完結【真】ご都合主義で生きてます。-創生魔法で思った物を創り、現代知識を使い世界を変える-

ジェルミ

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第15章 セトラー国の一日

第197話 洗濯板

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 俺とエリザちゃんは手漕ぎトロッコでアレン領にやって来た。
 そうは言っても門に着く前にトロッコから降り、ストレージに収納して歩いて城門の中に入る。

 そしてシャルエル教工業団地にやってきた。
 しかし前に来た時よりまた規模が大きくなっている。
 なんだ、ここは?
 そう思えるくらい高い塀が立ち並ぶ。


 門の前に立っている駐在員に社員証を見せ構内に入る。
 リヤカーに荷物をたくさん載せ、忙しそうに移動していく人達とすれ違う。
 しばらく歩くと3階建てのお屋敷の様な建物、エリアス商会に着いた。

「こんにちは!」
 俺は店に入り声を掛ける。
「いらっしゃいませ!」
 奥から従業員のエレーナさんがやってくる。
「アルバンさんは居ますか?」
「はい社長ですね。ただいまお呼び致します」

 そう言われしばらく待つとアルバンさんがやって来た。
「これはエリアス様、エリザ様。ようこそいらっしゃいました」
「こんにちは、アルバンさん。実は今日は新しい商品を思い付きまして」
「新しい商品ですか?」
「えぇ、そうです」
 俺はそう言いながら石鹼について話した。
 油汚れが落ちること。
 そして単価を考え、灰汁と混ぜる油は2種類で作る事にした。

「ほう、それはきっと洗濯に苦労している女性達が喜ぶでしょう」
「でも足りない物があります」
「足りない物ですか?」
「えぇシャルエル製作所で、作ってほしいものがあります」
「ではさっそく大司教ヨハネス様のところへ相談に参りましょう」

 そう言うと俺とエリザちゃん、アルバンさんの3人は店を出た。
 大司教ヨハネスが居る大聖堂に向かう。
 しかし広い。
 この広さは何の意味があるのか?
 キックボードで構内を移動している人を多く見かけるのが分かる。


「アルバンさん、この広さは…」
「はいエリアス様。おかげさまで調味料作りが順調で、シャンプーとボディソープもご婦人方に喜ばれて生産が間に合いません」
「そんなにですか?!」
「シャルエル製作所では、製鉄品の鍋、ヤカン、フライパンなどの製作が追い付かず、職人をどんどん雇っている状態です」
「知らなかった。凄いですね」
「アバンス商会は各州に支店を出し始めて、こちらも順調です」
 そんな話をしながら、俺達は歩いて行く。

 大聖堂に着くとアルバンさんに、大司教ヨハネスを呼んでもらった。
 息を上げながら大司教ヨハネスがやってきた。

「エ、エリアス様。お待たせいたしました…」
 はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、
 相変わらず暑苦しい人だ。
 こんな人が民間薬の先駆者、聖人と言われているなんて。
 現実と史実は違うのかもしれない。

「突然お邪魔して、申し訳ありません。実は折り入ってご相談がありまして…」
「な、なにを水臭いことを…。私とエリアス様の仲ではありませんか」
 はて、どんな仲でしょう?


「ここでは、なんですから応接間にどうぞ」
 そう言われ俺達は、応接間に入った。
 洗濯が楽になればと汚れが落ちる、『石鹼』という物を考えたことを話した。

「それは凄い!!きっとたくさんの人達が悦び、感謝する事でしょう!!」
 大袈裟だな。
「ですが石鹼だけでは駄目なのです」
「と、言いますと?」
「その汚れを合わせて落とすための物を作ってほしいのです」
 そう言いながら俺は獣皮紙を出し、絵を書いて見せた。

「エリアス様、これは?」
「洗濯板です」
「洗濯板ですか?」
「はい、木の板に波状の刻みを多数付けた板状の道具です。おけに水を入れ石鹼を溶かし、洗濯物を上下に動かして洗います。溝の間に貯まっている石鹼が付いて、これで汚れが落ちます」
「ほう、そんなことが…」
「石鹼は洗濯板を使うことで効果が上がります。お願いしたいのは石鹼の型と洗濯板です」
「ではさっそく木工職人に、洗濯板の製作を指示してまいります」
 そう言うと大司教ヨハネスは部屋から出て行こうとする。

 するとエリザちゃんが声を掛ける。
「お待ちくださいヨハネス様」
「いかがされましたかエリザ様?」
「私も木工所を見てみたいのです。ご一緒してもよろしいでしょうか?」
「それは構いませんが…。エリアス様は宜しいので」
「え?…「エリアス様はアルバンさんとお話があると思います。私1人で大丈夫ですから」
「ま、まぁ、そうだね」
「そうですか。では私がご案内いたします」
 そう言うと2人は部屋を出て行った。
 最近のエリザちゃんは、色んなことに興味があるらしく頼もしく見える。

 その後、俺とアルバンさんは今後の話をした。
 交渉がうまく行けば1月末には南東のラードルフ国と貿易が始まる。
 それに合わせ支店を出す。
 以前にシャルエル教から派遣で来ており、今は社員になった夫婦がいるのでその時はその2人に任せることにした。

 アバンス商会にも立ち寄り、近い内に石鹼と洗濯板を販売することをアイザックさんに話した。
 すると奥さんのオルエッタさんが目を輝かせて『ぜひ、我が商会で販売させてください!!』と言っていた。
 やはり洗濯は大変だったのか。


 それから数日後、石鹼用の型と洗濯板が出来て来た。
 さあ、これからが本番だ。
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