今まで尽してきた私に、妾になれと言うんですか…?

水垣するめ

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22話

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 昨日は大変だった。
 今まで生きてきて、初めて覚えた男性への恐怖。
 父からは、今日はしっかり休んで回復させるように言われたので、ゆっくりするつもりだった。

 しかし。

 私が朝起きると、屋敷の中が騒然としていた。
 私の部屋の前にはいつもいない衛兵が護衛するように立っている。

 それに使用人は何かを警戒するようにしきりに窓の外を確認している。

 ここまでくれば、どんなに鈍感だったとしても緊急事態であることがわかる。
 私は使用人に尋ねることにした。

「なにが起こっているの?」
「大変なんです!」

 メイドは慌てた様子で叫ぶ。

「ロビン様が昨晩、平民の娘に危害を加えたあと、公爵家の屋敷から脱走したそうなんです!」

「……なんですって?」

 私は戦慄した。
 平民の娘というのはデイジーだろう。
 それに対して危害を加えた上で、姿を眩ましたなら、おそらく目的は私への復讐だ。

 それでこれほどまでに私の部屋が厳重に警備されているわけだ。

 窓の下を見れば、壁を登ることができないように衛兵が配置されていた。

「っ……!」

 私の中で恐怖がまた芽生えた。
 昨日見た人間の憎悪を凝縮したような表情。
 それを浮かべたロビンが私の命を狙っている。

 昨日、男たちに囲まれた時の光景がフラッシュバックした。
 足が震える。

 あの男たちは犯罪者として罰せられ、二度と目の前に現れないと分かっていても、恐怖は簡単には拭えない。

「……一歩も部屋の外に出れない」

 その時、丁度来客が来たと使用人が伝えにきた。

「お嬢様、来客です」
「どなたですか」

 もしかしたら、ロビンかもしれない。
 心臓が跳ね上がった。

「ルイス王子です」

 しかし、訪ねて来たのは、意外な人物だった。
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