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意外と優秀だったみたいです
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どうやら、庭師の手伝いとキッチンでの下拵えは採用試験だったみたいで、文句も言わずに仕事をした俺は、見事雑用係の採用されました!
バンザーイ!
そりゃ、この世界読み書き計算できる人はエリート扱いだから、下働きさせたら嫌がるよね?
でも、庭師のお爺さんの腰痛とキッチンの下働きが足りないのは本当なので、これからもお手伝いすることにしました。
だって、つまみ食いと賄いというご褒美があるからね。
このことで、ますます雇い主の好感度が上がったらしく、まだまだ少年のアルカサル侯爵様は、俺の手を取って笑顔でご挨拶してくださいました。
うーむ、侯爵様は子供なのに仕事漬けとは……かわいそうに。
そして、陰険冷血イケメンからは、ぺらりと一枚の紙を渡される。
「ほへ?」
「執務室の雑用ができるかどうかは、これを」
紙には、なんかどっかの地名と商品と数字が書いてある。
なんじゃこりゃ?
「収支計算書です。これ、計算チェックしてみてください」
「はい」
俺は執務室に備えられているソファに座って、紙とペンを借りる。
ふむふむ。小学校卒業まで習っていた算盤の実力みせてやんよ!
フラッシュ暗算は得意中の得意の俺にかかれば、紙一枚の暗算なんざ、朝飯前だぜ!
フーンフンフンフーン♪
と鼻歌まじりに、ちょちょいのちょい、でーきた!
「はい。できました」
「は……早いですね」
眼鏡ヤローが目を丸くして、俺から計算書を受け取る。
そしてチロリと確認。
この異世界に電卓とかパソコンが無いからしょうがないかもしれんが、間違えだらけだったぜ。
しかもあっちとこっちの収支が合わないのに、合計が合うという不思議。
「……。これは……」
なんか、紙を睨んでプルプル震え始めましたが?
俺……なんか間違えた?
「アオイさん。貴方……高等教育か領地経営でも習った経験がおありで?」
「いいえ。俺、田舎出身なので……」
まあ、異世界産で、向こうではほどほどの私立四大卒の元社畜ですが、なにか?
「とりあえず、アオイさんは執務室でも採用です。即戦力です。報酬アップも考えましょう。すぐに雇用契約を済ませたいのですが、急の仕事が今……たった今発生したので、また、明日同じ時間に来ていただけますか」
陰険冷血イケメンが鬼気迫る顔で怒涛のように攻めてくるので、俺は何度も頷くことで返事をした。
なにこいつ、こあい。
今日の分の報酬と、料理長からお菓子が入った袋を駄賃にもらって、宿に帰りました。
なんだかなー? 採用されたんだけど……なんか、釈然としないなー。
まあ、これで当分の生活費には困らないだろう。
しっかりお金を溜めて、カケスの街を出て、異世界生活をやり直そう!
うんうん、男にモテても嬉しくないからな。次の街では目立たず枯れた人生を送ろう。
宿に帰って風呂に入って、一階のお店でちょっと早めのご飯を食べて、宿の部屋で一日の疲れを癒していると……。
「あー、疲れたときは、甘い物だなぁ」
料理長にもらったお菓子袋からひとつずつお菓子を取り出し、今日は何を食べようかな? と吟味中。
ん? 飲み物どうしようかな?
果実水はあるけど……紅茶、いやいや苦味のある珈琲だよな。
「外の屋台で買ってくるか」
この街の屋台は、仕事帰りのおっさんが酒と摘まみだけを買うわけじゃない。
ちゃんと甘味とお茶類を売っている屋台もあるんだ。
ただ、ごっつい冒険者たちがそこに群がってるのは、微妙な感じだけど……。
俺は珈琲をポットで買って、宿屋の裏口から戻ろうとした。
そこで、茂みからぴょこんと黒いフードが出ているのを見つける。
まだ日は完全に沈んでないからな……かえって黒いフードが目立ってしまっている。
俺はポットを下に置いて、ガサガサと茂みを掻き分ける。
「よお!」
ペコンと頭を下げるいつかの不審者くん。
「腹減ってんの?」
コクリ
「あー、何か食う?」
ちょっと戸惑ってから、コクン。
「持ってくるから、ちょっと待ってて」
コクン。
喋んないなー、あいつ。
俺は呆れながらも宿の中に入り、店の料理を注文しておいて、自分の部屋へ戻る。
んー、これとこれでいいかな? あいつにも甘味を分けてあげよう。
下に降りて、料理を貰って金払って、裏口から出る。
「ほら、食えよ」
ちょんと体を小さくして座ってる奴に、魔物肉ステーキとコンソメスープ。
野菜と辛味ソースを挟んだパンを渡す。
ガツガツと食べ始める奴の姿をぼーっと見ながら、「これって餌付けなのかな?」と明後日のことを考えていた。
バンザーイ!
そりゃ、この世界読み書き計算できる人はエリート扱いだから、下働きさせたら嫌がるよね?
でも、庭師のお爺さんの腰痛とキッチンの下働きが足りないのは本当なので、これからもお手伝いすることにしました。
だって、つまみ食いと賄いというご褒美があるからね。
このことで、ますます雇い主の好感度が上がったらしく、まだまだ少年のアルカサル侯爵様は、俺の手を取って笑顔でご挨拶してくださいました。
うーむ、侯爵様は子供なのに仕事漬けとは……かわいそうに。
そして、陰険冷血イケメンからは、ぺらりと一枚の紙を渡される。
「ほへ?」
「執務室の雑用ができるかどうかは、これを」
紙には、なんかどっかの地名と商品と数字が書いてある。
なんじゃこりゃ?
「収支計算書です。これ、計算チェックしてみてください」
「はい」
俺は執務室に備えられているソファに座って、紙とペンを借りる。
ふむふむ。小学校卒業まで習っていた算盤の実力みせてやんよ!
フラッシュ暗算は得意中の得意の俺にかかれば、紙一枚の暗算なんざ、朝飯前だぜ!
フーンフンフンフーン♪
と鼻歌まじりに、ちょちょいのちょい、でーきた!
「はい。できました」
「は……早いですね」
眼鏡ヤローが目を丸くして、俺から計算書を受け取る。
そしてチロリと確認。
この異世界に電卓とかパソコンが無いからしょうがないかもしれんが、間違えだらけだったぜ。
しかもあっちとこっちの収支が合わないのに、合計が合うという不思議。
「……。これは……」
なんか、紙を睨んでプルプル震え始めましたが?
俺……なんか間違えた?
「アオイさん。貴方……高等教育か領地経営でも習った経験がおありで?」
「いいえ。俺、田舎出身なので……」
まあ、異世界産で、向こうではほどほどの私立四大卒の元社畜ですが、なにか?
「とりあえず、アオイさんは執務室でも採用です。即戦力です。報酬アップも考えましょう。すぐに雇用契約を済ませたいのですが、急の仕事が今……たった今発生したので、また、明日同じ時間に来ていただけますか」
陰険冷血イケメンが鬼気迫る顔で怒涛のように攻めてくるので、俺は何度も頷くことで返事をした。
なにこいつ、こあい。
今日の分の報酬と、料理長からお菓子が入った袋を駄賃にもらって、宿に帰りました。
なんだかなー? 採用されたんだけど……なんか、釈然としないなー。
まあ、これで当分の生活費には困らないだろう。
しっかりお金を溜めて、カケスの街を出て、異世界生活をやり直そう!
うんうん、男にモテても嬉しくないからな。次の街では目立たず枯れた人生を送ろう。
宿に帰って風呂に入って、一階のお店でちょっと早めのご飯を食べて、宿の部屋で一日の疲れを癒していると……。
「あー、疲れたときは、甘い物だなぁ」
料理長にもらったお菓子袋からひとつずつお菓子を取り出し、今日は何を食べようかな? と吟味中。
ん? 飲み物どうしようかな?
果実水はあるけど……紅茶、いやいや苦味のある珈琲だよな。
「外の屋台で買ってくるか」
この街の屋台は、仕事帰りのおっさんが酒と摘まみだけを買うわけじゃない。
ちゃんと甘味とお茶類を売っている屋台もあるんだ。
ただ、ごっつい冒険者たちがそこに群がってるのは、微妙な感じだけど……。
俺は珈琲をポットで買って、宿屋の裏口から戻ろうとした。
そこで、茂みからぴょこんと黒いフードが出ているのを見つける。
まだ日は完全に沈んでないからな……かえって黒いフードが目立ってしまっている。
俺はポットを下に置いて、ガサガサと茂みを掻き分ける。
「よお!」
ペコンと頭を下げるいつかの不審者くん。
「腹減ってんの?」
コクリ
「あー、何か食う?」
ちょっと戸惑ってから、コクン。
「持ってくるから、ちょっと待ってて」
コクン。
喋んないなー、あいつ。
俺は呆れながらも宿の中に入り、店の料理を注文しておいて、自分の部屋へ戻る。
んー、これとこれでいいかな? あいつにも甘味を分けてあげよう。
下に降りて、料理を貰って金払って、裏口から出る。
「ほら、食えよ」
ちょんと体を小さくして座ってる奴に、魔物肉ステーキとコンソメスープ。
野菜と辛味ソースを挟んだパンを渡す。
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