【完結】伯爵令嬢が効率主義の権化だったら。 〜面倒な侯爵子息に絡まれたので、どうにかしようと思います〜

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第二章:初めての社交お茶会に出向く。

第12話 横暴と意趣返し(2)

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 その言動の横暴さに、セシリアは思わずほんの僅かに僅かに目を細めた。

 それに対し、クレアリンゼは流石だった。
 眉1つ動かさずに、彼女はこう答える。

「社交の場でのセシリアとモンテガーノ侯爵の第二子息・クラウン様との噂の事でしたら、私も耳にしたことがあります」

 柔らかさを失わないその声と笑顔が、彼女が平常心である証だ。

 しかしそれでいて、彼女はあくまでも『彼女らしさ』という物を全く失ってはいなかった。

「しかし私は当事者の近親者ですから、周りが私達に配慮した結果届かない噂もあるでしょう。ですから一応、ヴォルド公爵の耳に入っている噂話を教えていただけ無いでしょうか?」

 彼の忖度要求に対して、クレアリンゼは暗に「言葉を端折らず言いたい事があるならきちんと言え」と応えた。
 しかもその実、相談事の前の情報のすり合わせというのは実際に必要な行為であるのだから、公爵は不用意に怒る事もできない。

 それをきちんと分かっていて、クレアリンゼはこう言っているのだ。
 これはもう、横暴への意趣返しと相違無いだろう。


 そんな彼女の『提案』に、ヴォルド公爵は苦い表情を浮かべた。

(お母様の裏の意図を理解してはいない様だけど……)

 もしもそれに気づいているならば、言葉にはしなくとももう少し怒りの表情が出ていい筈である。
 それが皆無なのだから、おそらくそこには気づいていないのだろう。

 ならば何に対してそんなに苦い顔をしているのか。
 
 セシリアが思いつく事といえば。

(擁護すべき相手の醜聞を口にしたくない、という所かな)

 この場を持った時点で、彼はモンテガーノ侯爵を擁護する立場に立った事になる。

 そうなれば、できるだけその人間の悪い噂話なんてわざわざ口にしたくないと思うのが人の心理というものだろう。

 しかし。

(お母様がその部分について触れたのなら、それを口にするのは避けようもない事だ)

 今回の件を、彼らがあくまでも『話し合い』という建前にしたいのならば。


 そしてそのくらいの分別はあったのだろう。
 公爵は一度グッと押し黙ってから、喉に何かが痞(つか)えている様な歯切れの悪さでこう告げた。

「モンテガーノ侯爵の第二子息について、『オルトガン伯爵の娘のドレスを汚し、王族のパーティーから追い出した不届き者だ』という噂が社交界で流れている」

 その言葉に、セシリアは心中で「なるほど」と頷く。

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