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第3章 アミサム王国 動乱
第105話 思わぬ遭遇
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長く険しい道を、とぼとぼと歩いて行く。
だが今回は、王が先頭の馬車に乗っておりいつもと違う。
かき集められた兵と、農奴。
それでも、2千人弱。
前回の、魔王戦の時にまともな者達は全滅してしまった。
今回も、目的地は同じ。アミサム王国のプローペ。
これから先、途中にある町や村で兵は補充するだろうが、目的がはっきりしない。
一説では、王子がプローペと言う町で暴力を受け、その下手人を逮捕しに行くという事だが、理解できない。
そんな物、アミサム王国に連絡をして引き渡して貰えば良い。
ひょっとすると、国の重鎮でアミサム王国が渋ったのかもしれないが、何千人も兵を集めて進軍をするのは異常だ。
農奴達は、行軍の背景などは別に気にせず。兵糧をうまそうに食っている。
「ちっ。能なしの農奴たちめ」
下級兵士達は、自分たちより下の者達を見て、つらさを紛らす。
そう、兵糧や武器の運搬と管理。
かなり辛い。
道路は、当然未舗装。
部分的には、石畳があるが、町から離れれば整備されていない。
周りには、農奴達がいるが、手伝わせ盗まれでもすれば、責任問題だ。
どちらかと言えば、近付かないように見張らねばならない。
王は、つい思い立って行軍を開始したが、ここに来てアミサム王国が言っていた言葉を思い出していた。
『松田様と窪田殿。2人で魔王軍を追い返した』
「ふふっ。そんな馬鹿な。アミサム王国の何か、思惑があっての狂言だろう。だが、なぜ?」
民の病気が、深刻になってきた、魔王領。
「魔王様。民の不調が広がり。かなり深刻になってまいりました」
「そうか。実は前魔王の記録を調べていて、兵器開発の参考になればと言うことで50年ほど前。古代王国レグナムヒエムスの遺跡調査のために、コンテネンス大陸に調査団10数人が向かっているようだ。連絡は途絶えているが、何か記録が残っているかもしれない」
「では、幾人か差し向けて調査をさせますか?」
「いや場所が場所だ。広大と真一なら、話も通じるし。力にもなってくれるかもしれない。行ってくるよ」
「ちょっとお待ちください。まさかお一人で?」
「だめかい?」
「また、36時間の耐久お説教を行いましょうか?」
そう言われて、賢者のふりをした放浪から帰ってきたときの、宰相と四天王の怒りの姿を思い出す。
――宰相達はずるいんだ。そっちは入れ替わりだが、こっちは一人。死ぬかと思ったよ―― by 魔王イブリース
それを思い出し、素直に従う。
「では、全軍で向かいましょう。ただし病のおかげで随分と少なくはなっていますが」
そうして、3日後には出港し、コンテネンス大陸へと向かった。
日本側から、土門さん達が帰って来ると、時を同じくして、ステラからも連絡が入る。
広大が部屋の露天風呂で、美咲といちゃついていたとき、いきなりステラからの着信が頭の中に響く。
「どわっ」
「あんっ。いきなり、奥まで。あっだめっ」
ぐっと抱きついてくる。美咲。
少しぷるぷるして。そして、がっくりと力抜ける。
軽くキスをし、美咲を抱きしめる。
背中をなでながら、頭の中では報告を聞く。
『他施設2つ発見。一つと、リンクしました。起動させますか?』
『ああ頼む』
『心拍と体温上昇していますが、大丈夫でしょうか?』
『大丈夫だ。ありがとう』
『それと、ナノマシン散布装置。復旧いたしました。携帯型ユニットも工作いたしましたので、いつでも使用できます』
『分かったありがとう』
そうして、通信が切れるが、美咲の目が顔をのぞき込んでいる。
「うん? どうした」
「いま、何か念話をしていた?」
「ああ。ステラからの着信が入ってきてな。驚いて乱暴にしてしまった」
「そうなのね。でも、あのくらいも意外と良いかも」
そう言って、スリスリするが。
「こういうとき、外せないの?」
「これって、俺のバイタルもモニターをしていて、外すと、フル装備で端末を発進させるって脅かされているんだよ。さっきも心拍と体温が高いって言われたし」
「司令官って大変ね」
代わって、土門さん達。
「重機とかは、一度取りに行って貰わないと駄目だな」
「そうですが、燃料も日本側で毎回調達は、面倒ですよね」
「だから調査だろ。古文書などで燃える水とか臭い水の記述があったから、石油資源はある」
「石油採掘と、魔道具化どっちが良いですかね」
「魔道具化して、日本に売るか?」
「それ良いですね。機械も燃料も独占。究極のエコです」
「そうだな。それで進めてみようか?」
そして、一月後。
プローペの町の外。草原で、マリアーナ達王族も加わって。
持ち込んだ重機の試運転をしていると、泉の方から一団がやってくる。
ビルギッタが、オペラグラスで確認し叫ぶ。
「魔族です」
当然、護衛の兵達もいる。一気に場が殺気立つ。
すると一団から、一人抜けだし。誰かが走ってくる。
「やっほー。広大。真一。僕だよイブリースだよ~」
そんなことを言いながら、凄いスピードで走ってきて、躓き転がってくる。
見事に、ゴロゴロと。
「ああ魔王さんか。久しぶりだね」
そう言いながら、治療する。
「会えて良かった。ちょっと助けてほしくて」
だが今回は、王が先頭の馬車に乗っておりいつもと違う。
かき集められた兵と、農奴。
それでも、2千人弱。
前回の、魔王戦の時にまともな者達は全滅してしまった。
今回も、目的地は同じ。アミサム王国のプローペ。
これから先、途中にある町や村で兵は補充するだろうが、目的がはっきりしない。
一説では、王子がプローペと言う町で暴力を受け、その下手人を逮捕しに行くという事だが、理解できない。
そんな物、アミサム王国に連絡をして引き渡して貰えば良い。
ひょっとすると、国の重鎮でアミサム王国が渋ったのかもしれないが、何千人も兵を集めて進軍をするのは異常だ。
農奴達は、行軍の背景などは別に気にせず。兵糧をうまそうに食っている。
「ちっ。能なしの農奴たちめ」
下級兵士達は、自分たちより下の者達を見て、つらさを紛らす。
そう、兵糧や武器の運搬と管理。
かなり辛い。
道路は、当然未舗装。
部分的には、石畳があるが、町から離れれば整備されていない。
周りには、農奴達がいるが、手伝わせ盗まれでもすれば、責任問題だ。
どちらかと言えば、近付かないように見張らねばならない。
王は、つい思い立って行軍を開始したが、ここに来てアミサム王国が言っていた言葉を思い出していた。
『松田様と窪田殿。2人で魔王軍を追い返した』
「ふふっ。そんな馬鹿な。アミサム王国の何か、思惑があっての狂言だろう。だが、なぜ?」
民の病気が、深刻になってきた、魔王領。
「魔王様。民の不調が広がり。かなり深刻になってまいりました」
「そうか。実は前魔王の記録を調べていて、兵器開発の参考になればと言うことで50年ほど前。古代王国レグナムヒエムスの遺跡調査のために、コンテネンス大陸に調査団10数人が向かっているようだ。連絡は途絶えているが、何か記録が残っているかもしれない」
「では、幾人か差し向けて調査をさせますか?」
「いや場所が場所だ。広大と真一なら、話も通じるし。力にもなってくれるかもしれない。行ってくるよ」
「ちょっとお待ちください。まさかお一人で?」
「だめかい?」
「また、36時間の耐久お説教を行いましょうか?」
そう言われて、賢者のふりをした放浪から帰ってきたときの、宰相と四天王の怒りの姿を思い出す。
――宰相達はずるいんだ。そっちは入れ替わりだが、こっちは一人。死ぬかと思ったよ―― by 魔王イブリース
それを思い出し、素直に従う。
「では、全軍で向かいましょう。ただし病のおかげで随分と少なくはなっていますが」
そうして、3日後には出港し、コンテネンス大陸へと向かった。
日本側から、土門さん達が帰って来ると、時を同じくして、ステラからも連絡が入る。
広大が部屋の露天風呂で、美咲といちゃついていたとき、いきなりステラからの着信が頭の中に響く。
「どわっ」
「あんっ。いきなり、奥まで。あっだめっ」
ぐっと抱きついてくる。美咲。
少しぷるぷるして。そして、がっくりと力抜ける。
軽くキスをし、美咲を抱きしめる。
背中をなでながら、頭の中では報告を聞く。
『他施設2つ発見。一つと、リンクしました。起動させますか?』
『ああ頼む』
『心拍と体温上昇していますが、大丈夫でしょうか?』
『大丈夫だ。ありがとう』
『それと、ナノマシン散布装置。復旧いたしました。携帯型ユニットも工作いたしましたので、いつでも使用できます』
『分かったありがとう』
そうして、通信が切れるが、美咲の目が顔をのぞき込んでいる。
「うん? どうした」
「いま、何か念話をしていた?」
「ああ。ステラからの着信が入ってきてな。驚いて乱暴にしてしまった」
「そうなのね。でも、あのくらいも意外と良いかも」
そう言って、スリスリするが。
「こういうとき、外せないの?」
「これって、俺のバイタルもモニターをしていて、外すと、フル装備で端末を発進させるって脅かされているんだよ。さっきも心拍と体温が高いって言われたし」
「司令官って大変ね」
代わって、土門さん達。
「重機とかは、一度取りに行って貰わないと駄目だな」
「そうですが、燃料も日本側で毎回調達は、面倒ですよね」
「だから調査だろ。古文書などで燃える水とか臭い水の記述があったから、石油資源はある」
「石油採掘と、魔道具化どっちが良いですかね」
「魔道具化して、日本に売るか?」
「それ良いですね。機械も燃料も独占。究極のエコです」
「そうだな。それで進めてみようか?」
そして、一月後。
プローペの町の外。草原で、マリアーナ達王族も加わって。
持ち込んだ重機の試運転をしていると、泉の方から一団がやってくる。
ビルギッタが、オペラグラスで確認し叫ぶ。
「魔族です」
当然、護衛の兵達もいる。一気に場が殺気立つ。
すると一団から、一人抜けだし。誰かが走ってくる。
「やっほー。広大。真一。僕だよイブリースだよ~」
そんなことを言いながら、凄いスピードで走ってきて、躓き転がってくる。
見事に、ゴロゴロと。
「ああ魔王さんか。久しぶりだね」
そう言いながら、治療する。
「会えて良かった。ちょっと助けてほしくて」
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