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◇ ◇ ◇
それからの四人は、思い思いにこの夏祭りを楽しめていた。
行きたい出店もあちこち楽しんだ。
洋平と美咲のいがみ合いも、この時ばかりはナリを潜めていたのか、この夏祭り独特の高揚感にカモフラージュされているみたいだった。
悪ノリによってバチバチに戦っていた射的ゲームは、不条理にも洋平が負けるという結果に終わっていた。(※敗因はもちろん、夏弥のポイント譲渡行為によるもの)
以降洋平は、秋乃の「あ! あれめっちゃ美味しそう!」なんて無邪気な言葉にビクビクしていたわけだけれど、それを見て夏弥も「あ~、どうせなら三日分くらいまとめて買ってもいいかもなぁ~」なんて、さらなる悪ノリを披露したりしていた。
ところで、夏祭りの夜は花火こそ主役格だ。
割とこれは常識として通じるところがあって、あらゆる夏祭りは最終的に花火を打ち上げることで締めくくろうとしたりする。
これは三條の夏祭りも例外じゃなかった。
花火が終わってしまうと、それを観るために遠方からはるばるやってきていたお客さん達は、まるで蜘蛛の子を散らしたように帰ってしまう。
その引き潮は地元住民達をも巻き込んでしまって、ピーク時のにぎわいから体感五割のお客さんが差っ引かれるような事態を生むのである。
「だいぶ、人減ってきたな」と、夏弥はそんな現状に感想を述べていた。
「だなぁ~。ま、花火が終わればこんなもんよ。確か去年もこういう流れだったし」
「あ、そうか。洋平は去年も夏祭りに来てたんだっけ」
「そうそう。ま、彼女とだったけどなぁ~」
周囲が帰路に着きはじめる中、夏弥と洋平はそんな会話をしていた。
洋平はいつものごとく、アオハル☆ストーリーの片鱗をいやらしくもチラつかせていた。ただ、夏弥にはそれほどダメージがなかった。
美咲と手を繋いでいた先の一件で、精神的に強くなってきているのかもしれない。
近くにいた秋乃は、地元名物『ぽっぽ焼き』なる細長い黒糖の菓子パンをはむっとひと口食べる。
それから、すぐ隣に立っていた美咲に話し掛ける。
「ねぇねぇ、美咲ちゃん。たこ焼き食べない?」
「ん、いいかもね。……てか、秋乃が食べたいだけじゃん?」
「……バ、バレてるっ!」
「ふふっ。でもいいよ。あたしも食べたい気分だし」
「おっけー。それじゃ、はい洋平! おカネ!」
「うっ……おカネ……だと?」
美咲の同意を得て、秋乃は意気揚々と洋平に手のひらを差し出す。
それは夏弥ですらあまり見たことのない満面の笑み。
「た、たこ焼きっていくら? 六百円だっけ?」
その笑顔を前にして、洋平は渋々と財布を取り出す。
なんだかんだでお金を出してくれる所は良きお兄ちゃんである。
「そうそう~六百円。というか、お祭りのたこ焼きって、サイズでっかいし、ふにゃっとしてて好きなんだよねぇ~」
「秋乃って、たこ焼きは柔らかいほうが好きなの? あたしは断然銀だ〇みたいなカリッとしてる方が好きなんだけど」
「あ~、わかるっ。それもわかるよっ? けどさ、けどさ! ふにゃふにゃのたこ焼きって、やる気出ない系のアイドルみたいで可愛くない?」
「ぷふっ。それってどういうアイドルなの?」
秋乃の話す内容がそこそこぶっ飛んでいて、美咲は思わず笑ってしまう。
やる気出ない系のアイドル。
……おそらくこの情報だけを聞いてキャラクターがパッと脳内に浮かぶ人は、秋乃と気が合うに違いない。
また、逆に浮かばない人は美咲と気が合うのかもしれない。
洋平からお金を受け取った秋乃は、美咲と連れ立ってたこ焼き屋へと向かっていった。
そして、妹達二人がたこ焼きを買ったところで、今回は終わりにしようという話になった。
夏祭りも良い具合に人が減って、むしろどこか寂しさすらその場に漂っているような気がする。
わたあめ屋の店主が向こうの方で店じまいなんかを始めている辺り、もうある程度見切りをつける店も出てきたということだろう。
三條市の中央商店街から離れ、駅もスルーしていく。
徐々に道を歩く人の影も、片手で数えられるくらいになり。
やがて四人は、二つのアパートへ分岐する十字路へと差し掛かったのだった。
「じゃあね、美咲ちゃーん」
「うん。またね、秋乃」
遠ざかりながら手を振る秋乃に向けて、美咲は手を振り返してあげた。
ただ、秋乃よりもちょっぴり手の振りが控えめなのは、二人の性格の違いだろう。
「夏弥もまたなー」
「おー、またそのうちな」
こちらも同様。
洋平の手に対して、夏弥はやや控え気味に応えてあげた。
夏弥は美咲と。洋平は秋乃と帰る。
変わらない組み合わせのまま、解散した。
どちらとも、今の交換生活については触れなかった。
四人のうち、誰か一人くらいはその話に触れても良さそうなものだったけれど、あえて誰も触れなかったらしい。
「じゃあ、帰るか」
「うん……帰ろ」
洋平達の小さくなった背中をひとしきり眺めたあと、夏弥はぼそっとつぶやく。
その声に美咲もまた、呼応するようにつぶやいて。
彼女の手には、ビニール袋がさげられていた。
そこにはたこ焼き四つ入りのパックが入っている。
「そういえばたこ焼き、秋乃と分けたんだ?」
「え? うん。お店の人が、家で食べるなら分けてあげるって言ってきて。トレーももうひとつ出してくれて」
「へぇ。……いいお店の人だね」
「うん。夏弥さんもたこ焼き食べる?」
歩き出しながら、美咲が問いかけてくる。
「そうだなぁ。食べたいかも」
先を歩く美咲に答えながら、夏弥もまた歩き出す。
夜の街は、ずっとずっと静かだった。
あのお祭りの空気から離れてしまうと、こんなにも静かなのか。
夏弥がそう感じていたのは、あの時よりだいぶ美咲の声がはっきりと聞こえてくるような、そんな気がしたからだった。
否。「気がしたから」などという「気のせい」だけの問題じゃない。
これから鈴川家201号室に帰って過ごす夜が、あの会話のせいで行方知れずになってしまっていたからだ。
だから、神経が鋭くなる。
美咲のその聞き心地のいいスッキリしてる声とか、仕草とか。
ちょっと夜風に揺れるあのショートボブとか。
そういう彼女にまつわる些細なことに、神経がいってしまうのだ。
「今日。……今日なんだけど」
「え、なに?」
夏弥の声に、美咲はゆっくりと振り返った。
振り返る美咲は、やっぱりあの洋平の妹らしく凛としていて綺麗な顔をしている。
「その…………なんていうか」
今日、夏弥は自分の気持ちに答えを出したつもりだ。
加えて、美咲も美咲なりに応えてくれた。
ならその先は、ただその気持ちを確かめ合うだけでいい。
本当にそれだけのことだ。
「……」
それでも、こんな言葉を口にするのは、夏弥にとってものすごくハードルが高くて。
言ってしまえば、美咲に引かれたりするんじゃないか。
もしくは、幼馴染だし妹みたいなもんだって言っていた今までの自分に、後ろ指をさされるんじゃないか。
こうした色んな葛藤があって。
「ね。夏弥さん」
しかし、そんな一杯一杯だった夏弥に、美咲は優しく声をかけてきたのだった。
「……」
「大丈夫だよ?」
「大丈夫……って……?」
「きっと今、夏弥さんはあたしに何か言いたいことがあるんでしょ?」
「ま、まぁ……そうだな」
「それを聞いても、たぶん今のあたしは大丈夫。夏弥さんのこと、軽蔑したりとか、毛嫌いしたりなんてしないと思うから。……だから、どんなことでも大丈夫」
諭すような美咲の口調のおかげか、ゆっくりと夏弥のなかで余裕が生まれていく。力が、ふっと抜けていく。
おそらく、本当に「どんなこと」でも大丈夫なわけじゃない。
これは美咲の虚勢だ。でもこんな優しい虚勢は、夏弥も聞いたことがなかった。
「美咲がそう言ってくれるなら。言ってもいいのかもしれないな……」
「……それで、なんだったの? 言いかけておいて気になるじゃん」
夏弥のもとへ、美咲はゆっくりと歩み寄る。
彼女が近づいてくる前に、夏弥はもう言ってしまおうと思った。
一歩近づかれるたび、せっつかれてるような気がしたからかもしれない。
それは、美咲が口にした「一緒に寝てくれない?」の解。またはプラスの話で。
「て、提案なんだ。しかもこれ、ズルいタイプの提案じゃなくて」
「うん」
「今日……。一緒に寝るなら、俺は美咲の部屋で寝てみたいんだけど…………ダメですか……?」
「!」
それからの四人は、思い思いにこの夏祭りを楽しめていた。
行きたい出店もあちこち楽しんだ。
洋平と美咲のいがみ合いも、この時ばかりはナリを潜めていたのか、この夏祭り独特の高揚感にカモフラージュされているみたいだった。
悪ノリによってバチバチに戦っていた射的ゲームは、不条理にも洋平が負けるという結果に終わっていた。(※敗因はもちろん、夏弥のポイント譲渡行為によるもの)
以降洋平は、秋乃の「あ! あれめっちゃ美味しそう!」なんて無邪気な言葉にビクビクしていたわけだけれど、それを見て夏弥も「あ~、どうせなら三日分くらいまとめて買ってもいいかもなぁ~」なんて、さらなる悪ノリを披露したりしていた。
ところで、夏祭りの夜は花火こそ主役格だ。
割とこれは常識として通じるところがあって、あらゆる夏祭りは最終的に花火を打ち上げることで締めくくろうとしたりする。
これは三條の夏祭りも例外じゃなかった。
花火が終わってしまうと、それを観るために遠方からはるばるやってきていたお客さん達は、まるで蜘蛛の子を散らしたように帰ってしまう。
その引き潮は地元住民達をも巻き込んでしまって、ピーク時のにぎわいから体感五割のお客さんが差っ引かれるような事態を生むのである。
「だいぶ、人減ってきたな」と、夏弥はそんな現状に感想を述べていた。
「だなぁ~。ま、花火が終わればこんなもんよ。確か去年もこういう流れだったし」
「あ、そうか。洋平は去年も夏祭りに来てたんだっけ」
「そうそう。ま、彼女とだったけどなぁ~」
周囲が帰路に着きはじめる中、夏弥と洋平はそんな会話をしていた。
洋平はいつものごとく、アオハル☆ストーリーの片鱗をいやらしくもチラつかせていた。ただ、夏弥にはそれほどダメージがなかった。
美咲と手を繋いでいた先の一件で、精神的に強くなってきているのかもしれない。
近くにいた秋乃は、地元名物『ぽっぽ焼き』なる細長い黒糖の菓子パンをはむっとひと口食べる。
それから、すぐ隣に立っていた美咲に話し掛ける。
「ねぇねぇ、美咲ちゃん。たこ焼き食べない?」
「ん、いいかもね。……てか、秋乃が食べたいだけじゃん?」
「……バ、バレてるっ!」
「ふふっ。でもいいよ。あたしも食べたい気分だし」
「おっけー。それじゃ、はい洋平! おカネ!」
「うっ……おカネ……だと?」
美咲の同意を得て、秋乃は意気揚々と洋平に手のひらを差し出す。
それは夏弥ですらあまり見たことのない満面の笑み。
「た、たこ焼きっていくら? 六百円だっけ?」
その笑顔を前にして、洋平は渋々と財布を取り出す。
なんだかんだでお金を出してくれる所は良きお兄ちゃんである。
「そうそう~六百円。というか、お祭りのたこ焼きって、サイズでっかいし、ふにゃっとしてて好きなんだよねぇ~」
「秋乃って、たこ焼きは柔らかいほうが好きなの? あたしは断然銀だ〇みたいなカリッとしてる方が好きなんだけど」
「あ~、わかるっ。それもわかるよっ? けどさ、けどさ! ふにゃふにゃのたこ焼きって、やる気出ない系のアイドルみたいで可愛くない?」
「ぷふっ。それってどういうアイドルなの?」
秋乃の話す内容がそこそこぶっ飛んでいて、美咲は思わず笑ってしまう。
やる気出ない系のアイドル。
……おそらくこの情報だけを聞いてキャラクターがパッと脳内に浮かぶ人は、秋乃と気が合うに違いない。
また、逆に浮かばない人は美咲と気が合うのかもしれない。
洋平からお金を受け取った秋乃は、美咲と連れ立ってたこ焼き屋へと向かっていった。
そして、妹達二人がたこ焼きを買ったところで、今回は終わりにしようという話になった。
夏祭りも良い具合に人が減って、むしろどこか寂しさすらその場に漂っているような気がする。
わたあめ屋の店主が向こうの方で店じまいなんかを始めている辺り、もうある程度見切りをつける店も出てきたということだろう。
三條市の中央商店街から離れ、駅もスルーしていく。
徐々に道を歩く人の影も、片手で数えられるくらいになり。
やがて四人は、二つのアパートへ分岐する十字路へと差し掛かったのだった。
「じゃあね、美咲ちゃーん」
「うん。またね、秋乃」
遠ざかりながら手を振る秋乃に向けて、美咲は手を振り返してあげた。
ただ、秋乃よりもちょっぴり手の振りが控えめなのは、二人の性格の違いだろう。
「夏弥もまたなー」
「おー、またそのうちな」
こちらも同様。
洋平の手に対して、夏弥はやや控え気味に応えてあげた。
夏弥は美咲と。洋平は秋乃と帰る。
変わらない組み合わせのまま、解散した。
どちらとも、今の交換生活については触れなかった。
四人のうち、誰か一人くらいはその話に触れても良さそうなものだったけれど、あえて誰も触れなかったらしい。
「じゃあ、帰るか」
「うん……帰ろ」
洋平達の小さくなった背中をひとしきり眺めたあと、夏弥はぼそっとつぶやく。
その声に美咲もまた、呼応するようにつぶやいて。
彼女の手には、ビニール袋がさげられていた。
そこにはたこ焼き四つ入りのパックが入っている。
「そういえばたこ焼き、秋乃と分けたんだ?」
「え? うん。お店の人が、家で食べるなら分けてあげるって言ってきて。トレーももうひとつ出してくれて」
「へぇ。……いいお店の人だね」
「うん。夏弥さんもたこ焼き食べる?」
歩き出しながら、美咲が問いかけてくる。
「そうだなぁ。食べたいかも」
先を歩く美咲に答えながら、夏弥もまた歩き出す。
夜の街は、ずっとずっと静かだった。
あのお祭りの空気から離れてしまうと、こんなにも静かなのか。
夏弥がそう感じていたのは、あの時よりだいぶ美咲の声がはっきりと聞こえてくるような、そんな気がしたからだった。
否。「気がしたから」などという「気のせい」だけの問題じゃない。
これから鈴川家201号室に帰って過ごす夜が、あの会話のせいで行方知れずになってしまっていたからだ。
だから、神経が鋭くなる。
美咲のその聞き心地のいいスッキリしてる声とか、仕草とか。
ちょっと夜風に揺れるあのショートボブとか。
そういう彼女にまつわる些細なことに、神経がいってしまうのだ。
「今日。……今日なんだけど」
「え、なに?」
夏弥の声に、美咲はゆっくりと振り返った。
振り返る美咲は、やっぱりあの洋平の妹らしく凛としていて綺麗な顔をしている。
「その…………なんていうか」
今日、夏弥は自分の気持ちに答えを出したつもりだ。
加えて、美咲も美咲なりに応えてくれた。
ならその先は、ただその気持ちを確かめ合うだけでいい。
本当にそれだけのことだ。
「……」
それでも、こんな言葉を口にするのは、夏弥にとってものすごくハードルが高くて。
言ってしまえば、美咲に引かれたりするんじゃないか。
もしくは、幼馴染だし妹みたいなもんだって言っていた今までの自分に、後ろ指をさされるんじゃないか。
こうした色んな葛藤があって。
「ね。夏弥さん」
しかし、そんな一杯一杯だった夏弥に、美咲は優しく声をかけてきたのだった。
「……」
「大丈夫だよ?」
「大丈夫……って……?」
「きっと今、夏弥さんはあたしに何か言いたいことがあるんでしょ?」
「ま、まぁ……そうだな」
「それを聞いても、たぶん今のあたしは大丈夫。夏弥さんのこと、軽蔑したりとか、毛嫌いしたりなんてしないと思うから。……だから、どんなことでも大丈夫」
諭すような美咲の口調のおかげか、ゆっくりと夏弥のなかで余裕が生まれていく。力が、ふっと抜けていく。
おそらく、本当に「どんなこと」でも大丈夫なわけじゃない。
これは美咲の虚勢だ。でもこんな優しい虚勢は、夏弥も聞いたことがなかった。
「美咲がそう言ってくれるなら。言ってもいいのかもしれないな……」
「……それで、なんだったの? 言いかけておいて気になるじゃん」
夏弥のもとへ、美咲はゆっくりと歩み寄る。
彼女が近づいてくる前に、夏弥はもう言ってしまおうと思った。
一歩近づかれるたび、せっつかれてるような気がしたからかもしれない。
それは、美咲が口にした「一緒に寝てくれない?」の解。またはプラスの話で。
「て、提案なんだ。しかもこれ、ズルいタイプの提案じゃなくて」
「うん」
「今日……。一緒に寝るなら、俺は美咲の部屋で寝てみたいんだけど…………ダメですか……?」
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