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6話
しおりを挟む「ああクソッ! イライラする!」
ロビンは苛立ちを口から吐き出した。
つい先日、婚約者であるメアリーが自分に向かって放った無礼極まりない言葉の数々。
所詮伯爵家の分際でこちらを見下すように笑っていたあの目を思い出すと、ロビンは今でも苛立ちを抑えることが出来なかった。
しかしロビンはまだ学園の中にいることを思い出し、心を落ち着けようとした。
こういう時は、デイジーのことを考えよう……。
ロビンはデイジーのことを考えるとたちまち嫌なことは全て忘れ、幸せな気分になった。
(今日はデイジーとどこに出かけようか)
もうすでにロビンの頭の中はそのことで一杯だった。
本来なら、今日もロビンは生徒会室で仕事をこなさなければならない。
しかし、ロビンは今日も生徒会をサボるつもりだった。
デイジーに比べれば、ルイス王子など優先順位は低い。
ちょうどその時、ロビンは呼び止められた。
「ロビン」
振り向くと、そこにはルイス王子が立っていた。
「ルイス王子?」
「今から少し大切な話があるんだけど」
ロビンは心の中で舌打ちした。
今からデイジーとの約束があるのに、面倒だ。
「……ええと、今からですか? 明日とかにすることは出来ませんか?」
ロビンは面倒臭そうな態度を隠すことなくルイスにそう告げた。
本来なら王族に対してその態度は不敬極まりない態度だ。
ロビンはわざとそんな態度を取った訳では無いが、デイジーを想うあまりに、自分でも知らず知らずのうちにそんな態度をとってしまっていた。
比較的フレンドリーなルイスにとってもロビンのその態度は気分の良いものではなかったが、特に気に来ていない態度を取り繕った。
「ああ。今じゃないと駄目だ」
ロビンは小さくため息を吐く。
ルイス以外なら罰を受けるレベルだ。
しかし恋は盲目。
ロビンはルイスに対してとれほど失礼な態度を取っているのか分かっていない。
「……分かりました。手短にお願いします」
「分かった。じゃあ単刀直入に聞くけど、以前君に任せた仕事、まだ終わらないのかい?」
「え?」
随分昔、ルイスに頼まれていた生徒会の仕事など、ロビンはもうすでに忘れ去っていた。
時折思い出すことはあったが、別に後回しでいい、とデイジーとの外出を優先しているた。
つまり、まだ終わってない。
「何回か催促していたと思うんだけど」
「え、ええと。まだ終わってません……」
ロビンは少し焦りながらルイスにそう告げる。
ルイスはため息をついた。
「はぁ……ロビン。今からありのままの真実を言うよ。──このままでは君を側近にすることは出来ない」
「…………え?」
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