悪役令嬢に転生したみたいですが、せっかく金だけはあるんだからやりたい放題やっちゃおう!

下菊みこと

文字の大きさ
1 / 1

悪役令嬢、第二の人生をエンジョイする

しおりを挟む
大人気漫画、「ハピラブ」。これを読んでの感想は一つ。

「悪役令嬢、婚約者の浮気相手を虐めたりしないで、とっとと浮気した婚約者を捨てて慰謝料ふんだくればいいのに」

元も子もない。でも、婚約者のいる相手と恋愛ごっこを繰り広げるヒロイン(笑)には感情移入できないし、本当にこの感想に尽きるのだ。

余命三ヶ月。可愛い孫が貸してくれた大人気漫画は、私の好みではなかったが孫の気持ちは嬉しい。大好きな夫は毎日会いにきてくれるし、息子も娘達も暇を見つけては見舞いに来る。孫達は学校帰りに必ず病院に寄ってくれるし、なかなか良い最期じゃないか。

なんだか今日はとても眠い。そろそろ迎えが来るのかな。唯一の心残りは、夫を置いて先に逝くこと。不器用な人だから、ちょっと心配。でも、息子も娘達もあの人を理解しているから大丈夫か。孫達はあれで結構懐いてるしね。

そうして微睡むように意識を失って。

気付いたら、ハピラブの悪役令嬢ベアトリス・コルベールに転生していました。

「何故このタイミングで前世の記憶を思い出したのか…しかも、なんだか前世の記憶に引っ張られてベアトリスとしての意識は薄いし…それでも、ベアトリスとして生きてきた記憶と知識があるのは有り難いけど…」

こんなおばあちゃんを悪役令嬢にしてどうしろっていうんだ、神さま。

「とりあえず…状況確認」

ベアトリスとしての記憶によると、既に婚約者ノーマンとヒロインユリアはラブラブ。お互いに好き合ってるけど、結ばれてはいけないの…みたいな空気に酔ってるらしい。

ベアトリスは幸いまだ行動を起こしていない。まだ虐めてないのはとても良き。これから…明日の朝から虐める予定だったけど。危なかった!

ノーマンとユリアの浮気の証拠は一応持ってる状態。探偵的な人に頼んだ覚えがある。

「…つまり、この証拠を元に慰謝料をふんだくってこっちから婚約破棄出来る!」

おばあちゃん、頑張っちゃうぞ!

ということで朝、ノーマンとユリアの浮気の証拠を持って忙しいお父様の元へ突撃する。

「お父様!こういうことなのでノーマンから慰謝料ふんだくって婚約破棄お願いします!」

「なんだ藪から棒に…平民と浮気!?学生の分際で!?あのガキ、政略結婚をなんだと思っていやがる!?」

「お父様、今こそ決断の時です!」

「…わかった。たっぷりふんだくってやる。きちんと証拠を抑えたご褒美に、ふんだくった慰謝料の半分をお前のポケットマネーにくれてやるから、好きに使え。もう半分は我が家の資産にするがな」

「はーい!お父様大好きー!」

「お前そういうキャラじゃないだろ。まったく…あんまり無理するな。あとはお父様に任せて寝てろ。学園も休んで良い。こんな浮気を許すような学園なら、行く意味ないしな」

お父様はなんだかんだで甘い。ベアトリスの記憶の中のお父様そのものだ。有り難や有り難や。

ということでお父様に任せていたらあっという間に大金をゲットした。半分でこんなにもらえるって、お父様の懐にも同じだけ入ったんだよね?改めて貴族怖い。金銭感覚狂うよ。

ちなみにノーマンは廃嫡されたらしい。無一文で追い出されたと聞いた。彼の家は優秀な弟が家を継ぐので、しばらくは醜聞のせいで色々きついがむしろ将来を考えればこれで良かったらしい。ノーマンは漫画のヒーロー役だけあって能力は高かったけど、それは学業の成績であって侯爵家を継ぐにはちょっと頭が足りないところがあったようだ。まあ、浮気するくらいだしね。

ユリアは平民のくせに特待生制度で入った学園で貴族の子息を誘惑したと、ノーマンの実家から訴えられて多額の賠償金を請求されている。このままだと娼婦に身を落とすしかないらしい。肉親がいないのは救いかな。肉親がいたらそちらにまで責が及ぶし。孤児院は既に出ているから、そっちには迷惑行かないらしいし。

ちなみにこの騒動で優秀だがお金のない平民のための特待生制度はなくなるらしい。まあそうなるよね。未来ある若者たちは可哀想だけど。

「さて、慰謝料を使って何しようかなっと」

家は兄が継ぐし、私は政略結婚の予定が無くなったし、なんだかんだで私に甘い家族ばかりだから私の好きに生きて文句は言われないだろう。

「…うん、イケメンに囲まれた逆ハーレムを作っちゃおう!」

おばあちゃん、実は若い頃そういう系に憧れていた!チャンス!

ということで、領内の別荘をお父様に譲って貰ってそっちで暮らすことにした。名目は傷心したから慰安目的。さすがに本邸で逆ハーレムやったら潔癖症のお兄様に怒られる。

そして、別荘はいつでも使える状態で管理してあったので移り住むには問題ないし生活費は慰謝料から出せるとして。

逆ハーレムをどうやって形成するかが重要。私を崇め奉るようにしたい。

「イケメンの欠損奴隷を掻き集めればいいか!」

欠損奴隷を買えば安いし、イケメンなら最高だし、特級ポーションを買えば欠損や奴隷印なんて幾らでも治せるし。

「よし、別荘に行ったら至急奴隷商を呼ぶか!」

ということで、私の薔薇色の人生が幕を開けた。

「ベアトリス様、マッサージは気持ちいいですか?」

「ええ、極上だわ」

「ベアトリス様、こちらのドレスが大変お似合いだと思いますが」

「ええ、今日はそれを着るわ」

「ベアトリス様、お茶をお淹れしました」

「貴方の淹れるお茶はいつも格別だわ」

右を見ても左を見てもイケメンばかり。それも私への忠誠心の高い最高の元奴隷達。今はふつうに使用人として雇っているけれどね。

「幸せだわー」

彼らの目を見れば敬愛されているのがわかるし、何故か欠損奴隷を解放した聖女として領民達の間での評判も上がっているし、貴族社会でもノブレスオブリージュを貫いたと有名になったし。逆ハーレムの恩恵が凄い。

「ベアトリス様、お茶菓子をお持ちしました」

「カイル!貴方はもう私の婚約者なのよ、使用人の真似事はしなくていいわ!」

「トリスに尽くすのも好きなんだよ。いいだろう?」

「だーめ!」

そして、逆ハーレムを形成するために片っ端から買った奴隷の中に前世の夫そっくりの人を見つけた。というか、多分転生した本人だ。だって話し方までそっくりだもの。なので、即刻欠損と奴隷印を特級ポーションで回復して奴隷の身分から解放して、理解のある親戚の元へ養子に出して婚約者にしてしまった。強引だとは自分でも思ったけど、割と周りの人達は受け入れてくれた。

逆ハーレムは楽しい。でも、カイルといるのはもっと楽しい。今世もそのうち、子供や孫に囲まれて幸せなエンディングを迎えるんだろう。だから、今度は女性の欠損奴隷を買って特級ポーションを与えて、逆ハーレムはおしまいにしようと思う。ただしカイルを取られないように、あんまり美人は選ばないようにしようとも思うけれど。
しおりを挟む
感想 2

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(2件)

楓
2022.12.13

つまり元旦那も美形?前世でも美形をゲットしてたって事(゚⁠ο゚⁠人⁠)⁠)?

2022.12.13 下菊みこと

感想ありがとうございます。そうですね!

解除
penpen
2022.11.01 penpen

元奴隷同士で結婚しそう(* ̄ლ ̄)プッ

2022.11.01 下菊みこと

感想ありがとうございます。そうですね。

解除

あなたにおすすめの小説

この離婚は契約違反です【一話完結】

鏑木 うりこ
恋愛
突然離婚を言い渡されたディーネは静かに消えるのでした。

【短編完結】記憶なしで婚約破棄、常識的にざまあです。だってそれまずいって

鏑木 うりこ
恋愛
お慕いしておりましたのにーーー  残った記憶は強烈な悲しみだけだったけれど、私が目を開けると婚約破棄の真っ最中?! 待って待って何にも分からない!目の前の人の顔も名前も、私の腕をつかみ上げている人のことも!  うわーーうわーーどうしたらいいんだ!  メンタルつよつよ女子がふわ~り、さっくりかる~い感じの婚約破棄でざまぁしてしまった。でもメンタルつよつよなので、ザクザク切り捨てて行きます!

【短編完結】妹は私から全てを奪ってゆくのです

鏑木 うりこ
恋愛
お姉様、ねえそれちょうだい?    お人形のように美しい妹のロクサーヌは私から全てを奪って行く。お父様もお母様も、そして婚約者のデイビッド様まで。  全て奪われた私は、とうとう捨てられてしまいます。  そして、異変は始まるーーー。 (´・ω・`)どうしてこうなった? 普通のざまぁを書いていたらなんか違う物になり困惑を隠し切れません。

【完結】私の馬鹿な妹~婚約破棄を叫ばれた令嬢ですが、どうも一味違うようですわ~

鏑木 うりこ
恋愛
 エリーゼ・カタリナ公爵令嬢は6歳の頃からこの国の王太子レオールと婚約をしていた。 「エリーゼ・カタリナ!お前との婚約を破棄し、代わりに妹のカレッタ・カタリナと新たに婚約を結ぶ!」  そう宣言されるも、どうもこの婚約破棄劇、裏がありまして……。 ☆ゆるっとゆるいショートになります( *´艸`)ぷくー ☆ご都合主義なので( *´艸`)ぷくーと笑ってもらえたら嬉しいなと思います。 ☆勢いで書きました( *´艸`)ぷくー ☆8000字程度で終わりますので、日曜日の暇でも潰れたら幸いです( *´艸`)

【短編完結】婚約破棄ですか?了承致いたしますが確認です婚約者様

鏑木 うりこ
恋愛
 マリア・ライナス!お前との婚約を破棄して、私はこのリーリエ・カント男爵令嬢と婚約する事にする!  わたくしの婚約者であるサルトル様が声高に叫びました。  なるほど分かりましたが、状況を良く確認させていただきましょうか?   あとからやはりなかった、間違いだったなどと言われてはたまったものではございませんからね?  シーン書き2作目です(*'ω'*)楽しい。

【短編完結】地味眼鏡令嬢はとっても普通にざまぁする。

鏑木 うりこ
恋愛
 クリスティア・ノッカー!お前のようなブスは侯爵家に相応しくない!お前との婚約は破棄させてもらう!  茶色の長い髪をお下げに編んだ私、クリスティアは瓶底メガネをクイっと上げて了承致しました。  ええ、良いですよ。ただ、私の物は私の物。そこら辺はきちんとさせていただきますね?    (´・ω・`)普通……。 でも書いたから見てくれたらとても嬉しいです。次はもっと特徴だしたの書きたいです。

【完結】義家族に婚約者も、家も奪われたけれど幸せになります〜義妹達は華麗に笑う

鏑木 うりこ
恋愛
お姉様、お姉様の婚約者、私にくださらない?地味なお姉様より私の方がお似合いですもの! お姉様、お姉様のお家。私にくださらない?お姉様に伯爵家の当主なんて務まらないわ  お母様が亡くなって喪も明けないうちにやってきた新しいお義母様には私より一つしか違わない双子の姉妹を連れて来られました。  とても美しい姉妹ですが、私はお義母様と義妹達に辛く当たられてしまうのです。  この話は特殊な形で進んで行きます。表(ベアトリス視点が多い)と裏(義母・義妹視点が多い)が入り乱れますので、混乱したら申し訳ないですが、書いていてとても楽しかったです。

【完結】婚約破棄される未来見えてるので最初から婚約しないルートを選びます

22時完結
恋愛
レイリーナ・フォン・アーデルバルトは、美しく品格高い公爵令嬢。しかし、彼女はこの世界が乙女ゲームの世界であり、自分がその悪役令嬢であることを知っている。ある日、夢で見た記憶が現実となり、レイリーナとしての人生が始まる。彼女の使命は、悲惨な結末を避けて幸せを掴むこと。 エドウィン王子との婚約を避けるため、レイリーナは彼との接触を避けようとするが、彼の深い愛情に次第に心を開いていく。エドウィン王子から婚約を申し込まれるも、レイリーナは即答を避け、未来を築くために時間を求める。 悪役令嬢としての運命を変えるため、レイリーナはエドウィンとの関係を慎重に築きながら、新しい道を模索する。運命を超えて真実の愛を掴むため、彼女は一人の女性として成長し、幸せな未来を目指して歩み続ける。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。