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第15章 セトラー国の一日
第198話 実演販売
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俺はエリザちゃん、エリアス商会のアルバンさんとアバンス商会のアイザックさんと奥さんのオルエッタさんを連れて井戸に向っている。
オルエッタさんには洗濯物を持参してもらい、俺とアルバンさんとアイザックさんは桶を抱え石鹼と洗濯板を何枚か持って歩く。
「これから何をされるのですか、エリアス様」
「まあ、見ていてください。アイザックさん」
そう言うと俺達は井戸に向かう。
井戸の周りでは水を汲む人や、汚れ物を桶に入れ踏んだり叩いたりして洗濯をしている人が居る。
俺達は桶に水を汲み石鹸をこする。
するとみるみる内に石鹼の泡が出る。
「さあさあ、皆様お立ち合い。今まで重労働だった洗濯も、これで簡単にできます」
周りの人達は興味深そうにそれを見ている。
「それは何だい?」
1人のおばさんが聞いてくる。
「これはエリアス商会経由で今度、販売する石鹼と言う物です」
「石鹼だって?」
「そうです。油汚れも落ちこの洗濯板を使えば、更に簡単に洗濯ができるんです」
「ほう、そんなことができるのかい?!」
「さっそく、洗ってみますね」
俺達は実際に洗濯を始める。
ゴシ、ゴシ、ゴシ、ゴシ、ゴシ、ゴシ、ゴシ、ゴシ、ゴシ、ゴシ、
じゃぶ、じゃぶ、じゃぶ、じゃぶ、じゃぶ、じゃぶ、じゃぶ、じゃぶ、
じゃぶ、じゃぶ、じゃぶ、じゃぶ、じゃぶ、じゃぶ、じゃぶ、じゃぶ、
じゃぶ、じゃぶ、じゃぶ、じゃぶ、じゃぶ、じゃぶ、じゃぶ、じゃぶ、
じゃぶ、じゃぶ、じゃぶ、じゃぶ、じゃぶ、じゃぶ、じゃぶ、じゃぶ、
ゴシ、ゴシ、ゴシ、ゴシ、ゴシ、 ゴシ、ゴシ、ゴシ、ゴシ、ゴシ、
ゴシ、ゴシ、ゴシ、ゴシ、ゴシ、 ゴシ、ゴシ、ゴシ、ゴシ、ゴシ、
「おぉ、本当に泥汚れが落ちていくよ」
「でも値段が高そうだね?」
周りで見ている主婦達が騒ぎ始める。
「そんなことはありませんよ。みなさんが買えるくらいの価格ですから」
「ほう、そうなのかい」
「ご希望の方はこちらへどうぞ!!」
俺は従業員と持って来た石鹼と洗濯板を並べた。
娯楽の無い世界でだから、人がたくさん集まりすぐに売れてしまった。
実際に使っているところを見せて売る実演販売は成功だった。
その日から石鹼と洗濯板を買い求める人が、アバンス商会にやって来た。
この世界では洋服は何年も長く着る。
石鹼と洗濯板を使う事で生地の痛みも少なく、長く着れるならそれに越したことはないからだ。
アバンス商会のアイザックさんには自分達や従業員の服は、花のエキスを入れて作った石鹼で洗濯はするように言っておいた。
思った通りその香りが気に入り、貴婦人たちが自分達用に石鹼を購入していく。
石鹼と洗濯板作りをお願いしたシャルエル製作所は、新たに人を雇い商会はまた少しだけ大きくなった。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
時は少し遡る。
「ここがシャルエル木工所です、エリザ様」
洗濯板の製作を指示するために、木工所へ大司教ヨハネスとエルザは来ていた。
「まあ、色んな物を作っているのですね」
「えぇ、エリアス様から色々とお仕事を頂きまして。従業員も生活の不安から解き放たれ、明日の生活も不安に思うことなく暮らして行けます。これもエリアス様のおかげです」
「そうですか、さすがエリアス様です。それからヨハネス様、洗濯板に入れるエリアス商会のロゴですが、これに変更してください」
そう言うとエルザは大司教ヨハネスに、胸から獣皮紙を出して見せた。
「このロゴは…」
「今までのロゴは私達妻4人が背を合わせ全体を見渡しているロゴでした。これは私達がエリアス様から離れない関係であること。そして物事が表裏にあること示しています」
「そんな深い意味が…」
「そして私の独断にはなりますがセトラー国では、その思いを強く出すために私達妻4人が背を合わせたその下に、大きな鷲が世界を脚で掴み翼を広げているロゴを追加して彫ることにしています」
「ですが勝手に変えても良いものでしょうか?」
「大丈夫です。私が後からエリアス様に『ロゴを強調しておきますから』と伝えておきますから」
「それで良いのでしょうか?」
「これは経済を陰から支配し、人々を幸せに導くと言う意味です。この泡のように膨らんだ景気を、どこまで大きく出来るのか。それが私達の使命となるのです」
「それが使命ですか!!良い響きです。判りました。それに変更いたしましょう」」
「そうです。さあ、みなさん。経済をわが手に!人々を陰から支配し、世界を手に入れ人々を幸せにするのです!」
〈〈〈〈〈 経済をわが手に!!経済をわが手に!! 〉〉〉〉〉
(((( イッ~~~!!イッ~~~!!イッ~~~!! ))))
(((( イッ~~~!!イッ~~~!!イッ~~~!! ))))
(((( イッ~~~!!イッ~~~!!イッ~~~!! ))))
(((( イッ~~~!!イッ~~~!!イッ~~~!! ))))
何十人もいる木工所の従業員が、全員立ち上がり右手を高々と掲げ叫ぶ!!
それを見たいた大司教ヨハネスは後にこう語る。
あの日、従業員の中にはドクロの白いプリントが入った、全身黒いタイツを着ている者を見かけたと…。
こうしてアレン領でも新たに、組織が作られて行くのであった。
何の?
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
いつも応援頂いてありがとうございます。
この『イッ~~~!!』は特定の年齢の方に向けたネタです。
判らない方、ごめんなさい。
その際はスルーしてください!!
オルエッタさんには洗濯物を持参してもらい、俺とアルバンさんとアイザックさんは桶を抱え石鹼と洗濯板を何枚か持って歩く。
「これから何をされるのですか、エリアス様」
「まあ、見ていてください。アイザックさん」
そう言うと俺達は井戸に向かう。
井戸の周りでは水を汲む人や、汚れ物を桶に入れ踏んだり叩いたりして洗濯をしている人が居る。
俺達は桶に水を汲み石鹸をこする。
するとみるみる内に石鹼の泡が出る。
「さあさあ、皆様お立ち合い。今まで重労働だった洗濯も、これで簡単にできます」
周りの人達は興味深そうにそれを見ている。
「それは何だい?」
1人のおばさんが聞いてくる。
「これはエリアス商会経由で今度、販売する石鹼と言う物です」
「石鹼だって?」
「そうです。油汚れも落ちこの洗濯板を使えば、更に簡単に洗濯ができるんです」
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俺達は実際に洗濯を始める。
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じゃぶ、じゃぶ、じゃぶ、じゃぶ、じゃぶ、じゃぶ、じゃぶ、じゃぶ、
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ゴシ、ゴシ、ゴシ、ゴシ、ゴシ、 ゴシ、ゴシ、ゴシ、ゴシ、ゴシ、
ゴシ、ゴシ、ゴシ、ゴシ、ゴシ、 ゴシ、ゴシ、ゴシ、ゴシ、ゴシ、
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俺は従業員と持って来た石鹼と洗濯板を並べた。
娯楽の無い世界でだから、人がたくさん集まりすぐに売れてしまった。
実際に使っているところを見せて売る実演販売は成功だった。
その日から石鹼と洗濯板を買い求める人が、アバンス商会にやって来た。
この世界では洋服は何年も長く着る。
石鹼と洗濯板を使う事で生地の痛みも少なく、長く着れるならそれに越したことはないからだ。
アバンス商会のアイザックさんには自分達や従業員の服は、花のエキスを入れて作った石鹼で洗濯はするように言っておいた。
思った通りその香りが気に入り、貴婦人たちが自分達用に石鹼を購入していく。
石鹼と洗濯板作りをお願いしたシャルエル製作所は、新たに人を雇い商会はまた少しだけ大きくなった。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
時は少し遡る。
「ここがシャルエル木工所です、エリザ様」
洗濯板の製作を指示するために、木工所へ大司教ヨハネスとエルザは来ていた。
「まあ、色んな物を作っているのですね」
「えぇ、エリアス様から色々とお仕事を頂きまして。従業員も生活の不安から解き放たれ、明日の生活も不安に思うことなく暮らして行けます。これもエリアス様のおかげです」
「そうですか、さすがエリアス様です。それからヨハネス様、洗濯板に入れるエリアス商会のロゴですが、これに変更してください」
そう言うとエルザは大司教ヨハネスに、胸から獣皮紙を出して見せた。
「このロゴは…」
「今までのロゴは私達妻4人が背を合わせ全体を見渡しているロゴでした。これは私達がエリアス様から離れない関係であること。そして物事が表裏にあること示しています」
「そんな深い意味が…」
「そして私の独断にはなりますがセトラー国では、その思いを強く出すために私達妻4人が背を合わせたその下に、大きな鷲が世界を脚で掴み翼を広げているロゴを追加して彫ることにしています」
「ですが勝手に変えても良いものでしょうか?」
「大丈夫です。私が後からエリアス様に『ロゴを強調しておきますから』と伝えておきますから」
「それで良いのでしょうか?」
「これは経済を陰から支配し、人々を幸せに導くと言う意味です。この泡のように膨らんだ景気を、どこまで大きく出来るのか。それが私達の使命となるのです」
「それが使命ですか!!良い響きです。判りました。それに変更いたしましょう」」
「そうです。さあ、みなさん。経済をわが手に!人々を陰から支配し、世界を手に入れ人々を幸せにするのです!」
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それを見たいた大司教ヨハネスは後にこう語る。
あの日、従業員の中にはドクロの白いプリントが入った、全身黒いタイツを着ている者を見かけたと…。
こうしてアレン領でも新たに、組織が作られて行くのであった。
何の?
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いつも応援頂いてありがとうございます。
この『イッ~~~!!』は特定の年齢の方に向けたネタです。
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その際はスルーしてください!!
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