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ざまぁみろ!
しおりを挟む「それで、公爵令嬢はカグラに嫌がらせをしていたのかい?」
俺の怒りにまったく気付かず、平然と口にする皇太子に腹が立つ。
(この馬鹿皇太子....お前の思い通りにシャーロットを退学になんてさせるか!!)
絶対にシャーロットは退学させないし悪役令嬢枠にもさせないと決意した俺は、口を開いた。
「....俺は公爵令嬢と友人になったのもほんの数ヶ月前で、何も知りません。
....ただ、公爵令嬢がカグラに対して嫌がらせをしていたというのは事実です。そこに関しては公爵令嬢も認めていました。」
「!!そうか!なら「ですが!」
俺は嬉しそうに声を上げた皇太子に、被せるように待ったをかける。
「....ですが俺の目には、その頃の公爵令嬢はただの皇太子殿下に恋をする女の子にしか見えませんでした。」
そう俺が言うと皇太子は先ほどまでの嬉しい顔とは違い、驚いた表情で俺を見る。
俺は何か言いたげな皇太子を無視して話を続けた。
「公爵令嬢はただ....皇太子殿下、貴方に自分を見てほしいと思っていただけなんです。
確かに公爵令嬢は以前、カグラ様に対して嫌がらせをしてきたと思います。ですがその嫌がらせのすべてが公爵令嬢のせいではありませんし、それに今は嫌がらせなんてもの一切していません。
公爵令嬢がお二人に言っていたではありませんか。
もう皇太子殿下にもカグラ様にも近付かない、反省していると謝罪していたではありませんか。」
俺がそう言うと、皇太子は焦ったように顔に汗を垂らし始めた。
「そ....それは、公爵令嬢が私達を惑わす企みで....
クレノくんが知らないだけで、本当は今でも嫌がらせを.....」
なんでこの皇太子はシャーロットを悪者にしたがるんだよ。
「それなら嫌がらせの件を報告してきた生徒達に、今でもその現場を見るのか確認してみてください。」
そうすれば俺が言っている事が嘘か本当かなんてすぐに分かるだろうし。
「だ...だが、公爵令嬢は少なくとも以前は嫌がらせをしていたのだろう?
もしもまたカグラが酷い嫌がらせをされたら.....」
「そこはご心配なく。」
なかなか食い下がらない皇太子に対し、俺はニコリと微笑んだ。
「バーベル公爵令嬢が言っていましたよ?
今では二人に興味すらない、自分とは一切関係のない赤の他人だと。
あぁ、二人仲良くお幸せにとも言っていましたね。
それに今では、新しい恋人に夢中みたいですし。」
(なのでどうぞご安心ください。
お前なんかに、もうシャーロットは恋心を抱く事なんてないほど冷めきってるんだよ。)
皇太子に笑顔を見せ続けながら心の中で悪態をつく。
(まぁ、恋人は嘘だけど。秘密裏に会ってるって事にしとけばいいだろ。
それにもう二人に興味ないって言ってたのは本当の事だし。
つーか、まだシャーロットが自分の事を好いてると思ってるとか自意識過剰なんだよ!)
そんな事を思いながら皇太子の顔を見れば、俺の言葉に目を丸くし、唖然とした表情のまま見事に固まっていた。
(勝ったな。それにしてもこの皇太子ほんとダメだな。
子爵令息の俺ごときにここまで言われて不敬だのなんだの言わないのはラッキーだとして、こんな奴が未来の皇帝なんて本当に大丈夫か?)
「そ...そうか....恋人が......
クレノくんの言い分はよく分かった。これからこちらでもっと詳細に調べよう。
今日は話し込んでしまってすまなかったね。貴重な意見をありがとう。」
俺の言葉で固まっていた皇太子が、大量の汗をかきながら逃げるように言う。
そして引き攣った笑顔を見せながら、皇太子が俺を扉まで送ってくれた。
「いえ、俺はただ正直に殿下へ自分の意見をお伝えしただけです。
こちらこそありがとうございました。とても楽しかったです。」
(皇太子殿下のその歪んだ顔が見れて。)
そう思ってしまう俺は、本当に性格が悪いなと自分で思う。
「では、失礼致します。」
「あ....あぁ。それじゃあまたね。」
こうして俺と皇太子の話し合いが終わり扉を出た俺の耳に聞こえてきたのは、生徒会室の中から何かが割れる大きな音だった。
そしてそれと同時に「痛っ!」という声も聞こえてきて、その声を聞いた俺は小さくガッツポーズをした。
(やっぱり皇太子も俺にイラついてたか......
お前の思い通りになんか、話しても動いてもやんねーよ!シャーロットの想いを無下にした罰だ!
ざまぁみろ!)
そう勝ち誇ったように、俺は上機嫌で口笛を拭きながら廊下を歩く。
「クレノ。」
俺を呼ぶ、いつも以上に低い声が聞こえるまでは。
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