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また助けられた
しおりを挟むそして今の状況に至るという訳なのだが.....
(カグラの『僕が主人公』って言葉.....薄々は気付いてたけど、やっぱりカグラも俺と同じ転生者なんだ。)
そうすると原作のカグラと性格がまったく違うのも、ゲームではなかったような行動をする事も辻褄が合う。
「君って本当に僕をイラつかせる天才だよね!レイ様もなんでお前みたいのが良いのかな!」
(それは俺が知りたい。)
「デリクだってそうだ!君みたいな凡人のただのモブを気に入るなんて、みんなどうかしてるよ!!」
「はぁ、そうですね。」
「何その返事、バカにしてるの!?」
「......」
「腹が立つ....本当に腹が立つよ!!」
俺が無言でも怒り適当に言葉を返しても怒り、一体俺にどうしろというのだろうか。
今も尚、散々な言葉を浴びせてくるカグラに飽き飽きしていた。
「君、ちゃんと僕の話聞いてるの?!」
「聞いてはいますよ。」
「君のその態度が気に食わないんだよ!」
こうして俺にとってはどうでも良いカグラの暴言を繰り返し聞いていく内に、いまだ噴水の中でびしょ濡れ姿の自分の身体が寒さで震えだしてきた。
そして寒さとカグラの長い長い罵倒にそろそろ腹が立ってきた俺は、噴水から出てカグラの前まで足を進めた。
「な....何、僕に暴力でも振るうつもり?」
そう言ってカグラは身構える。
だが俺は暴力を振るうつもりはない。
暴力なんて振るったら、こっちが悪者みたいに仕向けられるだろうから。
「....全部、自分のせいなんじゃないですか?」
「は?」
「先ほどグレイ公爵令息が言っていたように、自分のその性根の腐った性格をどうにかしてくださいよ。
自分の思い通りにいかないからって、人のせいにしないでください。」
「なんだって?!!」
「大体、どうして皇太子殿下の恋人であるカグラ様に、第二皇子殿下との事を言われなければいけないんですか。
誰が誰を選ぼうが本人達の勝手なんだから、ほっといてくれません?」
「~~~~!!!」
「ほんと、いい迷惑ですよ。」
あの体育祭の時並に、俺ははっきりと言い切った。
だがあの時とは違い、カグラは顔を真っ赤にさせ今にも殴り掛かりそうなほど手を強く握っている。
(あ、これ殴られるかも。)
そう思った次の瞬間、カグラが手を大きく振り上げた。
(やば、絶対痛いやつ。)
俺は訪れるであろう衝撃に耐えようと目を瞑った。
「っ............?」
だがいつまで経っても衝撃がくる事はなかった。
不思議に思った俺は、そっと目を開く。
「...貴様......」
そこにはノア・カーティスから助けてくれた時と同じく、第二皇子が俺を庇うように立っていた。
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