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3、家族
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湾岸のハイタワーマンション。その高層階の部屋から東京湾岸のパノラマビューを眺める。今日は五月晴れで窓からは心地いい風が吹いている。バルコニーに置いているデッキチェアに身を預けながら、和眞は璃桜のことを思い起こしていた。
あれから十日が経っていた。
連絡をしようかと何度もスマートフォンを手にして璃桜の番号を呼び出してみるが、鳴らすことができずにいる。
璃桜に連絡先を聞けば拒否された。その時は教える気がないならそれでもいいと思った。腹が立ったのも事実だ。
だがその後、璃桜が和眞にしがみついて泣きじゃくる姿を見てどうにもならない衝動が起こり、眠ってしまってからいけないと思いつつダメもとで彼女のスマートフォンを手に取った。不用心にもロックがかかっていず、展開したから電話番号をメモしたのだ。
(これって犯罪だよな)
もちろんロックをかけていない璃桜も問題だが、それとこれとは話が違う。完全にアウトだ。わかっている。だがしかし、つながりを絶ちたくなくてやらかしてしまった。
なぜここまで璃桜が気になるのか、わからない。わからないから混乱している。
なぜ嫉妬したのかも疑問だ。たった一度交わった女が男といるのを見ただけなのに。その男が婚約者だったというだけのことなのに。
あの夜も満足のいく交わりだった。いつもの松阪和眞ならそれで終わりだ。気持ちよく感じて達し、後腐れなく別れる。もし次を望むなら応じなくもないが、それはあくまでワンナイトを愉しむに徹するとする。
と、こう言えば、えらくひどい男だと言われることだろう。自覚している。だが、この意志を明確にし、相手にいらぬ期待をするなと釘を刺さないと後で大変な思いをするからなのだ。
松阪グループの跡取りであり、学歴も職歴も文字通りのエリート、そしてこの外見だ。和眞の中身関係なく、スペックだけで寄ってくる女の多いこと。同時に、親たちも同様で、娘の嫁ぎ先にベストと考えている。
そんな調子は小学生の頃からで、和眞は八つの時にクラスメイトの女子に言われた言葉を今でも忘れられない。
――パパとママがね、和眞君と仲良くしたらいっぱい得するって言うの。なんでかわかんないけど、仲良くしよ。
顔も名前も覚えていない。しかしながら、その言葉だけは明確に記憶している。そして彼女は幼くて意味がわかっていなかったが和眞は違った。身内からさんざん注意され、そしてそれが正しいことを理解していた。
家柄がいいから。
そして成長するほどに、外見、成績とスペックが上がっていき、砂糖に群がる蟻のように女が寄ってきた。露骨に体を餌にする者もいれば、「私はあなたにふさわしい」と言い切る者もいた。
年頃の娘を持つ親たちも似たようなものだった。心底辟易としているのだ。
(都合がいい話のはずなんだ)
なぜ自分が追いかけなくてはいけない? 逆のはずなのに――そう思うのに、なぜだがモヤモヤしてイラつく。
「カズマ」
カラカラと音がしてテラス窓が開き、京が顔を見せた。
和眞は京と住んでいる。ゆったりとした間取りの3LDKマンションをシェアしているのだ。アメリカ人の京は初めての来日で戸惑うことも多い。一人暮らしをするなら二人で暮らしたほうがいいだろうというのが判断だが、和眞とて今さら実家で暮らすのは嫌だったし、一緒にいたほうが仕事の効率が上がるので一石三鳥と考えた。
確かに仕事とプライベートのオンオフが切り替わらない部分はあったものの、起業し、拡大させていく激務の中ではそんな甘いことを言っている余裕はなく、常に近くにいる生活はプラスが多かった。
「なんだよ」
「大事な相棒にプレゼントを、と思ってな」
「プレゼント?」
「ああ。やっと仕上がったからさ」
首を傾げながら京が差し出してくるA4封筒を受け取り、中身を取り出す。表書きに『報告書』とあり、また下部に興信所の名前が印字されているのを見てにわかに驚いた。
「これ――」
華原璃桜の出生に関する報告書だったのだ。
京が得意げに笑う。
「お前、気にしているみたいだからさ。どう? うれしいだろ? ここの興信所は凄腕ぞろいだが、今回も驚かされた。よくたった十日でここまで調べたもんだ。中身はかなり衝撃的だ」
「衝撃的?」
「ああ。華原さん、愛人の娘みたいでな」
「ええ!?」
「でも戸籍は華原家に入っているから、愛人といろいろ取り引きしたんだろ。けど、衝撃はそれだけじゃなくて、その愛人、今も住み込み家政婦として屋敷に住んでいるんだ。一つ屋根の下に正妻と愛人が一緒に住んでるってすごい状況と思わないか? それだけでかなり複雑な家庭環境だなって想像がつくよ。華原社長の神経もわからないけど、正妻の神経も理解不能だ」
和眞が愛人は? と聞こうするのを察したのか、京は手を挙げて止め、話を続ける。
「愛人は孤児で華原家が住み込み家政婦として雇ったのが最初だ。だから行く当てがないのだろうし、そこにも書いてあるが、アル中で肝炎を患っている。屋敷にいる者全員で監視しているのに止められないようだから、一人暮らしをさせられないと判断してのことなんだろう」
「……へぇ」
「でも、それにしたって誰もかれも胸中を考えればどんだけ? って気がするがさ。華原さんは居たたまれないんだろう。まぁ、詳細は読んでくれ。じゃ」
京は言うだけ言って部屋に戻ってしまった。
――人の家庭は他人にはわかりません。
璃桜の言葉が脳裏によみがえる。
和眞はデッキチェアに座り直し、報告書を読み始めた。
華原俊嗣と史乃の結婚は今から三十三年前。結婚して八年経っても子どもができず不妊治療を行っていたが、中森陽子が俊嗣の子を宿し、出産。手続きを経て璃桜は華原夫妻の戸籍に入り、育てられる。それから七年後、史乃が長男の樹生を出産する。
その間、陽子は華原家を出ることなく住み込み家政婦として働いていたが、その間にアルコール依存症になり、肝炎を発症。治療を続けている。
半年後に璃桜は坂戸淳也と結婚するが、その際に二人が住むマンションの一階下の部屋に引っ越すことが決まっている。
「なるほど」
読み終えた感想はこれだった。
「継母《ままはは》にいじめられ、意に沿わなくても押しつけられた婚約者と結婚しなきゃいけないってことか。それでも屋敷から母親ごと脱出できるからよしってところなんだろうな。健気なことだ」
言葉にしてみるが、なんだかむしゃくしゃしてくる。あれほど冷たく振ってきた理由がこれ《・・》とは。
「いや、俺がとやかく言える立場でも身分でもないが」
そうだ、交際してほしいとでも告白したわけでもないくせに――自分で自分にツッコミを入れてしまう。
腕には温かみがあるし、耳には艶やかな息遣いが残っている。璃桜の感じている表情は瞼に刻みつけられいつでも蘇ってくる。そしてあの軽薄そうな男のモノになるのかと思うとたまらない苛立ちを覚える。
和眞は報告書をモザイク柄のガーデンテーブルに放り投げた。
「クソ」
悩む必要などこれっぽっちもないのに。
無関係のことなのに。
釈然としない。
RRRRRR……
スマートフォンが鳴り始めた。手に取って見てみれば最近まま会っている女の名が表示されている。この女は和眞の考えをわかっているのでなにも言わないが、目に「私は特別でしょ」という感情が浮かんでいるので、そろそろ手を切らないとこじれそうだと思い始めている相手でもある。
(どうするか?)
迷いが生じたものの、結局指をスワイプさせて電話に出た。
「もしもし」
『和眞、とっても素敵なA5ランクのフィレ肉が手に入ったの。今夜どう?』
肉をアペリティフに朝までフルコースのお誘い、というわけだ。目がチラリとテーブルの上にある報告書を捉えた。
璃桜の泣き顔が脳裏によみがえる。
「OK。七時くらいでいいか?」
『もうちょっと早く来てよ。でもまぁ任せるわ。じゃあ』
ぷつりと電話が切れ、スマートフォンからは耳障りな普通音が流れる。
和眞は「はあ」と大きく息を吐き出した。
あれから十日が経っていた。
連絡をしようかと何度もスマートフォンを手にして璃桜の番号を呼び出してみるが、鳴らすことができずにいる。
璃桜に連絡先を聞けば拒否された。その時は教える気がないならそれでもいいと思った。腹が立ったのも事実だ。
だがその後、璃桜が和眞にしがみついて泣きじゃくる姿を見てどうにもならない衝動が起こり、眠ってしまってからいけないと思いつつダメもとで彼女のスマートフォンを手に取った。不用心にもロックがかかっていず、展開したから電話番号をメモしたのだ。
(これって犯罪だよな)
もちろんロックをかけていない璃桜も問題だが、それとこれとは話が違う。完全にアウトだ。わかっている。だがしかし、つながりを絶ちたくなくてやらかしてしまった。
なぜここまで璃桜が気になるのか、わからない。わからないから混乱している。
なぜ嫉妬したのかも疑問だ。たった一度交わった女が男といるのを見ただけなのに。その男が婚約者だったというだけのことなのに。
あの夜も満足のいく交わりだった。いつもの松阪和眞ならそれで終わりだ。気持ちよく感じて達し、後腐れなく別れる。もし次を望むなら応じなくもないが、それはあくまでワンナイトを愉しむに徹するとする。
と、こう言えば、えらくひどい男だと言われることだろう。自覚している。だが、この意志を明確にし、相手にいらぬ期待をするなと釘を刺さないと後で大変な思いをするからなのだ。
松阪グループの跡取りであり、学歴も職歴も文字通りのエリート、そしてこの外見だ。和眞の中身関係なく、スペックだけで寄ってくる女の多いこと。同時に、親たちも同様で、娘の嫁ぎ先にベストと考えている。
そんな調子は小学生の頃からで、和眞は八つの時にクラスメイトの女子に言われた言葉を今でも忘れられない。
――パパとママがね、和眞君と仲良くしたらいっぱい得するって言うの。なんでかわかんないけど、仲良くしよ。
顔も名前も覚えていない。しかしながら、その言葉だけは明確に記憶している。そして彼女は幼くて意味がわかっていなかったが和眞は違った。身内からさんざん注意され、そしてそれが正しいことを理解していた。
家柄がいいから。
そして成長するほどに、外見、成績とスペックが上がっていき、砂糖に群がる蟻のように女が寄ってきた。露骨に体を餌にする者もいれば、「私はあなたにふさわしい」と言い切る者もいた。
年頃の娘を持つ親たちも似たようなものだった。心底辟易としているのだ。
(都合がいい話のはずなんだ)
なぜ自分が追いかけなくてはいけない? 逆のはずなのに――そう思うのに、なぜだがモヤモヤしてイラつく。
「カズマ」
カラカラと音がしてテラス窓が開き、京が顔を見せた。
和眞は京と住んでいる。ゆったりとした間取りの3LDKマンションをシェアしているのだ。アメリカ人の京は初めての来日で戸惑うことも多い。一人暮らしをするなら二人で暮らしたほうがいいだろうというのが判断だが、和眞とて今さら実家で暮らすのは嫌だったし、一緒にいたほうが仕事の効率が上がるので一石三鳥と考えた。
確かに仕事とプライベートのオンオフが切り替わらない部分はあったものの、起業し、拡大させていく激務の中ではそんな甘いことを言っている余裕はなく、常に近くにいる生活はプラスが多かった。
「なんだよ」
「大事な相棒にプレゼントを、と思ってな」
「プレゼント?」
「ああ。やっと仕上がったからさ」
首を傾げながら京が差し出してくるA4封筒を受け取り、中身を取り出す。表書きに『報告書』とあり、また下部に興信所の名前が印字されているのを見てにわかに驚いた。
「これ――」
華原璃桜の出生に関する報告書だったのだ。
京が得意げに笑う。
「お前、気にしているみたいだからさ。どう? うれしいだろ? ここの興信所は凄腕ぞろいだが、今回も驚かされた。よくたった十日でここまで調べたもんだ。中身はかなり衝撃的だ」
「衝撃的?」
「ああ。華原さん、愛人の娘みたいでな」
「ええ!?」
「でも戸籍は華原家に入っているから、愛人といろいろ取り引きしたんだろ。けど、衝撃はそれだけじゃなくて、その愛人、今も住み込み家政婦として屋敷に住んでいるんだ。一つ屋根の下に正妻と愛人が一緒に住んでるってすごい状況と思わないか? それだけでかなり複雑な家庭環境だなって想像がつくよ。華原社長の神経もわからないけど、正妻の神経も理解不能だ」
和眞が愛人は? と聞こうするのを察したのか、京は手を挙げて止め、話を続ける。
「愛人は孤児で華原家が住み込み家政婦として雇ったのが最初だ。だから行く当てがないのだろうし、そこにも書いてあるが、アル中で肝炎を患っている。屋敷にいる者全員で監視しているのに止められないようだから、一人暮らしをさせられないと判断してのことなんだろう」
「……へぇ」
「でも、それにしたって誰もかれも胸中を考えればどんだけ? って気がするがさ。華原さんは居たたまれないんだろう。まぁ、詳細は読んでくれ。じゃ」
京は言うだけ言って部屋に戻ってしまった。
――人の家庭は他人にはわかりません。
璃桜の言葉が脳裏によみがえる。
和眞はデッキチェアに座り直し、報告書を読み始めた。
華原俊嗣と史乃の結婚は今から三十三年前。結婚して八年経っても子どもができず不妊治療を行っていたが、中森陽子が俊嗣の子を宿し、出産。手続きを経て璃桜は華原夫妻の戸籍に入り、育てられる。それから七年後、史乃が長男の樹生を出産する。
その間、陽子は華原家を出ることなく住み込み家政婦として働いていたが、その間にアルコール依存症になり、肝炎を発症。治療を続けている。
半年後に璃桜は坂戸淳也と結婚するが、その際に二人が住むマンションの一階下の部屋に引っ越すことが決まっている。
「なるほど」
読み終えた感想はこれだった。
「継母《ままはは》にいじめられ、意に沿わなくても押しつけられた婚約者と結婚しなきゃいけないってことか。それでも屋敷から母親ごと脱出できるからよしってところなんだろうな。健気なことだ」
言葉にしてみるが、なんだかむしゃくしゃしてくる。あれほど冷たく振ってきた理由がこれ《・・》とは。
「いや、俺がとやかく言える立場でも身分でもないが」
そうだ、交際してほしいとでも告白したわけでもないくせに――自分で自分にツッコミを入れてしまう。
腕には温かみがあるし、耳には艶やかな息遣いが残っている。璃桜の感じている表情は瞼に刻みつけられいつでも蘇ってくる。そしてあの軽薄そうな男のモノになるのかと思うとたまらない苛立ちを覚える。
和眞は報告書をモザイク柄のガーデンテーブルに放り投げた。
「クソ」
悩む必要などこれっぽっちもないのに。
無関係のことなのに。
釈然としない。
RRRRRR……
スマートフォンが鳴り始めた。手に取って見てみれば最近まま会っている女の名が表示されている。この女は和眞の考えをわかっているのでなにも言わないが、目に「私は特別でしょ」という感情が浮かんでいるので、そろそろ手を切らないとこじれそうだと思い始めている相手でもある。
(どうするか?)
迷いが生じたものの、結局指をスワイプさせて電話に出た。
「もしもし」
『和眞、とっても素敵なA5ランクのフィレ肉が手に入ったの。今夜どう?』
肉をアペリティフに朝までフルコースのお誘い、というわけだ。目がチラリとテーブルの上にある報告書を捉えた。
璃桜の泣き顔が脳裏によみがえる。
「OK。七時くらいでいいか?」
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