俺はモブなので。

バニラアイス

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本当に奇跡

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ガタン.....ガタン......


「......」

「良かったわ。ちょうどあの場所を通って。」

「......」

「本当びっくりしたわぁ。」



「あ.....あの.......」

「ん?何かしら?」


馬車に揺られ、緊張しながらも俺は自分の向かい側に腰掛けている貴婦人へと声を掛ける。


「その....ありがとうございました。助けていただいて......」

「あら?当たり前じゃない。

こんな可愛い子が涙目で男性を抱えようとしていて、しかも倒れていたのが自分の息子なんだもの。助けて当然よ。」

そう優しく微笑む貴婦人......皇后陛下は、俺と第二皇子を交互に見つめながら言った。

(偶然通った馬車にまさか皇后陛下が乗ってるなんて......)

________________


『失礼します。』

『え!?あ....あのっ.....、でん....レイ様をどこにっ......』

『あら、この者達は私の専属騎士だから心配しないで?ただ、倒れている自分の息子を馬車に乗せるだけだから。』

『息子って......えぇ!?!??』

(まさか偶然通りかかった馬車に、皇后陛下が乗ってるなんて本当に奇跡としか思えない。)

最初は有り得なすぎて騙されてるのかもと思ったけど、新聞なんかでよく見る皇后陛下の顔そっくりな人間が皇族の紋章が付いてる馬車に乗っていたら、流石の俺も本物だと分かる。


「今日はドレスを見に街へ来たのだけれど、ちょうど通りかかって良かったわぁ。

それで、貴方のお名前を伺ってもよろしいかしら?」

「あっ...!あ、挨拶が遅れてしまい申し訳ありません!!

し、シア子爵家の次男のく、クレノ・シアです!」

緊張で声が震え、カミカミになってしまった。


「クレノくんね。私はそこで眠っているレイ・スティードの母であり、この国で皇后でもあるパトラ・スティードよ。

よろしくね?」

「は、は、はいっ....!」


どうしよう....馬車に乗って五分......


もう既に、緊張で死にそうだ。


    
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