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冷徹公爵はお口が悪い。
しおりを挟む「君はバカか?」
はぁ?
いきなりそんなこと言われてちょっとカチンと来たあたし。
ジト目で睨み返すも「ふっ」とふきだされ。
なんだか少し笑われたような気がしたけど、でもでもこの人って氷の表情で有名な公爵様だったよね?
笑顔も見た人がいないとかいう噂だったのに。
「どういうことですか!?」
思わず強い口調でそう言い返すあたしに、
「ははっ!」
って、今明らかに笑った? よね!?
「そもそもだ、そこまではっきりと黒いモヤが見えたのならなぜそれを訴え出なかったのだ?」
「え、でも。わたくしがそう感じただけかもしれませんし……」
「今回の採用試験の結果、君の魔力量は1500を超えることが確認された。魔力特性値は79、ほぼ聖人レベルの特性値だ」
はう。まあそれは洗礼式の時にも確認されてたしだからこそその高い魔力が勿体無いからってこの魔法省を受験するのを許してもらえたわけだけど。
ポカンとして公爵の顔を覗き込んでいると、彼の表情がまたちょっとにやっと崩れて。
「そこまで高い魔力の持ち主が感じたのだ。その黒いもやとは『魔』に間違いはないだろう」
へ?
『魔』って。
あの魔?
魔族の魔、魔獣の魔。
この世を蝕む漆黒のあの魔?
「ふむ。これは緊急を要するかもしれん」
ばっと立ち上がったオルファリド・グラキエスト公爵。
黒いマントをばさっと翻して。
「よし。ではいくぞ」
とおっしゃった。
手招きしてあたしにも同行するよう促す彼。
「わたくし、ですか?」
「ああ。君以外に誰がいるというんだ?」
そのまま問答無用で彼に同行することとなったあたし。
魔法省の専属馬車に乗せられて王宮へと急いだのでした。
⭐︎⭐︎⭐︎
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