召喚されたリビングメイルは女騎士のものでした

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一年生

攻撃は最大の防御です!

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「あれ、どうやってんの?」

フレアの剣を拳で受け止め、平然としているリーナを見た俺はルースへ問いかけた。

「詳しくは僕も分からないけど、召喚獣という魔力の塊を身体に吸収して、その上からリーナ自身の補助魔法をかけてるんだって」

「サリアと似ているか?」

その話を聞いた俺は、人狼のようになったサリアのことを思い出した。

「どうかな?わたしとはちょっと違う感じがする。うまく説明できないけど」

「リーナが動いたよ!」

話をしている間に動きが出たようだ。

「どいてください!」

「ぐっ!」

リーナはフレアの剣を受け止めていた拳で圧し返すと、空いた懐にもぐりこむ。
簡単には言っているが、フレアの剣を払いのけるのにはかなりの力がいるはず。
それを実際にやっているのだから、よほどの強化がされているようだ。

「はぁぁぁぁぁ!」

リーナは右拳を後ろに引き、ための動作へと移る。
すると、バチバチとうなりを上げて白い雷がリーナの拳へ集まっていく。

「貫けぇぇぇ!」

「がはっ!?」

フレアの紅い鎧の腹部へ、稲妻のごとき拳が突き刺さる。
その一撃をもろに浴びたフレアの身体は黒煙を噴きながら、後ろへと飛ばされていく。

「くっ……!」

フレアは吹き飛ばされながらも炎の翼を羽ばたかせ体勢を取り直すと、そのまま空中で停止した。
だが、動こうとしない。
というよりも……

動けないのです。
雷は鎧を貫通して身体へとダメージを与えますから。
恐らくフレアさんの身体は麻痺しているのでしょう。

その好機を逃すリーナではない。
追撃を与えるために踏み出している。

「羽よ!撃ちぬけ!」

炎の翼から羽が撃ちだされ、リーナへと襲いかかった。
数本の羽はリーナの身体に確かに当たったのだが、刺さることはなく弾かれていく。
リーナの拳はフレアの剣ですらダメージを通さなかったほどだ、攻撃力に劣る羽ではびくともしないのだろう。

「無念!」

近付いてくるリーナに対して、フレアは空中へと逃れて一旦距離を取った。
接近戦を至上とするフレアにとっては苦渋の選択のはずだ。
しかし、これでリーナの拳は届かない。

そう思っていた。
それは俺だけではなく、フレアも含まれているだろう。

「はぁぁぁぁぁ……」

空へと距離を取られたというのに、リーナは構わず右拳を引いた。
さきほどと同じように白い雷が拳を光らせていく。

「雷閃!」

リーナは虚空へと拳を繰り出す。
すると拳に宿っていた雷がフレアめがけて放たれた。

「ま、まさか!?」

完全に不意を突かれたフレアだが、なんとか身をひねり直撃を避ける。

「ぐぅぅぅ!」

しかしすぐそばを雷が通過したことにより、相応のダメージを負ったようだ。
ゆっくりとフレアの身体が石畳みの上に落ちていく。

これはリーナで決まりかな……

それは、どうでしょうか?
リーナさんの顔には一切の余裕がありません。
私には焦っていると見えます。

ファーナの言葉通り、リーナの顔は苦悶の表情を浮かべ、汗にまみれている。

そうか、あの状態のリーナは魔力の消費量が激しいのだろう。
召喚獣の維持、発動スキルのコスト、それに自身の強化魔法をも掛け合わせているとなれば魔力の消費は激しくなるのは当然だ。
だからこそリーナは決着を急ぎ、フレアが着地する地点へとすでに駆け出していた。

着地をしようとするフレアの手からは剣が消えていき、鎧も徐々に剝がれてしまっている。
ダメージでスキルを維持できなくなったか?

しかしその考えは違うようだ。
フレアの手には違う武器が形成され、重装だった鎧も軽装なものに変化していた。

「リーナ……あまり近づかないでもらえるか?」

「その言葉はひどいです!」

紅い槍を携え、穂先をリーナへと向けた。

「そこだ!」

そして正確な刺突がリーナの右肩を捉える。

「あっ!」

ダメージはないようだが、肩を突かれたためにリーナの突進が止まった。

「剣と比べるとそれほど使いこなせているわけではないが……ふっ!」

「きゃっ!?」

「足止めくらいはできる」

両肩、胴、両足へ正確な突きを繰り出し、リーナを近づけさせない。

フレアは槍まで使えるのか。

武術は騎士のたしなみですからね。
剣、槍、弓、斧などは一通り訓練されているのでしょう。

はぁ……すごいもんだな騎士って職業は。

現状の闘いぶりからフレアの狙いが分かった。
リーナの魔力切れを狙っている。
フレアにとっては不本意だろうが、それが最善手なのは間違いない。

近付こうとするリーナ、そうはさせまいとするフレア。
二人の闘いは以前とは真逆の闘いとなっていた。
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