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第二章:初めての社交お茶会に出向く。
第13話 セシリアの了承(2)
しおりを挟む彼らのスタンスに、思う所が無い事もない。
しかし。
(この件についての、当初の目的は、もう充分果たせたと言って良い)
噂を使って、彼らに余分な対処の手間を与える。
そんなセシリアの意趣返しは、既に十分な成果を出している。
そして何よりも、セシリアは『面倒』事が嫌いだ。
自分のしたい事以外に時間を費やしたくない。
それが、何をするにしても彼女の根底に存在する本心である。
今回で言えば、『相手への意趣返し』はセシリアの「したい事」だった。
対して、ソレに付随する諸々の手間は全て「したくない事」に分類される。
この件について、セシリアは最初から「したい事」をすれば、「したくない事」も必ず付いてくると分かっていた。
分かっていて、それでも実行に移した。
その時に下げた天秤。
そのバランスが保たれるギリギリが、『今』である。
「私は和解に拒否感はありません。そもそも私は『クラウン様から言われた通り』の行動をしただけです。和解を受け入れない理由など無いでしょう?」
そんな方便を使いながら、セシリアは思う。
(目標が既に達成されたのなら、残された『面倒』の種は早々に掃除した方が良い)
その掃除を向こうから自発的に手伝ってくれるというのだから、乗ってもいいだろう。
それ故の、了承だ。
セシリアが和解にすんなりと了承したのを見て、ヴォルド公爵は少し拍子抜けした様な表情を見せた。
しかしすぐにそれを引っ込めて、大仰に「うむ」と頷く。
そして、執事から差し出されたトレイへと手を伸ばす。
そのトレイの上に乗っているのは、金色のベル。
室内から室外の人を呼ぶ時に鳴らす物である。
チリンチリン。
そんな、どこか涼やかな音色が室内に響き渡った。
すると、その2秒後。
扉のノック音が聞こえて来た。
しかしそれは、セシリア達やヴォルド公爵達が出入りした扉からの物ではない。
全くの別方向から聞こえたその音に、セシリアはその場所を探した。
そして見つける。
この部屋に、もう1つ扉があるのを。
セシリアがそちらに視線を向けると、使用人の「失礼いたします」という声が聞こえたのは、ほぼ同時だった。
その扉が、ゆっくりと開く。
そうして現れたのは、モンテガーノ侯爵とその息子・クラウンだった。
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