包んで、重ねて ~歳の差夫婦の極甘新婚生活~

吉沢 月見

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 自分の家の自分のベッドに入ることに躊躇する。妻が寝ているからである。

「七さん? 寝ないの?」
「ごめん、また起こした?」
「ううん」
 とよのぎさんがあくびをする。

「帰りが遅い日はソファか隣りの書斎で寝ようかな」
「私が起きちゃうからって気にしないで。あなたに触りたくて起きるだけだから」

 それだけ言ってまた眠るよのぎさんが、
『夫婦 会話がない』
 と検索をしたことが履歴でバレている。それは時間がないからで君に落ち度はない。

「おやすみ」
 返答はなかった。それなのにちょこんと触れ合う腕が妙に熱い。

 もっと一緒にいたいし大事に想っていることを伝えたい。


「そんな時はデートですよ。って、未婚の私が言っても説得力ないですよね」
 羽切さんとお寿司ランチ。
「休みの日は休みたい」

 肩も腕もそろそろ限界だ。そうだ、新しい家のお風呂はジェットバスにしてもらおう。

「そんなこと言ってると、奥さんに逃げられちゃいますよ」
 前の恋人と別れたとき、羽切さんがほっとしたことが窺えた。あれが数年前。羽切さんから恋の相談を受けた記憶はない。20代前半から彼女を雇っているが、今でいうところの喪女で、色恋よりも仕事に勤しんでくれた。小曽根くんのような年下の男性社員に言い寄られることはあってもそっぽを向いて、おかげで辞めてしまった人もいるほどだ。

 今は少し肉がついてきたが、昔は確かに美人だった。
「羽切さん、老眼どう?」
「この目薬いいですよ」
 僕よりも3つ下だから47か。もう結婚は考えていないのだろうか。さすがに聞けない。
 腰が痛いからと旗本さんは猫背矯正ベルトを巻いている。もう猫背とか腰痛が気にならないほど体が歪んでいる。

 よのぎさんと出かけて浄化されたい。できれば疲れないところがいい。
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