今まで尽してきた私に、妾になれと言うんですか…?

水垣するめ

文字の大きさ
10 / 31

10話

しおりを挟む
前回の本文を少し変えました。
メアリーは生徒会から出たあと、ロビンに絡まれています。



──



 ロビンが複数人の貴族を連れて私の前に現れた。
 どうやら、私に対して何か恨みを募らせているらしく、私を強く睨みつけていた。

 ロビンの連れている貴族は五人。
 どれもロビンと仲の良い貴族で、ロビンと同様に私を敵視している様子だ。

「っ!」

 ぐるりと、ロビンを含む男性貴族に取り囲まれた。
 逃さないようにするつもりらしい。

 当然、怖い。
 私よりも強い力の男性に取り囲まれ、恐怖を覚えないないはずがない。

 時刻は放課後だが、廊下にはまだ生徒はいる。
 この事件を聞きつけ、野次馬の生徒はどんどん増えていくだろう。

 私は誰かが助けを呼んでくれることを祈りながら、表面上はあくまてまも強気にロビンと対峙した。

「何かご用でしょうか」
「用も何も、お前は何をしたのか分かっているのか!」
「はぁ……?」

 ロビンが意味のわからない言葉と共に怒鳴りつけてきた。
 まるで私が何か罪を犯しているかのような口ぶりだが、当然私は何も身に覚えはない。
 するとロビンの後ろの貴族たちは私を罵倒し始めた。

「しらばっくれる気か!」
「この貴族の恥さらしめ!」
「人を罠に嵌めるなんて、最低だぞ!」

 何を言われているのか分からなかった。
 そもそも私はロビンに対して婚約破棄の件以外何もしていない。

「私には何の話か分かりませんが……?」

 私がそう言うとロビンは呆れて首を振り、ため息をついた。

「はぁ……もういい。言い訳はよせメアリー。君がルイス王子に僕を側近から外すように言ったんだろう? 僕を陥れるために」

 冤罪だ。
 私はそんなことはしていないし、する必要がない。だって現在のロビンを見ればいつか側近から外されることは目に見えているからだ。

 私は空元気の余裕を見せながら反論する。

「側近を辞めさせられたのは、あなたの普段の行動の結果でしょう? それに恥と言いますが、取り巻きのあなた達も、一人の女性を複数人で恐喝して恥は無いんですか?」

 しかし、その空元気も限度を超えてしまった。
 私は嘲笑混じりに挑発する。
 ロビンと取り巻きたちは逆上した。

「この売女め! 王子に対して色目を使ったくせに我々を侮辱するか!」
「王子を誑かし、我々を侮辱した女には罰が必要だ!」
「そうだ! 今すぐに恐怖を体に刻み込んでやる!」

「なっ!?」

 貴族の一人が私の制服の襟を掴んだ。
 取り巻きたちの顔には醜い欲望が浮かんでいた。
 ロビンを見れば、取り囲まれた私を復讐が成功した、と歪んだ笑顔を浮かべていた。

「離してっ!」

 私は男の手を振り払おうとするが、力の差から振りほどけない。
 周囲の生徒もロビンが公爵家ということもあり、迂闊に手を出せないようだ。

 その時──

「何をしている!」

 ルイス王子という助けが入った。
しおりを挟む
感想 185

あなたにおすすめの小説

平民とでも結婚すれば?と言われたので、隣国の王と結婚しました

ゆっこ
恋愛
「リリアーナ・ベルフォード、これまでの婚約は白紙に戻す」  その言葉を聞いた瞬間、私はようやく――心のどこかで予感していた結末に、静かに息を吐いた。  王太子アルベルト殿下。金糸の髪に、これ見よがしな笑み。彼の隣には、私が知っている顔がある。  ――侯爵令嬢、ミレーユ・カスタニア。  学園で何かと殿下に寄り添い、私を「高慢な婚約者」と陰で嘲っていた令嬢だ。 「殿下、どういうことでしょう?」  私の声は驚くほど落ち着いていた。 「わたくしは、あなたの婚約者としてこれまで――」

【完結】私が誰だか、分かってますか?

美麗
恋愛
アスターテ皇国 時の皇太子は、皇太子妃とその侍女を妾妃とし他の妃を娶ることはなかった 出産時の出血により一時病床にあったもののゆっくり回復した。 皇太子は皇帝となり、皇太子妃は皇后となった。 そして、皇后との間に産まれた男児を皇太子とした。 以降の子は妾妃との娘のみであった。 表向きは皇帝と皇后の仲は睦まじく、皇后は妾妃を受け入れていた。 ただ、皇帝と皇后より、皇后と妾妃の仲はより睦まじくあったとの話もあるようだ。 残念ながら、この妾妃は産まれも育ちも定かではなかった。 また、後ろ盾も何もないために何故皇后の侍女となったかも不明であった。 そして、この妾妃の娘マリアーナははたしてどのような娘なのか… 17話完結予定です。 完結まで書き終わっております。 よろしくお願いいたします。

殿下はご存じないのでしょうか?

7
恋愛
「お前との婚約を破棄する!」 学園の卒業パーティーに、突如婚約破棄を言い渡されてしまった公爵令嬢、イディア・ディエンバラ。 婚約破棄の理由を聞くと、他に愛する女性ができたという。 その女性がどなたか尋ねると、第二殿下はある女性に愛の告白をする。 殿下はご存じないのでしょうか? その方は――。

勝手に勘違いして、婚約破棄したあなたが悪い

猿喰 森繁
恋愛
「アリシア。婚約破棄をしてほしい」 「婚約破棄…ですか」 「君と僕とでは、やはり身分が違いすぎるんだ」 「やっぱり上流階級の人間は、上流階級同士でくっつくべきだと思うの。あなたもそう思わない?」 「はぁ…」 なんと返したら良いのか。 私の家は、一代貴族と言われている。いわゆる平民からの成り上がりである。 そんなわけで、没落貴族の息子と政略結婚ならぬ政略婚約をしていたが、その相手から婚約破棄をされてしまった。 理由は、私の家が事業に失敗して、莫大な借金を抱えてしまったからというものだった。 もちろん、そんなのは誰かが飛ばした噂でしかない。 それを律儀に信じてしまったというわけだ。 金の切れ目が縁の切れ目って、本当なのね。

愚か者が自滅するのを、近くで見ていただけですから

越智屋ノマ
恋愛
宮中舞踏会の最中、侯爵令嬢ルクレツィアは王太子グレゴリオから一方的に婚約破棄を宣告される。新たな婚約者は、平民出身で才女と名高い女官ピア・スミス。 新たな時代の象徴を気取る王太子夫妻の華やかな振る舞いは、やがて国中の不満を集め、王家は静かに綻び始めていく。 一方、表舞台から退いたはずのルクレツィアは、親友である王女アリアンヌと再会する。――崩れゆく王家を前に、それぞれの役割を選び取った『親友』たちの結末は?

久しぶりに会った婚約者は「明日、婚約破棄するから」と私に言った

五珠 izumi
恋愛
「明日、婚約破棄するから」 8年もの婚約者、マリス王子にそう言われた私は泣き出しそうになるのを堪えてその場を後にした。

貴方が側妃を望んだのです

cyaru
恋愛
「君はそれでいいのか」王太子ハロルドは言った。 「えぇ。勿論ですわ」婚約者の公爵令嬢フランセアは答えた。 誠の愛に気がついたと言われたフランセアは微笑んで答えた。 ※2022年6月12日。一部書き足しました。 ※架空のお話です。現実世界の話ではありません。  史実などに基づいたものではない事をご理解ください。 ※話の都合上、残酷な描写がありますがそれがざまぁなのかは受け取り方は人それぞれです。  表現的にどうかと思う回は冒頭に注意喚起を書き込むようにしますが有無は作者の判断です。 ※更新していくうえでタグは幾つか増えます。 ※作者都合のご都合主義です。 ※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。 ※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります) ※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。

【完結】旦那様、その真実の愛とお幸せに

おのまとぺ
恋愛
「真実の愛を見つけてしまった。申し訳ないが、君とは離縁したい」 結婚三年目の祝いの席で、遅れて現れた夫アントンが放った第一声。レミリアは驚きつつも笑顔を作って夫を見上げる。 「承知いたしました、旦那様。その恋全力で応援します」 「え?」 驚愕するアントンをそのままに、レミリアは宣言通りに片想いのサポートのような真似を始める。呆然とする者、訝しむ者に見守られ、迫りつつある別れの日を二人はどういった形で迎えるのか。 ◇真実の愛に目覚めた夫を支える妻の話 ◇元サヤではありません ◇全56話完結予定

処理中です...