召喚されたリビングメイルは女騎士のものでした

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一年生

思いがけない出会いです!

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等間隔に植えられている木々の間を歩いていると、闘技場はすぐ目の前にまで来た。
大きすぎて全貌は分からないが、恐らく楕円形をしているのだと思う。
そして周囲には開会式を観に来たであろう人たちが、チラチラとこちらの様子を窺っているように感じられる。
俺だけを見ているわけではないが、視線を感じると緊張してしまうのは仕方ない話だ。

マスター、カッコつけないで普通に歩いたらどうですか?

べ、べつに普段通りだろ?

いえ、普段通りの歩き方は足が交差しそうなほどではないでしょう?

どうやら無意識の内に歩き方を変えていたらしい。

石畳の隙間の上を歩いていただけだし……

子どもですか。

ファーナとそんなやり取りをしていると、入り口から少し離れた場所でルナ先生が立ち止まる。
それにならい、俺たちも足を止めた。

「ここまでの道のりお疲れ様でした。では少々説明させていただきます。通常の入り口はあちらですが、私たちは違う場所から入ります。いわゆる関係者用通路ですね。そこを通り、闘技場内の控え室で時間が来るまで待機となります。そして陛下から開会の言葉をもらうという流れです。何か質問はありますか?」

俺と同じくクラスメイトも質問はないようだ。

「質問はないようなので、闘技場内へと入りましょう」

再び歩き始めたルナ先生の後をついていくと、巡回中だと思われる警備の騎士たちが多くなってきた。

さすがに王様が来ているからか、厳重だな。
一般の人が来たらすぐに声をかけられてしまうだろう。

そんな厳重な警備の中を歩き、入り口へと到着する。
扉の前には男女の騎士が立っており、ルナ先生が声をかけた。

「ルードリア学園の一年生三十名と教員三名です」

今さらだがガレフ先生とサフィール先生もいる。

「通行許可証確認した。武器の携帯がないかだけは手で確認させていただく」

「はい、かしこまりました」

ルナ先生やフレアたち女性陣は女騎士の誘導で別室へ向かい、俺たちはこの場で制服やポケットの中身などを確認される。

「協力感謝する。それでは式の開始までしばらく待機願う」

別室での検査を終えたルナ先生たちと合流すると、いよいよ闘技場内へと入っていくことになった。
中は意外に静かで、俺たちの足音だけがうっすらと聞こえる。

へぇ……学園の闘技場とそんなに違いはないんだな。

内部に必要なものはそんなに変わりありません。
ですので造り的には似たような構造になるのでしょう。

そう言われてみればそうだな。
まあ綺麗さは全然違うけど。

新築とまではいかないが、学園の闘技場とは比べ物にならない。
壁は白く、床には絨毯まで敷いてある。
まるでホテルのようだ。

「ようこそ。こちらに学園名と学年の記入をお願いいたします」

と思っていたらロビーまであった。
本当にホテルみたいだな。

女性スタッフの案内に従い、ルナ先生が記入する。

「ルードリア学園の一年生の皆様ですね。控室にご案内いたしますのでどうぞこちらへ」

そうして俺たちは女性スタッフさんの案内で控室へと入っていった。

「それでは時間になるまでこちらで待機です。今のうちにトイレなどは済ませておいてくださいね」

トイレか。
一応しておこう。

「俺、トイレ行くけどルースはどうする?」

「あっ、じゃあ僕も行こうっと」

それではリンクを切りますので終わったら呼んでください。

はいよ。

「あれ?トイレってどこだ?」

「ロビーまで戻って聞いてみようか」

トイレへ行くために控室を出たのだが、肝心の場所がわからない。

「どうした?」

「いやぁ……トイレの場所がわからなくて困ってるんですよ」

背後からの声に、俺は振り向きもせずに答えた。

「あわわわ……」

するとルースの慌てた声が聞こえてくる。

「ルース?どうしたんだ?」

俺が振り返ると、あわあわしているルースと一人の男性がいた。
歳は四十代くらいか?
銀色の髪をオールバックにし、ダークブラウンのスーツをさらりと着こなす姿からは高貴さが窺える。
だが、優しい笑みを浮かべているためかとても親しみやすいように感じた。

「あれ?おじさんどっかで見たことがあるような……?」

「ははは、よく似た人はけっこういるというからな。そのせいではないか?」

「いやぁおじさんみたいなオーラがある人はそんなには……ぐえっ!?」

俺がおじさんと話していると、シャツの襟を掴まれた。

「何すんの!?」

「何すんのじゃないよ!そちらの方は陛下だよ!?」

「……へいか?」

頭の中が真っ白になっていく中で、

「あのぉ……つかぬことをお聞きしますが、ご職業は……」

意味の分からない質問をしてしまった。

「うむ、この国の王をやっている」

だが、俺の失礼極まる質問に怒ることなく、ニヤリと笑うのだった。
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