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第二章
番外編 ツガイになる日②
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鉄堅は、焼そばをそのまま食べる。葉月みたいにマヨネーズを後から、もりっとかけたりしない。
作り手の味を変えるのは失礼に感じるみたい、別に良いのに。
ソースとか、マヨネーズ、味薄かったらかけてと、言ったら、俺の作った味に、変に味を足すとか有り得ないみたいな顔する。めちゃ、嫌そうな顔なの。そんな拒否らんでも、マヨネーズうまいと思うけどね、とにかく、やなんだってさ。
てか、焼そばの味つけ自体、粉と水ふりかけるだけなのよ、誰が作ってもそんな味変わらないし……でもまぁ、目の前で、うまいうまいって食べられるの嬉しいんだよなぁ。
ただ、1本1本味わうのはどうかとおもうのよ、冷めるよ?
「なぁ、もっと麺をぐわっとつかんで一気に食べたら?」
「え?でも……葉月ちゃんが炒めたのだと思うと、ゆっくり1本を愛でて食べたくて」
「んな、ちまちま、冷めたら不味くなるじゃん」
「冷めても、凍ってても美味しいよ」
「……」
言ってるそばから、1本を箸でつまみじっと、見てからちゅるっと食べてる。んーーー解ってるけど言って良い?食べ方変。
間がもたず、テレビをつけた。なんとなく見てたら、新婚さんの話が始まった。
『私達、オメガとアルファなんです!』
『へぇ!!珍しいですね、もしかしてお二人は運命のツガイですか?』
『はい、出会った瞬間に解りました、この人だって。だからその日のうちに、ツガイになったんです』
『それは運命的ですね!!』
その日の内に?へぇーーと、脳内で感心する。その日の内って、鉄堅と俺が出会ったのは赤ちゃんの時だしな……さすがに、その日の内には無理だったけどさ。
(あれ?俺達、結婚したことに満足してたけどツガイになってないじゃん!!)
え?鉄堅は、どう思ってるんだ?チラリと目の前の、鉄堅を見ると、やはりまだうっとりした顔で麺をみつめて食べてる。全然減ってないんだが。
「なぁ」
「え?」
「俺達、ツガイになってないじゃん……ならないの?」
「エッ!」
鉄堅がぽろりと、麺を落とす。早く食わないから。
「つ、ツガウのは、えっと、僕が就職してからと考えてた」
「何で?」
「な、何でって、だって、身体に異変がでたら大変だし、オメガのフェロモンについてはまだ学術的に解明されてないことが多くて、ツガイになるという行為は、オメガにとって身体の負担が大きくて……」
「でも、みんな、ツガイになってるじゃん」
「そ、そうなんだけど」
鉄堅の目の中に渦巻きが見えるくらい、猛スピードで頭のなかで混乱してるなと、見てとれる。
「まぁ、お前がツガイたくないなら、別に良いけど」
「ふぁっ! ツガイたいに決まってるよ! それは僕の夢みたいなものだし……あの、でも」
「じゃ、今晩やろ、そして早く食え」
「!!!!!」
葉月の命令に忠実に動くロボットのように、鉄堅は麺を口に含んで勢いよく食べた。完全に混乱状態に陥っている。
◆◇◆
焼そばを無事食べ終わった鉄堅は、深刻そうな顔をした。
「あの、葉月ちゃん……今日って言っても、その、発情期じゃないと首を噛んでもうまくいかないかもなんだけど、中途半端にすると葉月ちゃんが痛いだけだから、発情期にした方が良いと思うのだけど、葉月ちゃんの発情期まだもうちょっと先だよね」
「あーー、そっか、って、お前……俺の発情期の周期まで覚えてるのか?俺ですらそんなのだいたいでしか解らんのに」
「そ、そりゃ、もちろん!」
何がもちろんだ……え、普通なの?女性でいうところの、生理の周期を把握されてるようなものなんだが。う、うーん、まぁ、良いけどさぁ。俺の発情期は3ヶ月に一回、オメガにしては軽い方だ。だから普段は薬飲んでやり過ごしてるけど、まぁ、匂いで鉄堅にはばれてるのか。
複雑な気持ちになりつつ、葉月は、次の発情期っていつぐらいだっけ? と、壁にかけてあるカレンダーを見た。すかさず、鉄堅が口を出す。
「たぶん一週間後くらいだよ」
いやもう、正確に言い当ててくるなよ。恐ろしいやつだな。
「……あ、そう、じゃ、そんくらいに」
「う、うん、じゃ動画とか資料とかみて勉強しとく」
「は?」
「え?」
「動画ってなんだよ」
「や、やりかたとか……失敗したくないし」
「そういうのやだっ! 見るな」
「ええっ……そんな、僕、初めてだし、葉月ちゃんになるべく負担かけたくないし」
初めてなのは、当たり前だろ!初めてじゃなかったら、即離婚だわ。
「人のまねで、ツガウのやだ」
「まねっ! や、そういう訳じゃ……う、わ、解りました」
物凄く青ざめて、鉄堅はうなずいた。こいつ、データを集められないと死ぬ病気かなんかにかかってるのか?そんな、思い詰めなくても、失敗したって別に良いじゃん、お互いに初めてなんだし。
「絶対見るなよ」
「はぃ……」
アルファなんだから、本能的にできると思うけど、何でそんなに自信ないんだよーー俺まで不安になってくるわ。かといって、動画見てやるとか絶対やだし。だって、そんなのなんか違うじゃん、こういうのは、気持ちでするものじゃん。
鉄堅がやりたいようにやれば良いと思うんだよ、その方が俺も嬉しいし。
しかしながら、青ざめたまま、鉄堅はふらふらと、葉月の食べ終わった食器と、自分の食器をもち、台所へ歩いていった。流しから、食器を洗う音が聞こえるが、時々、ガシャンってなってる。動揺しすぎだろ。
作り手の味を変えるのは失礼に感じるみたい、別に良いのに。
ソースとか、マヨネーズ、味薄かったらかけてと、言ったら、俺の作った味に、変に味を足すとか有り得ないみたいな顔する。めちゃ、嫌そうな顔なの。そんな拒否らんでも、マヨネーズうまいと思うけどね、とにかく、やなんだってさ。
てか、焼そばの味つけ自体、粉と水ふりかけるだけなのよ、誰が作ってもそんな味変わらないし……でもまぁ、目の前で、うまいうまいって食べられるの嬉しいんだよなぁ。
ただ、1本1本味わうのはどうかとおもうのよ、冷めるよ?
「なぁ、もっと麺をぐわっとつかんで一気に食べたら?」
「え?でも……葉月ちゃんが炒めたのだと思うと、ゆっくり1本を愛でて食べたくて」
「んな、ちまちま、冷めたら不味くなるじゃん」
「冷めても、凍ってても美味しいよ」
「……」
言ってるそばから、1本を箸でつまみじっと、見てからちゅるっと食べてる。んーーー解ってるけど言って良い?食べ方変。
間がもたず、テレビをつけた。なんとなく見てたら、新婚さんの話が始まった。
『私達、オメガとアルファなんです!』
『へぇ!!珍しいですね、もしかしてお二人は運命のツガイですか?』
『はい、出会った瞬間に解りました、この人だって。だからその日のうちに、ツガイになったんです』
『それは運命的ですね!!』
その日の内に?へぇーーと、脳内で感心する。その日の内って、鉄堅と俺が出会ったのは赤ちゃんの時だしな……さすがに、その日の内には無理だったけどさ。
(あれ?俺達、結婚したことに満足してたけどツガイになってないじゃん!!)
え?鉄堅は、どう思ってるんだ?チラリと目の前の、鉄堅を見ると、やはりまだうっとりした顔で麺をみつめて食べてる。全然減ってないんだが。
「なぁ」
「え?」
「俺達、ツガイになってないじゃん……ならないの?」
「エッ!」
鉄堅がぽろりと、麺を落とす。早く食わないから。
「つ、ツガウのは、えっと、僕が就職してからと考えてた」
「何で?」
「な、何でって、だって、身体に異変がでたら大変だし、オメガのフェロモンについてはまだ学術的に解明されてないことが多くて、ツガイになるという行為は、オメガにとって身体の負担が大きくて……」
「でも、みんな、ツガイになってるじゃん」
「そ、そうなんだけど」
鉄堅の目の中に渦巻きが見えるくらい、猛スピードで頭のなかで混乱してるなと、見てとれる。
「まぁ、お前がツガイたくないなら、別に良いけど」
「ふぁっ! ツガイたいに決まってるよ! それは僕の夢みたいなものだし……あの、でも」
「じゃ、今晩やろ、そして早く食え」
「!!!!!」
葉月の命令に忠実に動くロボットのように、鉄堅は麺を口に含んで勢いよく食べた。完全に混乱状態に陥っている。
◆◇◆
焼そばを無事食べ終わった鉄堅は、深刻そうな顔をした。
「あの、葉月ちゃん……今日って言っても、その、発情期じゃないと首を噛んでもうまくいかないかもなんだけど、中途半端にすると葉月ちゃんが痛いだけだから、発情期にした方が良いと思うのだけど、葉月ちゃんの発情期まだもうちょっと先だよね」
「あーー、そっか、って、お前……俺の発情期の周期まで覚えてるのか?俺ですらそんなのだいたいでしか解らんのに」
「そ、そりゃ、もちろん!」
何がもちろんだ……え、普通なの?女性でいうところの、生理の周期を把握されてるようなものなんだが。う、うーん、まぁ、良いけどさぁ。俺の発情期は3ヶ月に一回、オメガにしては軽い方だ。だから普段は薬飲んでやり過ごしてるけど、まぁ、匂いで鉄堅にはばれてるのか。
複雑な気持ちになりつつ、葉月は、次の発情期っていつぐらいだっけ? と、壁にかけてあるカレンダーを見た。すかさず、鉄堅が口を出す。
「たぶん一週間後くらいだよ」
いやもう、正確に言い当ててくるなよ。恐ろしいやつだな。
「……あ、そう、じゃ、そんくらいに」
「う、うん、じゃ動画とか資料とかみて勉強しとく」
「は?」
「え?」
「動画ってなんだよ」
「や、やりかたとか……失敗したくないし」
「そういうのやだっ! 見るな」
「ええっ……そんな、僕、初めてだし、葉月ちゃんになるべく負担かけたくないし」
初めてなのは、当たり前だろ!初めてじゃなかったら、即離婚だわ。
「人のまねで、ツガウのやだ」
「まねっ! や、そういう訳じゃ……う、わ、解りました」
物凄く青ざめて、鉄堅はうなずいた。こいつ、データを集められないと死ぬ病気かなんかにかかってるのか?そんな、思い詰めなくても、失敗したって別に良いじゃん、お互いに初めてなんだし。
「絶対見るなよ」
「はぃ……」
アルファなんだから、本能的にできると思うけど、何でそんなに自信ないんだよーー俺まで不安になってくるわ。かといって、動画見てやるとか絶対やだし。だって、そんなのなんか違うじゃん、こういうのは、気持ちでするものじゃん。
鉄堅がやりたいようにやれば良いと思うんだよ、その方が俺も嬉しいし。
しかしながら、青ざめたまま、鉄堅はふらふらと、葉月の食べ終わった食器と、自分の食器をもち、台所へ歩いていった。流しから、食器を洗う音が聞こえるが、時々、ガシャンってなってる。動揺しすぎだろ。
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