俺はモブなので。

バニラアイス

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サイドストーリー⑤元皇太子の春3

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「そうか...残念だ。」

あからさまに俯く公爵様に申し訳なく思いながら、握られている手を静かに離す。


「でも、諦めないよ。」
 
「...え?」

あれ?俺、はっきり断った...よね?

「私はマシロに心底惚れ込んでるから、マシロとしか恋愛するつもりないよ。だから諦めない。」

「えっと...」

なのになんで...

「マシロに私を好きになってもられるように、これからもっと頑張るから。...好きだよ、マシロ。」

そんなに目が輝いて...やる気で満ち溢れてるんですかね!?


「マシロくん、公爵様は本当にしつこそうだから頑張ってね。」

シズさんが同情したような目で俺を見てくる。

「え、えぇ~...」

そこからのルシアンは、シズさんの言う通りそれはもうしつこかった。


「マシロ、好きだ。私と付き合って。」

「今日のマシロも素敵だ。その指に口付けてもいいかい?」

「マシロ。デートに行こう。マシロの好きな場所でいいよ?....え、嫌?今日はお花の手入れがある?なら私も手伝うよ。お花の手入れが終わったらいいよね?」

「マシロ、愛してる。結婚しよう。」

最終的には、付き合うを通り越して結婚しようと指輪まで持ってきた。


「マシロが結婚すると言うまで諦めないからね。...しつこいよ、私は。何年、何十年だってマシロを口説くから。」

ちょっと引くぐらいだ。



「あ~~~もうっ!分かりました!」


あまりのしつこさに、最終的に折れたのは俺だった。

諦めないと言われてから2年が経ってもなお、毎日のように愛を囁き諦めようとする気配すらないこの男に、俺はとうとう折れる事になった。

「本当か!!!?」

「でも...結婚じゃなくて、とりあえずお付き合いからでお願いしま「いい!恋人からでいいから!絶対に結婚しよう!」

ものすごく嬉しそうに満面の笑顔で言うルシアンが可愛く見えて、つい笑ってしまう。


「ふっ...、どんだけ俺の事好きなんですか。」

「周りが見えなくなるくらいには、愛してるが?」

「っ...そ、そうですか...」

「愛してる。大好きだ。」


3年後、夫のルシアンに結婚前以上に溺愛され、愛し合いすぎてカフェが週に1度しか営業できなくなるとは思わなかった。



だけど今までの人生で一番幸せだからいいかと思う、シンであった。


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