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第二章
64 名古屋
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お好み焼きで、お腹も満たされて、名残惜しいが大阪を離れる、電車に揺られ、今日は名古屋で一泊。
「名古屋って、素泊まりだよな?夕飯またコンビニで買う?」
「そうだね、朝食用も一緒に買おうか」
「パンでいっか」
「ひつまぶし、豚カツ、手羽先、きしめんなんかが有名だけど……」
「あんまりお腹すいてないんだよな」
「そうだね、粉ものは腹持ちが良いねぇ」
のんびり、電車に揺られながら、食べ物の心配。恵まれてるなと思う。好きな人と、健康で、安全で、ご飯が食べれて、旅行ができて。でも、今ある幸せがいつまでも続く訳じゃない。
いつか抗えない大きな渦に巻き込まれてしまうかもしれない。
平和な時はいつまでも平和なままとは限らない。
力をつけなきゃ、大切な人を守れる力を。葉月ちゃんは、大事にしなくていいと言うけど、葉月ちゃんを大事にしない人生なんて有り得ないのだから。
18時過ぎに名古屋に到着。夕暮れ時ということもあって、夜景をみようと、駅ビルの最上階展望デッキへ行ってみる事にした。
エスカレーターがシュンシュンとあっという間に40階を越えていく。
まるで未来に来たみたいな感覚に陥る。無機質なドアが開くとそこはもう、天界みたいな景色が広がっていた。
「うっわーー夕日が綺麗だ、凄い色、燃えてるみたいでなんか怖いな」
「本当だね……天国にいるみたいだ」
傍らには天使みたいな葉月ちゃんが居るし。
このまま沈んでいく太陽を、じっと見送って、その後現れる、キラキラ光る夜景をベンチに座ってみてた。
心細いような、寂しいような、切ないような煌めきを見つめていると、葉月がソワソワしだした。
「ちょ、鉄堅なんかここ……気まずいかも」
「え?」
気がつけば、周りはカップルばっかりになっていた。
「僕たちも恋人なのに」
「や、でもさ、人前では、ちょっと」
熟れたトマトみたいに顔を赤らめる葉月を可愛く思いながら、鉄堅は、葉月の柔らかい髪に触れた。
「葉月ちゃん、どうせ知らない人たちだよ」
「でも、はずいだろ、わ、あの人たちキスしてる」
小声で葉月が、鉄堅の耳に囁く。触れるような位置で葉月の声を聞いてしまえば、欲がでる。葉月の腕を引いてベンチから立たせて、少し移動。
鉄堅も葉月の耳元で囁いた。
「葉月ちゃん……僕たちもしようか」
「は?エッ」
はわはわと、焦りだした葉月を、鉄堅はサッと柱の影に隠し、閉じ込めるみたいな姿勢で、ちゅっと、触れるだけのキスをした。
もう一度と、思ったけど、葉月があまりにぎゅっと力を込めて目を閉じてるので、鉄堅は、そっと頬に触れた。
「やだった? 葉月ちゃん」
「だってこんなとこで」
「人前だから……」
人前だから、逆にそれ以上手を出せないのだけれど。部屋で二人っきりでキスなんかしてしまったら、歯止めがきかなくなる。
熟れた頬を撫でながら、鉄堅はそれ以上を望むのを諦めた。
「そろそろホテル行こっか」
「ホ、ホテル言うな、宿と言え、ばか」
真っ赤な顔で葉月は、登山者みたいなリュックを担いで、ロマンチックな夜景から逃げ出してしまった。
「名古屋って、素泊まりだよな?夕飯またコンビニで買う?」
「そうだね、朝食用も一緒に買おうか」
「パンでいっか」
「ひつまぶし、豚カツ、手羽先、きしめんなんかが有名だけど……」
「あんまりお腹すいてないんだよな」
「そうだね、粉ものは腹持ちが良いねぇ」
のんびり、電車に揺られながら、食べ物の心配。恵まれてるなと思う。好きな人と、健康で、安全で、ご飯が食べれて、旅行ができて。でも、今ある幸せがいつまでも続く訳じゃない。
いつか抗えない大きな渦に巻き込まれてしまうかもしれない。
平和な時はいつまでも平和なままとは限らない。
力をつけなきゃ、大切な人を守れる力を。葉月ちゃんは、大事にしなくていいと言うけど、葉月ちゃんを大事にしない人生なんて有り得ないのだから。
18時過ぎに名古屋に到着。夕暮れ時ということもあって、夜景をみようと、駅ビルの最上階展望デッキへ行ってみる事にした。
エスカレーターがシュンシュンとあっという間に40階を越えていく。
まるで未来に来たみたいな感覚に陥る。無機質なドアが開くとそこはもう、天界みたいな景色が広がっていた。
「うっわーー夕日が綺麗だ、凄い色、燃えてるみたいでなんか怖いな」
「本当だね……天国にいるみたいだ」
傍らには天使みたいな葉月ちゃんが居るし。
このまま沈んでいく太陽を、じっと見送って、その後現れる、キラキラ光る夜景をベンチに座ってみてた。
心細いような、寂しいような、切ないような煌めきを見つめていると、葉月がソワソワしだした。
「ちょ、鉄堅なんかここ……気まずいかも」
「え?」
気がつけば、周りはカップルばっかりになっていた。
「僕たちも恋人なのに」
「や、でもさ、人前では、ちょっと」
熟れたトマトみたいに顔を赤らめる葉月を可愛く思いながら、鉄堅は、葉月の柔らかい髪に触れた。
「葉月ちゃん、どうせ知らない人たちだよ」
「でも、はずいだろ、わ、あの人たちキスしてる」
小声で葉月が、鉄堅の耳に囁く。触れるような位置で葉月の声を聞いてしまえば、欲がでる。葉月の腕を引いてベンチから立たせて、少し移動。
鉄堅も葉月の耳元で囁いた。
「葉月ちゃん……僕たちもしようか」
「は?エッ」
はわはわと、焦りだした葉月を、鉄堅はサッと柱の影に隠し、閉じ込めるみたいな姿勢で、ちゅっと、触れるだけのキスをした。
もう一度と、思ったけど、葉月があまりにぎゅっと力を込めて目を閉じてるので、鉄堅は、そっと頬に触れた。
「やだった? 葉月ちゃん」
「だってこんなとこで」
「人前だから……」
人前だから、逆にそれ以上手を出せないのだけれど。部屋で二人っきりでキスなんかしてしまったら、歯止めがきかなくなる。
熟れた頬を撫でながら、鉄堅はそれ以上を望むのを諦めた。
「そろそろホテル行こっか」
「ホ、ホテル言うな、宿と言え、ばか」
真っ赤な顔で葉月は、登山者みたいなリュックを担いで、ロマンチックな夜景から逃げ出してしまった。
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