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4、違和
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坂戸淳也は待ち合わせの時間より少し前に現地に行こうと考えていた。それでもその時間からはまだ一時間くらいある。
壁に掛けている時計に視線をやりながら、自分の中にある思案の気持ちを持て余して小さく吐息をついた。
(そろそろ言わないとマズいんだろうな。けど……)
脳裏に浮かぶのはこれから会う女の顔だ。交際を始めてそろそろ三年になるが、彼女のほうは淳也との結婚を夢見ていて、まさかカレシに婚約者がいるなどとは夢にも思っていないだろう。
心は罪悪感でいっぱいであるものの、婚約者がいなくても彼女とは結婚はできない事情がある。理由は唯一で、政治家の次男でその政治家の秘書をしている将来その職を継ぐ予定の自分が、元キャバ嬢との結婚など周囲が絶対に許さないからだ。たとえ彼女が今は別の仕事をしていても。
淳也には兄がいるが、彼はビジネスのほうが好きらしく、アメリカのファンド会社の日本法人に在籍してM&A関連の仕事をしている。世の中がひっくり返っても政治家になる気はないし、叩けば埃が立つ身としては、なれば茨道であることを自覚しているからだ。父が隠居の折は、淳也が地盤を継ぐことで家族や支援者の間では話が決まっていることだった。
「ウゼ」
そのために華原家のお嬢さまと結婚しないといけないとは。だが、ため息の理由はそれだけではない。
「好みじゃないんだよなぁ。だってさ、あの暗さだぜ? マジかよ」
自分の部屋だから、つい声に出して言ってしまう。
華原璃桜。外見はまま良いと思う。目立って美女というわけではないが、マイナスポイントのない相応に整った顔立ちだ。だが、いかんせん暗いのだ。おとなしい、という感じではなく、漫画的に表現するなら背景にブラックホールでも描かれているような感じなのだ。
それに対し、交際中の恋人である栗原《くりはら》明理《あかり》は、その名の通り明るい性格で、よく笑う朗らかな女だ。淳也の好みド真ん中だった。だからこそ明理と別れたくないと思ってしまうのだ。よりにもよって、タイプと真逆の女と結婚しないといけないとは。
だが、華原グループは東京の一等地を中心にいくつも、それもかなりの土地を有する不動産業者だ。ただ土地を貸すだけではない。大型の商業施設をいくつも建設し、街の活性化を担っているため、存在価値は計り知れない。そこの創業家でありCEOの娘を嫁に迎えられるのだから、これ以上の利と誉れはないだろう。父や後援会の者たちは口に出して言いはしないが、相当舞い上がっている。最高の金銭的支援者ができた、と。
「はあ」
もう一度時計を確認した。そして立ち上がる。予定よりかなり早く着いてしまうが、このまま自室で悶々としているより、外の空気を吸ったほうがいい気がしたのだ。
気持ちをリセットしたい。こんな下向きの感情にどっぷり染まっている状態で明理に会いたくない。
階段を下りていくと、応接間から盛大な笑い声があがった。後援会の者たちが来ているのだ。
(まだいんのかよ)
昼時にやってきたからそろそろ三時間くらいだろうか。もちろん豪勢な料理を目当てにしているのだが、選挙では彼らの協力なくしては話にならないでのランチ代など安いものだ。
と、わかっている淳也だが、これをいずれ自分もしなくてはいけないのかと思うと気が重い。
「あ、淳也君」
廊下の向こうからうるさいオッサンがやってきた。近所小姑という言葉あるが、まさにそんな男だった。ただ父親の後援者だというだけで、あぁだこうだとうるさいこと言って世話を焼いてくる。そして淳也が不機嫌にすれば、「君は未来の先生なんだからちゃんとしないと」と言うのだ。
(君を育てたのは我々だろう、って言いたいんだろ、ハイエナが)
父がまさにそうだ。祖父を支援していたお歴々たちは、いい大人の父をいまだに子ども扱いしている。いや、わざとだ。そうやってマウントしているのだ。くだらない。
「こんにちは」
「お出かけかい?」
「ええ」
「デートかな?」
ニヤニヤ笑っている顔がキモい。
「いえ、違います。友人です。知り合いを紹介してくれるというので、どんな人か話を聞きに」
「そうか」
淳也の嘘に、うんうん、と頷いている容姿を流し見る。それから軽く会釈をして横を通り過ぎた。
「早く花嫁の姿を拝みたいよ、楽しみにしてるから」
淳也は体半分捻ってもう一度頭を下げた。早足で廊下を歩き、靴を履いて逃げるように玄関を出る。扉を閉めると「はあ」と声を出して息を吐き出した。
下世話極まりない、反吐が出る。そう思うが、思うことしかできない自分に苛立つ。
(俺は人形だ。親父だって人形だ。衆議院議員だかなんだか知らねーけど、じじいたちの言いなりのさ)
将来、自分もあぁなるのだ。表舞台では議員よろしくエラそうにしているが、内に入れば後援会の連中に頭が上がらない。
(政治家なんて選挙で負ければ惨めな猿だが、議員であり続ける限りは絶大な権力が手中にある。みんなその権力を奪われ、冷や飯を食いたくないだけだ)
自分の未来に意外性などない。ただひたすら父親の影を踏み続けていくだけ。それでも由緒ある金持ちの娘と結婚できるのはラッキーな立場だ。立場だけの話なら。
(明理)
恋人の顔が脳裏に浮かぶ。キャバクラで出会った彼女は、淳也との将来を夢見てキャバクラをやめ、今まで貯めてきた金で専門学校に通ってネイリストとして再出発を果たした。そんな明理に淳也は真実を言えないでいる。
好きだからこそ言えない。いや、言いたくないのだ。別れたくないから。結婚はするが愛はない、だから一緒にいてくれ、ともさすがに言えない。
電車に乗り、扉元に立つ。ガラス部分に額を押しつけた。
(俺は卑怯者だ)
揺れに身を任せること数十分。淳也は電車を降りて待ち合わせ場所近くの書店に入った。まっすぐ専門書のフロアへ向かう。目的は環境問題と子育て応援関係の本だ。本当はミステリ小説の棚に行きたいのだが、そうは言っていられない。政治家になった時、得意な分野が必要だ。人権や法律といった分野ではとても既存の連中には勝てない。これからは環境問題と子育て、そしてジェンダーやダイバーシティあたりが切り込める余地のある、もしくは求められる分野だろうと思う。
だが、頭の固いじじいが多い坂戸家の後援会では、とてもジェンダーを理解し受け入れられるとは思えなかった。まぁ、老人だからという考えも、ダイバーシティの考え方からは反しているだろうが。
「淳也」
「……え?」
いきなり名を呼ばれて驚き、慌てて振り返った。
「あ、明理」
「すっごい偶然。早く来てネイルのデザイン本を探そうと思ったんだけど」
「…………」
「? 淳也? どうしたの? え? はっ! ちょ!」
人目も憚らずいきなり抱きついてきた淳也に明理は赤面して慌てている。両手の拳で背中をトントンと叩く。
「淳也ってば! 恥ずかしいってば!」
「……ごめん」
ゆっくり手を離した淳也の顔を明理が覗き込んできた。
「ホント、どうしたの? ヤなことあった?」
「……ん」
「そっか。じゃ、まずは糖分取って落ち着こう。この近くにおいしいスフレパンケーキのお店があるから。明理さまがご馳走してしんぜる」
明理は根っから明るく、気遣いができる。だから惚れたのだ。その理由を改めて思い知った。
「ケーキは俺がゴチる。明理はひたすら俺を甘やかしてくれ」
「ほう」
「頼むよ」
「頼まれなくても甘やかすってば」
これ以上無理というほどのにっこりな笑顔に淳也はまたしても泣きそうになった。
最高の笑顔を向けてくれるのは栗原明理だけだ。
華原璃桜ではない。
「行こう」
「うん!」
書店を出てカフェに向かう。肩を並べて歩く明理が手振りを交えながら楽しそうに仕事中に起こった出来事を話している。自分で言って自分で笑っていて、彼女の様子を見ているだけでも充分楽しめる。
淳也はそんな明理を見ながら、先日の新商品発表会場のことを思い浮かべた。
隣に立つ華原璃桜が浮かべる笑みはどこからどう見ても無理矢理感満載で嘘っぽい。向けるまなざしにはわずかな愛情の欠片も感じさせない。そればかりか、仕草や様子から嫌々感が強く伝わってくる。
(いや、当たり前だ)
自分だって同じだからだ。卵が先か鶏が先かだけの話であって、互いに愛情はなく、気持ちはまったくないのだ。
淳也が立場上やむなく受け入れたように、華原璃桜だって仕方なく了解したのだろう。
(俺は愛さないけど、お前は俺を愛せよなんて言う気はない。俺は明理が好きだ。だから華原璃桜だって他の男を好きになっていい)
それくらいの道理は持ち合わせているつもりだ。
いや、違う。反対だ。
(俺が明理を好きでい続けさせてもらう代わりに、お前も他の男を好きになれよ。それでお相子でいいだろ……そう思ってるんだ)
淳也はふと手を伸ばし、明理の手首を掴んだ。
「淳也?」
指を絡ませてしっかりと握りしめる。たちまち明理は頬を赤らめた。
こういう反応が好きだ。たまらなくかわいい。
「スフレパンケーキ、やっぱ甘いのかな?」
「スフレじゃない普通のパンケーキだったら、ごはん的なのあるよ。トマトとバジルのイタリア風とか、ミンチたっぷりのデミグラスソースとか、クリームソース系とか」
「そっちがいいかなぁ」
「じゃあ、淳也はしょっぱい系で。私はカスタードたっぷりの甘いの食べる」
目的の店が見えてきた。
「それでいい」
明理の笑顔が眩しい。淳也にとって唯一の希望の輝き――だった。
壁に掛けている時計に視線をやりながら、自分の中にある思案の気持ちを持て余して小さく吐息をついた。
(そろそろ言わないとマズいんだろうな。けど……)
脳裏に浮かぶのはこれから会う女の顔だ。交際を始めてそろそろ三年になるが、彼女のほうは淳也との結婚を夢見ていて、まさかカレシに婚約者がいるなどとは夢にも思っていないだろう。
心は罪悪感でいっぱいであるものの、婚約者がいなくても彼女とは結婚はできない事情がある。理由は唯一で、政治家の次男でその政治家の秘書をしている将来その職を継ぐ予定の自分が、元キャバ嬢との結婚など周囲が絶対に許さないからだ。たとえ彼女が今は別の仕事をしていても。
淳也には兄がいるが、彼はビジネスのほうが好きらしく、アメリカのファンド会社の日本法人に在籍してM&A関連の仕事をしている。世の中がひっくり返っても政治家になる気はないし、叩けば埃が立つ身としては、なれば茨道であることを自覚しているからだ。父が隠居の折は、淳也が地盤を継ぐことで家族や支援者の間では話が決まっていることだった。
「ウゼ」
そのために華原家のお嬢さまと結婚しないといけないとは。だが、ため息の理由はそれだけではない。
「好みじゃないんだよなぁ。だってさ、あの暗さだぜ? マジかよ」
自分の部屋だから、つい声に出して言ってしまう。
華原璃桜。外見はまま良いと思う。目立って美女というわけではないが、マイナスポイントのない相応に整った顔立ちだ。だが、いかんせん暗いのだ。おとなしい、という感じではなく、漫画的に表現するなら背景にブラックホールでも描かれているような感じなのだ。
それに対し、交際中の恋人である栗原《くりはら》明理《あかり》は、その名の通り明るい性格で、よく笑う朗らかな女だ。淳也の好みド真ん中だった。だからこそ明理と別れたくないと思ってしまうのだ。よりにもよって、タイプと真逆の女と結婚しないといけないとは。
だが、華原グループは東京の一等地を中心にいくつも、それもかなりの土地を有する不動産業者だ。ただ土地を貸すだけではない。大型の商業施設をいくつも建設し、街の活性化を担っているため、存在価値は計り知れない。そこの創業家でありCEOの娘を嫁に迎えられるのだから、これ以上の利と誉れはないだろう。父や後援会の者たちは口に出して言いはしないが、相当舞い上がっている。最高の金銭的支援者ができた、と。
「はあ」
もう一度時計を確認した。そして立ち上がる。予定よりかなり早く着いてしまうが、このまま自室で悶々としているより、外の空気を吸ったほうがいい気がしたのだ。
気持ちをリセットしたい。こんな下向きの感情にどっぷり染まっている状態で明理に会いたくない。
階段を下りていくと、応接間から盛大な笑い声があがった。後援会の者たちが来ているのだ。
(まだいんのかよ)
昼時にやってきたからそろそろ三時間くらいだろうか。もちろん豪勢な料理を目当てにしているのだが、選挙では彼らの協力なくしては話にならないでのランチ代など安いものだ。
と、わかっている淳也だが、これをいずれ自分もしなくてはいけないのかと思うと気が重い。
「あ、淳也君」
廊下の向こうからうるさいオッサンがやってきた。近所小姑という言葉あるが、まさにそんな男だった。ただ父親の後援者だというだけで、あぁだこうだとうるさいこと言って世話を焼いてくる。そして淳也が不機嫌にすれば、「君は未来の先生なんだからちゃんとしないと」と言うのだ。
(君を育てたのは我々だろう、って言いたいんだろ、ハイエナが)
父がまさにそうだ。祖父を支援していたお歴々たちは、いい大人の父をいまだに子ども扱いしている。いや、わざとだ。そうやってマウントしているのだ。くだらない。
「こんにちは」
「お出かけかい?」
「ええ」
「デートかな?」
ニヤニヤ笑っている顔がキモい。
「いえ、違います。友人です。知り合いを紹介してくれるというので、どんな人か話を聞きに」
「そうか」
淳也の嘘に、うんうん、と頷いている容姿を流し見る。それから軽く会釈をして横を通り過ぎた。
「早く花嫁の姿を拝みたいよ、楽しみにしてるから」
淳也は体半分捻ってもう一度頭を下げた。早足で廊下を歩き、靴を履いて逃げるように玄関を出る。扉を閉めると「はあ」と声を出して息を吐き出した。
下世話極まりない、反吐が出る。そう思うが、思うことしかできない自分に苛立つ。
(俺は人形だ。親父だって人形だ。衆議院議員だかなんだか知らねーけど、じじいたちの言いなりのさ)
将来、自分もあぁなるのだ。表舞台では議員よろしくエラそうにしているが、内に入れば後援会の連中に頭が上がらない。
(政治家なんて選挙で負ければ惨めな猿だが、議員であり続ける限りは絶大な権力が手中にある。みんなその権力を奪われ、冷や飯を食いたくないだけだ)
自分の未来に意外性などない。ただひたすら父親の影を踏み続けていくだけ。それでも由緒ある金持ちの娘と結婚できるのはラッキーな立場だ。立場だけの話なら。
(明理)
恋人の顔が脳裏に浮かぶ。キャバクラで出会った彼女は、淳也との将来を夢見てキャバクラをやめ、今まで貯めてきた金で専門学校に通ってネイリストとして再出発を果たした。そんな明理に淳也は真実を言えないでいる。
好きだからこそ言えない。いや、言いたくないのだ。別れたくないから。結婚はするが愛はない、だから一緒にいてくれ、ともさすがに言えない。
電車に乗り、扉元に立つ。ガラス部分に額を押しつけた。
(俺は卑怯者だ)
揺れに身を任せること数十分。淳也は電車を降りて待ち合わせ場所近くの書店に入った。まっすぐ専門書のフロアへ向かう。目的は環境問題と子育て応援関係の本だ。本当はミステリ小説の棚に行きたいのだが、そうは言っていられない。政治家になった時、得意な分野が必要だ。人権や法律といった分野ではとても既存の連中には勝てない。これからは環境問題と子育て、そしてジェンダーやダイバーシティあたりが切り込める余地のある、もしくは求められる分野だろうと思う。
だが、頭の固いじじいが多い坂戸家の後援会では、とてもジェンダーを理解し受け入れられるとは思えなかった。まぁ、老人だからという考えも、ダイバーシティの考え方からは反しているだろうが。
「淳也」
「……え?」
いきなり名を呼ばれて驚き、慌てて振り返った。
「あ、明理」
「すっごい偶然。早く来てネイルのデザイン本を探そうと思ったんだけど」
「…………」
「? 淳也? どうしたの? え? はっ! ちょ!」
人目も憚らずいきなり抱きついてきた淳也に明理は赤面して慌てている。両手の拳で背中をトントンと叩く。
「淳也ってば! 恥ずかしいってば!」
「……ごめん」
ゆっくり手を離した淳也の顔を明理が覗き込んできた。
「ホント、どうしたの? ヤなことあった?」
「……ん」
「そっか。じゃ、まずは糖分取って落ち着こう。この近くにおいしいスフレパンケーキのお店があるから。明理さまがご馳走してしんぜる」
明理は根っから明るく、気遣いができる。だから惚れたのだ。その理由を改めて思い知った。
「ケーキは俺がゴチる。明理はひたすら俺を甘やかしてくれ」
「ほう」
「頼むよ」
「頼まれなくても甘やかすってば」
これ以上無理というほどのにっこりな笑顔に淳也はまたしても泣きそうになった。
最高の笑顔を向けてくれるのは栗原明理だけだ。
華原璃桜ではない。
「行こう」
「うん!」
書店を出てカフェに向かう。肩を並べて歩く明理が手振りを交えながら楽しそうに仕事中に起こった出来事を話している。自分で言って自分で笑っていて、彼女の様子を見ているだけでも充分楽しめる。
淳也はそんな明理を見ながら、先日の新商品発表会場のことを思い浮かべた。
隣に立つ華原璃桜が浮かべる笑みはどこからどう見ても無理矢理感満載で嘘っぽい。向けるまなざしにはわずかな愛情の欠片も感じさせない。そればかりか、仕草や様子から嫌々感が強く伝わってくる。
(いや、当たり前だ)
自分だって同じだからだ。卵が先か鶏が先かだけの話であって、互いに愛情はなく、気持ちはまったくないのだ。
淳也が立場上やむなく受け入れたように、華原璃桜だって仕方なく了解したのだろう。
(俺は愛さないけど、お前は俺を愛せよなんて言う気はない。俺は明理が好きだ。だから華原璃桜だって他の男を好きになっていい)
それくらいの道理は持ち合わせているつもりだ。
いや、違う。反対だ。
(俺が明理を好きでい続けさせてもらう代わりに、お前も他の男を好きになれよ。それでお相子でいいだろ……そう思ってるんだ)
淳也はふと手を伸ばし、明理の手首を掴んだ。
「淳也?」
指を絡ませてしっかりと握りしめる。たちまち明理は頬を赤らめた。
こういう反応が好きだ。たまらなくかわいい。
「スフレパンケーキ、やっぱ甘いのかな?」
「スフレじゃない普通のパンケーキだったら、ごはん的なのあるよ。トマトとバジルのイタリア風とか、ミンチたっぷりのデミグラスソースとか、クリームソース系とか」
「そっちがいいかなぁ」
「じゃあ、淳也はしょっぱい系で。私はカスタードたっぷりの甘いの食べる」
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