言って、ゆさゆさと胸を揺らす。

「そうか。大変だな」
 美咲はにらんでいたが、凪沙ちゃんは妊娠して大きくなったらしく、美咲に何か言っていた。

「ちょっと待ってな。ああこれか。見つけた行くぞ」
 そう言って飛ぶ。

 山間にひっそりと集落があった。4方を山に囲まれた盆地。
 段々畑が広がっているが、険しいためか、面積は広くないようだ。
 ただ、湧き水はある様だ。
 掘っ立て小屋が、10数軒建っている。

「帰ってきた」
 ちなみに、今朝からダニエラは下着も含め。プローペで仕立てたものを着ている。
 デニムのパンツに、Yシャツという感じだが。
 最初は、ボタンを開けているから、ブラがだな。
 見せるタイプじゃないが、本人が気にせず。
 周りが何とか、ギリギリまでボタンは留めさせた。

 まあ、長の家まで案内を頼み、ぞろぞろと付いていく。
 手土産は、穀物と猪。

 その頃。長は。
 私は、魔族の研究者。オリヴェル・イーセキ。
 旧時代の書物を読み解き。それの調査を、先代魔王に命令され、人の住むこの大陸へとやって来た。
 食うや食わずで徘徊していた人間を見つけ、手を貸し。
 ここに里を開いた。

 そしてここを拠点に、遺跡探査をしていたが、またあの巨大な力が現れた。
 数日前には、通り過ぎただけだったが、今回は、すぐ近くに現れた。
 きっと見つかったのだろう。

 ないよりはましかと、震える手で剣を携え。家の外へと赴く。

「やっほー。長」
「はっ?」
「ダニエラ? 無事じゃったか。じゃが、その後ろの者達。何を連れてきた?」
「うん? 私の主候補と、お仲間」
「主? 候補?」
「うん。奥さんが嫉妬深くて。まだうんて言ってもらえないの」
「そうか。それにしてもこの力。魔王様でも瞬殺じゃな」

「失礼。ここの長かな?」
 そう言ってその男は、人なつっこい笑顔を向けてきた。


 そして。
「これがそうですか?」
 文書を、見せてもらう。
 材質は、プラスティックが入った紙かな。
『ナノマシン散布施設 環境調整用β大陸。管理マニュアル第8エリア用』
「あーうん。突っ込みどころ満載だが」
 パラパラと中身を見る。

「ダニエラが言っていた乗り物、それに武器。施設管理用だから、たいした物は無いが。標準装備のようだな」
「おぬし。いやあなた様は、この文字が読めるのか?」
「うん。ああ普通に読める」
 そう言うと、長は目を丸くする。
「あなた様は一体?」
「ああ普通の農家だ」
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