今まで尽してきた私に、妾になれと言うんですか…?

水垣するめ

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28話

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「ふざけるな。なんでこんな目に合わなければならないんだ……」

 ロビンは牢屋の中で恨み言を呟く。

 あの後ロビンは衛兵に連行されて牢屋へと入れられた。
 入れられた牢屋はもちろん貴族用のものではなく、平民が入れられるろくに清掃がされていない汚い牢屋だった。

「殺してやる……殺してやる……」

 ロビンはもうすでに一生この牢屋から出ることは出来ないと頭の隅で理解していた。
 しかし現実としてロビンは受け入れることが出来なかった。

 そのため、思考をメアリーとルイスへの憎しみへとそらして正気を保っていた。

 そして数日経った。

 見張りの衛兵がとある噂を流していた。

 曰く『キングスレー伯爵の令嬢がルイス王子と婚約した』というものだった。

 メアリーとルイスだ。

 そのことを理解した瞬間、ロビンの中に血液が沸騰するような怒りが湧いてきた。

「ふざけるな!なんであいつらだけ幸せになってるんだ!俺をこんな目に合わせておいて!」

「うわっ!何だコイツ!」

「気持ちわりぃぞ!」

 ロビンは牢屋の鉄格子に飛びついた。
 そしてどうにか牢屋から出ようと力を込めて鉄格子を揺らす。
 しかし鉄格子はびくともしない。

 そして脱走しようとしていたロビンを見て見張りの衛兵が飛んできた。

「や、めろ!」
「罪人のくせに今更逃げようとしてんじゃねぇよ!」

 衛兵は鉄格子にしがみつくロビンの手を槍の持ち手で叩き落とし、体を槍の穂先で突いて牢屋の中へと戻す。

 突き刺されたロビンは悲鳴をあげた。

「二度と脱走しないようにしてやる!」
「オラッ!死ぬんじゃねぇぞ!」

「いっ、痛い!やめろ!やめてくれ!」

 ロビンは悲痛に叫ぶが衛兵は面白がり、ロビンを何度も槍で突き刺した。

 皮肉にも、罪人と断じた相手に対して正義を振り翳し、いたぶるその姿はかつてのロビン自身と同じだった。

 そして、衛兵に痛ぶられる生活は一週間続いた。
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