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婚約破棄されました。
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「セリーナ嬢、君のこれまでの悪行、これ以上は見過ごすことはできない!」
貴族院の卒業記念パーティの会場で、あの茶番は起きました。
あたしの婚約者であったコーネリアス殿下。
会場の真ん中をスタスタと進みあたしの前に立つと、彼はそう言い放ったのです。
「レミリア・マーベル男爵令嬢に対する数々の陰湿ないじめ。とても君は国母となるに相応しいとは思えない!」
殿下はそこで一息つき、さっと振り返り背後に控えていたレミリア嬢に微笑むと。
おもむろにあたしの方に向き直って。
「私、コーネリアス・ライネックの名においてここに宣言する! セリーナ・マクギリウス侯爵令嬢との婚約を破棄することを!!」
と、声を張り上げたのです。
「殿下! 待ってください! わたくしには何がなんだか。身に覚えがありません!」
一瞬呆気に取られ言葉が出てこなかったあたし。
とにかくそれだけ言って。
周囲を見渡してみると、今まで仲良くしてくれていたはずのお友達たちも、良くしてくれていたコーネリアス殿下のお付きの人たちも、仲が良かった従兄弟のマクリアンまでもが殿下の横に立ち、あたしに非難めいた視線を送ってきているのに気がついて。
「言い逃れなど見苦しい! 証拠があるのだ。そして、ここにいる皆がそう証言をしているのだぞ!」
え?
どういうこと?
みんな、マクリアンまで?
漂う黒い陰湿な気配。
そんな黒いもやが見え。
ふんわり歩いてきて殿下の横に縋り付くようにくっついて、そしてこちらを見て笑うレミリア。
「私は真実の愛を見つけた。これからはこのレミリア嬢と添い遂げてゆこうと思う」
あたしのことなんかもう忘れたかのようにレミリアに微笑むコーネリアス殿下。
背中にじっとりとつめたいものが走り、尋常でない様子に気分が悪くなったあたし。
そのまま後ずさるように会場を出て。
逃げるように馬車で家まで帰ったのです。
なんの悪夢かと。
もしかしたらこれは本当に夢で、朝起きたら元の世界に戻っているんじゃないか。
そんなふうにも考えましたけど、でも、残念ながらこれは現実の出来事で。
朝方早くに王宮からの使者が来たとお父様に呼ばれたあたし。
昨夜のパーティの出来事を問い詰められ正直に話したけれどまるっきり信じてもらえずに。
王子だけでなくその取り巻きそして従兄弟のマクリアンまでもがあたしを非難する声明に署名しているのだぞと問い詰められて。
そこには。
二人っきりの時に嫌味を言っただの、お茶会の場で彼女のドレスに飲み物をわざとかけただの。
彼女の私物を隠しただの、人を使って階段の踊り場から彼女を突き落とそうとしただの。
まあ最後の突き落とそうとしたとかいう話はマクリアンが間一髪で止めたので実際にはそういうことは起きなかったのだということだったけど。
そんな内容が書き連ねられていた。
「わたくしは無実です! このようなこと全く心当たりがありません!」
そういうあたしにお父様、
「まあいい。お前がどう言おうともはやこの醜聞が消えることはない」
と全く取り合ってもくれず。
挙げ句の果てに、あたしを修道院に入れると言い出す始末で。
なんとかこうしてこの魔法省に入れなければ、危うく修道院で寂しく一生を過ごすことになるところだったのです。
貴族院の卒業記念パーティの会場で、あの茶番は起きました。
あたしの婚約者であったコーネリアス殿下。
会場の真ん中をスタスタと進みあたしの前に立つと、彼はそう言い放ったのです。
「レミリア・マーベル男爵令嬢に対する数々の陰湿ないじめ。とても君は国母となるに相応しいとは思えない!」
殿下はそこで一息つき、さっと振り返り背後に控えていたレミリア嬢に微笑むと。
おもむろにあたしの方に向き直って。
「私、コーネリアス・ライネックの名においてここに宣言する! セリーナ・マクギリウス侯爵令嬢との婚約を破棄することを!!」
と、声を張り上げたのです。
「殿下! 待ってください! わたくしには何がなんだか。身に覚えがありません!」
一瞬呆気に取られ言葉が出てこなかったあたし。
とにかくそれだけ言って。
周囲を見渡してみると、今まで仲良くしてくれていたはずのお友達たちも、良くしてくれていたコーネリアス殿下のお付きの人たちも、仲が良かった従兄弟のマクリアンまでもが殿下の横に立ち、あたしに非難めいた視線を送ってきているのに気がついて。
「言い逃れなど見苦しい! 証拠があるのだ。そして、ここにいる皆がそう証言をしているのだぞ!」
え?
どういうこと?
みんな、マクリアンまで?
漂う黒い陰湿な気配。
そんな黒いもやが見え。
ふんわり歩いてきて殿下の横に縋り付くようにくっついて、そしてこちらを見て笑うレミリア。
「私は真実の愛を見つけた。これからはこのレミリア嬢と添い遂げてゆこうと思う」
あたしのことなんかもう忘れたかのようにレミリアに微笑むコーネリアス殿下。
背中にじっとりとつめたいものが走り、尋常でない様子に気分が悪くなったあたし。
そのまま後ずさるように会場を出て。
逃げるように馬車で家まで帰ったのです。
なんの悪夢かと。
もしかしたらこれは本当に夢で、朝起きたら元の世界に戻っているんじゃないか。
そんなふうにも考えましたけど、でも、残念ながらこれは現実の出来事で。
朝方早くに王宮からの使者が来たとお父様に呼ばれたあたし。
昨夜のパーティの出来事を問い詰められ正直に話したけれどまるっきり信じてもらえずに。
王子だけでなくその取り巻きそして従兄弟のマクリアンまでもがあたしを非難する声明に署名しているのだぞと問い詰められて。
そこには。
二人っきりの時に嫌味を言っただの、お茶会の場で彼女のドレスに飲み物をわざとかけただの。
彼女の私物を隠しただの、人を使って階段の踊り場から彼女を突き落とそうとしただの。
まあ最後の突き落とそうとしたとかいう話はマクリアンが間一髪で止めたので実際にはそういうことは起きなかったのだということだったけど。
そんな内容が書き連ねられていた。
「わたくしは無実です! このようなこと全く心当たりがありません!」
そういうあたしにお父様、
「まあいい。お前がどう言おうともはやこの醜聞が消えることはない」
と全く取り合ってもくれず。
挙げ句の果てに、あたしを修道院に入れると言い出す始末で。
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