俺はモブなので。

バニラアイス

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醜いカグラ

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「レ....レイ様っ......」

カグラが焦ったように声を出す。

そして第二皇子は、そんなカグラを睨みつけていた。


「どうしてここに.....シン様と一緒にいるんじゃ......」

「あぁ、先ほどまで兄上と一緒にいたな。どうでもいい雑務をこなしていた。」

「じゃあ、なんで.....」

カグラがそう問うと、第二皇子は冷めた声でその問に答える。


「バーベル公爵令嬢と応援隊だ。」

「え....?」

「突然私の元へ来たかと思えば、令嬢と応援隊が目を離した隙にクレノとミルズ男爵令息を見失ってしまったと、探しても見つからないのだと私に助けを求めてきた。

......まぁ、バーベル公爵令嬢だけは不服そうだったがな。

それを聞いた私は、兄上の事を令嬢と応援隊に押し付けクレノを探し回った。

やっと見つけたかと思えば男爵令息がクレノに向けて手を振り上げているのが見え、慌ててクレノの元へ駆けつけたんだ。」

「シャーロットと応援隊が.....」

第二皇子を見れば息切れし、髪が肌に引っ付くほど汗ばんでいた。


(心配して、必死に探してくれたんだ.....)

そんな第二皇子の姿に、こんな状況だというのに嬉しさが溢れてくる。

第二皇子は嬉しそうにしている俺を見て優しく微笑み、そしてまた冷めた表情に戻ってカグラに目線を戻した。


「......カグラ・ミルズ。」

そのあまりにも低い声に、カグラの肩がビクリと跳ねた。

「お前は本当に、私の事を不快にさせてくれるな。」

「レイ様....その、これには理由があって......」

「言い訳など見苦しい。今回の事は学園側に報告させてもらう。」

「っ!ま、待ってください!!僕はただ、レイ様に目を覚ましてもらおうと....」

「目を覚ますだと?」

「レイ様がこんな凡人と付き合うだなんて、どう考えてもおかしいです!

レイ様には僕みたいな優れた人間が相応しいのに!だから僕が「ふざけるな。」

カグラの言葉を聞き、第二皇子はますます怒りに満ちた声を出す。

「お前のどこが優れているというのだ。

その醜い心の有様が顔にも出ている。私はここまで汚く醜い人間を見た事がない。」

「......へ?」

言われた本人であるカグラは、第二皇子が自分になんて言ったのか理解できないようで、口を開け呆けている。

「はぁ.....お前と話しているだけでイラつきが増す。不愉快だ。

クレノ、もう行こう。」

第二皇子は俺に自分の上着を被せ、横抱きに抱えた。

「わっ!!で、殿下っ....!」

突然の事に驚きカグラが目の前にいるのにと恥ずかしくなった俺は、下ろしてもらおうと手足をじたばたとさせる。

「お、下ろしてくださいっ....!」

「ダメだ。」

逃げようとする俺に対し、第二皇子は逃げられないようにもっと強い力で俺を抱き締めた。

「っ......」

第二皇子の美しい顔を間近で見た俺は頬が赤く染り、顔を見る事ができなくなる。


(こんな顔をされたら、逃げる事なんてできないよ...)

俺が抵抗を辞めると、第二皇子はカグラに背を向け歩き出す。


「レイ様っ....」

離れていく第二皇子をカグラが咄嗟に呼び止めた。

そしてその声に立ち止まった第二皇子は振り向き、

「カグラ・ミルズ。もう二度と私達に近付くな。」

「.....っ!」 

カグラを一睨みし、今度は振り返る事なく歩き出した。


「嘘だ....、こんなの.....こんなのありえない!!」

そう遠くで叫んでいる声が聞こえカグラを見れば、怒りに震えながら殺しそうな勢いで俺を睨みつけていた。

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