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第7章 思惑
第119話 それぞれの思惑
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ジリヤ国は中心の王都を守るように、東西南北に6つの領で囲まれている。
その中でも王都の東西にある公爵家は多大な力を持っている。
ここは王都の東西にある2つの公爵家のうちの1つ、東側のファイネン公爵家。
私はノルベール・シュレーダー・ファイネン公爵。
先代から代替わりしたばかりの若輩者だ。
そのことに領の者は不安を持つ者もおり、他の領主からも認めてもらわなければ。
私には10歳になるエリザという娘がいる。
今は屋敷におり書斎に娘を呼んだ。
「おとうさま、お呼びでしょうか?」
「エリザ、まあ座りなさい」
「はい」
私はソファに座り、娘と向かいった。
私の横には妻のナタリアも座っている。
「王都であったエリアスという青年を覚えているかい?」
「えぇ、凄い『手品』を見せて頂いた方ですね」
「彼のことをどう思うかな?」
「どうと言いますと?」
「実は先日、300年ぶりに女神ゼクシー様の神託が降りてね」
「 あの女神ゼクシー様のですか?! 」
妻と娘が驚いている。
それだけ神託が降りると言う事は、凄いことだった。
「そうだ。そしてエリアス様が、女神ゼクシー様の息子であることがわかった」
「 女神ゼクシー様の息子?! 」
「彼はどう見ても人だから、女神ゼクシー様の加護を持つ『愛し子』様だろう」
「『愛し子』様…」
「どうだ?彼と結婚してみないか?」
「結婚でしょうか」
「そうだ。そうすればこの世界で唯一の絶対神、いいや全世界の女性の憧れ美の女神ゼクシー様と親子になれるのだ!!」
この世界の神はどの国も共通で女神ゼクシー様だ。
国同士が戦争をしても領民や兵士は、同じ信徒同士だから戦争をしたがらない。
だから勢力図が変わらない。
豊かな国は豊かなままで、実りの少ない国はそのまま苦しみが続く。
その女神ゼクシー様は、理想的なスタイルで男女分け隔てなく魅了する。
女性の憧れの的だ。
「女神ゼクシー様と親子に…。します!エリアス様と結婚致します」
ちょろい。
よかった、まだ娘が幼くて。
ごめんよエリザ。
おとうさんを許しておくれ。
おとうさま。
エリアス様と結婚することでおとうさまの地位を、この領を安定させることができるのなら。
喜んで私はエリアス様のところに嫁ぎましょう。
親が思うほど、娘は子供ではなかった。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
それから毎日、のんびりとした時間が過ぎていく。
アリッサさんは俺の側にいても、国に報告しないことがばれてしまった。
でも俺から離すわけにもいかない。
なんせ俺は『愛し子』様だから。
国も放置するわけにもいかず、逆にエージェントと結婚して喜んでいるらしい。
国に関わる者が側に居ることで、他国に行かないと安心するみいたいだ。
しかしアリッサさんは時々、冒険者ギルドに呼び出され外出している。
俺の様子を聞きたいのと、簡単な護衛の仕事をやるようになった。
毎月エージェントの給与は、もらっているから仕方ないよね。
オルガさんは冒険者の仕事をやっている。
とは言っても屋敷に居てもすることが無いからと、冒険者ギルドに行き他の人が手を付けたがらない安い仕事を請け負ってこなしている。
誰かが困って依頼を出しているだから、だそうだ。
経済的に余裕があるから、できることだ。
家に居ても暇だから、仕事をしているなんて贅沢だよね。
ノエルさんはと言うと商業ギルドに勤めていただけに、商売に興味があるようだ。
エリアス商会はノエルさんと、アルバンさんにすっかり任せている。
そして温泉施設『ラウンド・アップ』も、今ではノエルさんが管理をしている。
『ラウンド・アップ』も利用料は、もっと安ければ毎日でも来たい、という人が多いと言うので値段を下げることにした。
入館料は利用料金と言い方を変え、1人5万円から1万円に下げた。
余り安くしすぎると客質も悪くなるから、この位が丁度いい。
それでも庶民の日給が3,000円なら、3日分の金額だからだ。
そしてタオルの持ち帰りは無しにして貸し出しのみ。
しかし遊技場は遊び放題、レストランでは好きなお茶を飲み放題。
そして俺達がアスケルの森から採って来た桃、杏子、イチジク、メロン類。
果物が食べ放題。
他に菓子などをその時々で俺の思い付いたものを、きまぐれで出している。
それがいいそうだ。
売店では赤ブドウ、白ブドウから造った赤ワインと白ワインの販売。
ベリー類で作ったジャムも人気だ。
お風呂場の桶を黄色くし、中にカエルのマークを入れてみた。
なぜ、黄色に塗る必要があるのかと?
最初は不思議がられていたが、いつの間にか温泉施設のマークになっていた。
そのキーホルダーを作ったところ、値段が手頃な事もあって売れている。
ズボンや服に付けてあるくのが今のトレンドとか…。
世の中、何が流行るか分からない。
それから斡旋ギルドから来ている16人は、頑張っているので直接雇用にした。
斡旋ギルド経由だと1日1人7,000円、彼らに入るのは4,900円。
直接雇用にしたことで1日1人6,000円にした。
こちらは支出が下がり、彼らは給与が上がる。
お互いに良いことだ。
社員になったなら、福利厚生も考えないとね。
気が付くと作業場の人が多くなり、醬油タレやマヨネーズ作りがはかどる。
あれ?孤児達以外の人がいるけど?
雇ったのかな?
お店や屋台で使ってくれる人が多くなり、納品が間に合わない。
最近、巷では団子が流行し、醤油タレやアンコで味付けしたものが売れている。
商業ギルドでは、他の領からの引き合いも多くなっているという。
納品もアルバンさんだけではなく、いつの間にか知らない人がエリアス商会のロゴが入ったリヤカーを引き納品に行くようになった。
聞くとアルバンさんは納品に行った関係で、アバンス商会のアイザックさんと、孤児達や付き添いの人が出入りしているので、シャルエル教の大司教ヨハネスさんとも仲が良いらしい。
その中の話で作業や納品に行く人が足りない、と話したところ大司教ヨハネスさんが、手が空いている人を紹介してくれたと言う。
仕事がある時だけ頼め、色んな分野の人が居るので重宝していると言う。
人材派遣だね。
アルバンさんに初めて会う人に頼んで大丈夫なのか聞いたら、大司教ヨハネスさん曰く、エリアス商会に弓を引く者はシャルエル教が地の果てまで追いかけます、と言っていたと言う。
恐ろしや~。
いつの間にかアレン領はリヤカーが行交う街になった。
アバンス商会の相乗り人力車、エリアス商会の納品用のリヤカーだ。
そしてアバンス商会では、運送や荷物配達、引っ越しも行う商売を始めたらしい。
それと同時に王都までの街道が広く舗装されたおかげで、リヤカーを引いて旅をする人が多くなったことだ。
おかげでリヤカーが地味に売れている。
そう言えばやり残していることがあった。
この機会にやり始めようかな。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
読んで頂いてありがとうございます。
物語はまったり、のんびりと進みます。
その中でも王都の東西にある公爵家は多大な力を持っている。
ここは王都の東西にある2つの公爵家のうちの1つ、東側のファイネン公爵家。
私はノルベール・シュレーダー・ファイネン公爵。
先代から代替わりしたばかりの若輩者だ。
そのことに領の者は不安を持つ者もおり、他の領主からも認めてもらわなければ。
私には10歳になるエリザという娘がいる。
今は屋敷におり書斎に娘を呼んだ。
「おとうさま、お呼びでしょうか?」
「エリザ、まあ座りなさい」
「はい」
私はソファに座り、娘と向かいった。
私の横には妻のナタリアも座っている。
「王都であったエリアスという青年を覚えているかい?」
「えぇ、凄い『手品』を見せて頂いた方ですね」
「彼のことをどう思うかな?」
「どうと言いますと?」
「実は先日、300年ぶりに女神ゼクシー様の神託が降りてね」
「 あの女神ゼクシー様のですか?! 」
妻と娘が驚いている。
それだけ神託が降りると言う事は、凄いことだった。
「そうだ。そしてエリアス様が、女神ゼクシー様の息子であることがわかった」
「 女神ゼクシー様の息子?! 」
「彼はどう見ても人だから、女神ゼクシー様の加護を持つ『愛し子』様だろう」
「『愛し子』様…」
「どうだ?彼と結婚してみないか?」
「結婚でしょうか」
「そうだ。そうすればこの世界で唯一の絶対神、いいや全世界の女性の憧れ美の女神ゼクシー様と親子になれるのだ!!」
この世界の神はどの国も共通で女神ゼクシー様だ。
国同士が戦争をしても領民や兵士は、同じ信徒同士だから戦争をしたがらない。
だから勢力図が変わらない。
豊かな国は豊かなままで、実りの少ない国はそのまま苦しみが続く。
その女神ゼクシー様は、理想的なスタイルで男女分け隔てなく魅了する。
女性の憧れの的だ。
「女神ゼクシー様と親子に…。します!エリアス様と結婚致します」
ちょろい。
よかった、まだ娘が幼くて。
ごめんよエリザ。
おとうさんを許しておくれ。
おとうさま。
エリアス様と結婚することでおとうさまの地位を、この領を安定させることができるのなら。
喜んで私はエリアス様のところに嫁ぎましょう。
親が思うほど、娘は子供ではなかった。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
それから毎日、のんびりとした時間が過ぎていく。
アリッサさんは俺の側にいても、国に報告しないことがばれてしまった。
でも俺から離すわけにもいかない。
なんせ俺は『愛し子』様だから。
国も放置するわけにもいかず、逆にエージェントと結婚して喜んでいるらしい。
国に関わる者が側に居ることで、他国に行かないと安心するみいたいだ。
しかしアリッサさんは時々、冒険者ギルドに呼び出され外出している。
俺の様子を聞きたいのと、簡単な護衛の仕事をやるようになった。
毎月エージェントの給与は、もらっているから仕方ないよね。
オルガさんは冒険者の仕事をやっている。
とは言っても屋敷に居てもすることが無いからと、冒険者ギルドに行き他の人が手を付けたがらない安い仕事を請け負ってこなしている。
誰かが困って依頼を出しているだから、だそうだ。
経済的に余裕があるから、できることだ。
家に居ても暇だから、仕事をしているなんて贅沢だよね。
ノエルさんはと言うと商業ギルドに勤めていただけに、商売に興味があるようだ。
エリアス商会はノエルさんと、アルバンさんにすっかり任せている。
そして温泉施設『ラウンド・アップ』も、今ではノエルさんが管理をしている。
『ラウンド・アップ』も利用料は、もっと安ければ毎日でも来たい、という人が多いと言うので値段を下げることにした。
入館料は利用料金と言い方を変え、1人5万円から1万円に下げた。
余り安くしすぎると客質も悪くなるから、この位が丁度いい。
それでも庶民の日給が3,000円なら、3日分の金額だからだ。
そしてタオルの持ち帰りは無しにして貸し出しのみ。
しかし遊技場は遊び放題、レストランでは好きなお茶を飲み放題。
そして俺達がアスケルの森から採って来た桃、杏子、イチジク、メロン類。
果物が食べ放題。
他に菓子などをその時々で俺の思い付いたものを、きまぐれで出している。
それがいいそうだ。
売店では赤ブドウ、白ブドウから造った赤ワインと白ワインの販売。
ベリー類で作ったジャムも人気だ。
お風呂場の桶を黄色くし、中にカエルのマークを入れてみた。
なぜ、黄色に塗る必要があるのかと?
最初は不思議がられていたが、いつの間にか温泉施設のマークになっていた。
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ズボンや服に付けてあるくのが今のトレンドとか…。
世の中、何が流行るか分からない。
それから斡旋ギルドから来ている16人は、頑張っているので直接雇用にした。
斡旋ギルド経由だと1日1人7,000円、彼らに入るのは4,900円。
直接雇用にしたことで1日1人6,000円にした。
こちらは支出が下がり、彼らは給与が上がる。
お互いに良いことだ。
社員になったなら、福利厚生も考えないとね。
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あれ?孤児達以外の人がいるけど?
雇ったのかな?
お店や屋台で使ってくれる人が多くなり、納品が間に合わない。
最近、巷では団子が流行し、醤油タレやアンコで味付けしたものが売れている。
商業ギルドでは、他の領からの引き合いも多くなっているという。
納品もアルバンさんだけではなく、いつの間にか知らない人がエリアス商会のロゴが入ったリヤカーを引き納品に行くようになった。
聞くとアルバンさんは納品に行った関係で、アバンス商会のアイザックさんと、孤児達や付き添いの人が出入りしているので、シャルエル教の大司教ヨハネスさんとも仲が良いらしい。
その中の話で作業や納品に行く人が足りない、と話したところ大司教ヨハネスさんが、手が空いている人を紹介してくれたと言う。
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人材派遣だね。
アルバンさんに初めて会う人に頼んで大丈夫なのか聞いたら、大司教ヨハネスさん曰く、エリアス商会に弓を引く者はシャルエル教が地の果てまで追いかけます、と言っていたと言う。
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アバンス商会の相乗り人力車、エリアス商会の納品用のリヤカーだ。
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それと同時に王都までの街道が広く舗装されたおかげで、リヤカーを引いて旅をする人が多くなったことだ。
おかげでリヤカーが地味に売れている。
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