108 / 113
4-24
しおりを挟む
「美咲、起きてたんだ……」
「……うん。まぁ……ね」
「……」
夏弥と美咲は同じ方向を向いているため、顔こそ合わせてはいない。
けれどつい今ほど、夏弥は湧き出る源泉のごとく本音をもらしていた。そのため一気にこっ恥《ぱ》ずかしさがこみ上げてきて。
「どこから……聞いてた?」
おそるおそる美咲に尋ねてみる。
「……美咲のこと……好きだよってところ……」
「~~っ!」
本音をまるまる聞かれていたらしい。
死んでしまいたい。
夏弥はそう思って、いっそのことここで舌を噛み切ってみようかなと思った。好きな人とベッドで寝ながら死ねるのなら、それもまたよし。乙なものである。
「ケホッ……コホッ…………ん゛んっ」
「あ……大丈夫……?」
恥ずかしさで命すら軽んじてしまいそうになった夏弥だけれど、背後で咳き込む美咲の様子にまたしても不安を覚える。
「……大丈夫」
「無理させて、本当にごめん……」
「夏弥さんが謝ることじゃないじゃん……。あたしが、一人で空回って……変な事しちゃっただけ…………」
「身勝手なこと言って、美咲の気持ちを考えてあげられなかったんだ。俺が謝らないとだよ」
「夏弥さん……」
美咲の腕の力が緩まる。
なんだかその緩まり方が「こっちを向いて」と言っているような気がして、夏弥は身体の向きを180度変えることにした。
向きを変えると、夏弥の動きを察してなのか、美咲は腕をもう完全に離していた。
一つのベッドの上。向き合う夏弥と美咲。
美咲の顔は風邪のせいですでに赤く、熱っぽい。
さっきまで抱き着かれていたので、向き合わせた二人の距離はすっかりキスシーンのための距離に入っている。
夏弥は、今度こそ彼女に「味方でいること」を伝えたいと思った。
ちゃんと美咲の綺麗な目を見て、気持ちを真っ直ぐ言葉に直していく。
「…………俺は。……俺は、美咲の味方でいたいんだ。ずっと、味方でいたい。これからも、ずっと。……だから、ごめん。本当に俺がいけなかったんだ」
「……」
「……美咲?」
美咲は返事をしなかった。
夏弥にいろいろと想う所があって、考えがまとまらなかったのだ。
――夏弥さんはいつもそう。あたしの気持ちの弱いところをすぐに突いてくる。あたしみたいに意地張ったりしないで、素直に謝ってくるんだよね。そういう所も……あたしは好きなのかも。
――夏弥さんがそんなすぐにエッ〇なことしない人だって、あたしも知ってたはずなのに。あんな風に迫ってみたりしてさ。悪いのは、やっぱりあたしじゃん。
その数分後、美咲はようやく口を開く。
「ね……夏弥さん」
「ん?」
「キス……したい」
「っ!」
唐突に、美咲からキスをご所望される。
「でもお前……風邪……」
「……」
夏弥はそのまま言葉を続けて「風邪ひいてるんだから、今はダメだ」なんて、またしても拒否してしまいそうになっていた。
でも、これは間違っていない。
風邪のような感染症を患った人との粘膜接触は、ひどくリスキーである。
キスで移ってしまうことも往々にしてある。それは周知の事実だった。
「……この、熱い身体のまま…………キスしてみたい。夏弥さんと」
「~~っ!」
美咲は夏弥の目を見つめながら、とんでもない破壊力のセリフを口にする。
少し長い萌え袖で口元を隠す仕草は、夏弥の心をつかんで離さない。
そんな美咲におねだりされてしまえば、夏弥だってキスをしたくなってくる。当然である。
それに、一度拒まれた美咲が、どんな気持ちでお願いしてきているのか。
その気持ちを思いやれば、お願いを聞き入れてあげたいと思うのはとても自然なことで――
「そうだな……。してみよっか……」
「……うん」
それから二人は目を閉じ、ゆっくりと唇を近付ける。
ぷるっとした美咲の唇に、夏弥の唇が触れる。
「……っはぁ」
「ん…………熱いな」
火照りを口に感じる。
美咲がしっかりとそこにいる。
全身の体温ごと、その唇に乗ってるんじゃないかと思うほどに熱い。
「………………と、溶けそう」
美咲は、このキスをそんな風に言い表す。
「……ん」
ベッドの中もそうだけれど、二人の口のなかもとても熱い。
風邪をひいていた美咲は、口に始まり、頬、首筋、あごの下や鼻の先まで、熱病に侵されている以上に熱かった。それはすべて、夏弥への想いのせいである。
「美咲……恥ずかしい……?」
「ん……うん。……だって、こんな感じ、今までなかったし……っはぁ」
「……んっ。……そうだよな」
「でも夏弥さん。……あたしとキスしたら、風邪うつっちゃうんじゃない?」
「……」
夏弥は数秒のあいだだけ黙っていた。
今から口にする言葉が大変バカげているものだと知っていても、美咲のとろけた顔のせいでつい口に出してしまいたくなって。
「いいんだ。…………美咲の風邪だったら、俺は喜んでかかりたいから」
「~~っ!」
美咲は夏弥の顔から思わず目をそらし、伏し目がちになってしまう。
掛け布団の中は、二人の汗の匂いが混ざり合っていて、それだけでとても官能的。他人が見れば、ああここに地雷を埋めときますねと言ってしまいたいシーンがそこにはあった。
「夏弥さん……あたしの風邪、受け取ってくれるんだ……?」
「愚問です……」
「ふふっ。じゃあ……もっと。……もっとしなきゃだから、その……こっちに来てよ」
「……うん」
今だって十分近いのに。
それなのに、美咲はまだ夏弥との距離が少し遠いと感じていて、もっとくっついてほしいらしい。ああなんてわがままな子。
夏弥の身体に腕を回して。夏弥も美咲の身体に腕を回して。
二人でお互いを求め合う形になっていた。
「んっ……は、ぁ」
「……っは」
ちゅっちゅちゅっちゅと繰り返していく。
口と口の逢瀬は果てのないキス時雨。
止みそうにないなと思われるくらい、熱くて、濃くて、そして深い。
そんな胸焼けしそうなひと時が一旦落ち着きをみせた頃、美咲は夏弥の胸に顔をうずめた。
くんくん匂いでも嗅ぐみたいに、鼻や頬をつけたりして、可愛らしくスキンシップを取る。
「夏弥さん……」
夏弥の匂いは、美咲にとってとても落ち着く匂いだった。
小さい頃から夏弥のことを知っているから。というのも当然あるのだろうけれど、好きな人の匂いというだけで、ずいぶん補正がかかるのかもしれない。
だから心が緩んでしまって、ついつい言ってしまったのだろう。その一言を。
「……あたし、夏弥さんの子どもがほしい…………。あっ」
「~~っ!」
(こ……子ども!)
ぶっちゃけ過ぎた美咲の発言に、夏弥は一瞬パニックに陥る。
美咲は口を滑らせてしまったことで、美咲自身も顔を真っ赤に染め上げていた。
子供がほしいということは、子作りをしたいということで。子作りしたいということは、隔たりのない濃厚接触をしたいということであって。
「あっ……こ、これは違くて……。それだけ、夏弥さんのことが……好きって意味だから……」
「……あ、ああ。そういうこと」
「好き」の表現だとしても、それはそれでオーバーですよね。と、夏弥は込み上げてくる恥ずかしさで胸が一杯になってしまう。
「それに言ったじゃん……。あたしは…………もうダメなくらい夏弥さんのこと、好きだって」
「……言ってたね」
しゃべり過ぎたせいか、美咲は眠たくなっていく意識の中でぽつりと言う。
「コホッ……。だから、風邪が治ったら…………」
「……?」
「夏弥さんに……めちゃくちゃにされてみたい……」
「っ……!」
気だるい体調のまま、曖昧な意識のまま。
美咲は、めちゃくちゃに、なんて口走る。
聞き受けたそのセリフに、夏弥は声が出せなかった。
美咲のセリフそのものに、発熱作用があったのかもしれない。
夏弥はつい、自分が美咲をめちゃくちゃにしている所を想像してしまう。
その想像だけで、どうにかなってしまいそうだと思った。
「……ちゃんと……風邪が治ったら、しましょう」
夏弥はやっとの思いでそう答える。
だけれど、それはもう美咲の発言から二分も過ぎてしまっていた。
「……。……ん? 美咲……?」
ああ残念なことに、美咲はすっかり寝入ってしまっている。
夏弥が返事をもたついていたせいである。
(返事聞く前に寝たのかよ……。いや、まぁこれはこれで……よかったような、悪かったような?)
夏弥は美咲がくうくう寝ているこの状況を察し、もう今日は話し掛けないでおこうと思った。
寝入った美咲の腕に力はなくて、二人の太ももの辺りまでずり落ちてきている所だった。
腕の先には美咲のかよわい手があって、夏弥はなんとなく、その手に自分の手をくっつけてみる。
その後、
(……今日は、このまま一緒に寝よう。美咲と一緒に寝たい)
胸の内側で、夏弥はひっそりとそんなことを感じる。
美咲の手に触れて、それを外側から優しくにぎってあげる。
すると、不思議なくらい胸の辺りが落ち着いてくる。
瞼を閉じれば、その状態で寝付けてしまいそうなくらい心地よかった。
(……ああ、晩ごはん……作りかけのままだよな……。けどもう……全部明日片付ければいいか……)
夏弥は横になったまま枕元へ腕を伸ばす。
そして、その手の先に置いてあった照明のリモコンをつかみ取り、ふぅ、と深呼吸して明かりを消したのだった。
「……うん。まぁ……ね」
「……」
夏弥と美咲は同じ方向を向いているため、顔こそ合わせてはいない。
けれどつい今ほど、夏弥は湧き出る源泉のごとく本音をもらしていた。そのため一気にこっ恥《ぱ》ずかしさがこみ上げてきて。
「どこから……聞いてた?」
おそるおそる美咲に尋ねてみる。
「……美咲のこと……好きだよってところ……」
「~~っ!」
本音をまるまる聞かれていたらしい。
死んでしまいたい。
夏弥はそう思って、いっそのことここで舌を噛み切ってみようかなと思った。好きな人とベッドで寝ながら死ねるのなら、それもまたよし。乙なものである。
「ケホッ……コホッ…………ん゛んっ」
「あ……大丈夫……?」
恥ずかしさで命すら軽んじてしまいそうになった夏弥だけれど、背後で咳き込む美咲の様子にまたしても不安を覚える。
「……大丈夫」
「無理させて、本当にごめん……」
「夏弥さんが謝ることじゃないじゃん……。あたしが、一人で空回って……変な事しちゃっただけ…………」
「身勝手なこと言って、美咲の気持ちを考えてあげられなかったんだ。俺が謝らないとだよ」
「夏弥さん……」
美咲の腕の力が緩まる。
なんだかその緩まり方が「こっちを向いて」と言っているような気がして、夏弥は身体の向きを180度変えることにした。
向きを変えると、夏弥の動きを察してなのか、美咲は腕をもう完全に離していた。
一つのベッドの上。向き合う夏弥と美咲。
美咲の顔は風邪のせいですでに赤く、熱っぽい。
さっきまで抱き着かれていたので、向き合わせた二人の距離はすっかりキスシーンのための距離に入っている。
夏弥は、今度こそ彼女に「味方でいること」を伝えたいと思った。
ちゃんと美咲の綺麗な目を見て、気持ちを真っ直ぐ言葉に直していく。
「…………俺は。……俺は、美咲の味方でいたいんだ。ずっと、味方でいたい。これからも、ずっと。……だから、ごめん。本当に俺がいけなかったんだ」
「……」
「……美咲?」
美咲は返事をしなかった。
夏弥にいろいろと想う所があって、考えがまとまらなかったのだ。
――夏弥さんはいつもそう。あたしの気持ちの弱いところをすぐに突いてくる。あたしみたいに意地張ったりしないで、素直に謝ってくるんだよね。そういう所も……あたしは好きなのかも。
――夏弥さんがそんなすぐにエッ〇なことしない人だって、あたしも知ってたはずなのに。あんな風に迫ってみたりしてさ。悪いのは、やっぱりあたしじゃん。
その数分後、美咲はようやく口を開く。
「ね……夏弥さん」
「ん?」
「キス……したい」
「っ!」
唐突に、美咲からキスをご所望される。
「でもお前……風邪……」
「……」
夏弥はそのまま言葉を続けて「風邪ひいてるんだから、今はダメだ」なんて、またしても拒否してしまいそうになっていた。
でも、これは間違っていない。
風邪のような感染症を患った人との粘膜接触は、ひどくリスキーである。
キスで移ってしまうことも往々にしてある。それは周知の事実だった。
「……この、熱い身体のまま…………キスしてみたい。夏弥さんと」
「~~っ!」
美咲は夏弥の目を見つめながら、とんでもない破壊力のセリフを口にする。
少し長い萌え袖で口元を隠す仕草は、夏弥の心をつかんで離さない。
そんな美咲におねだりされてしまえば、夏弥だってキスをしたくなってくる。当然である。
それに、一度拒まれた美咲が、どんな気持ちでお願いしてきているのか。
その気持ちを思いやれば、お願いを聞き入れてあげたいと思うのはとても自然なことで――
「そうだな……。してみよっか……」
「……うん」
それから二人は目を閉じ、ゆっくりと唇を近付ける。
ぷるっとした美咲の唇に、夏弥の唇が触れる。
「……っはぁ」
「ん…………熱いな」
火照りを口に感じる。
美咲がしっかりとそこにいる。
全身の体温ごと、その唇に乗ってるんじゃないかと思うほどに熱い。
「………………と、溶けそう」
美咲は、このキスをそんな風に言い表す。
「……ん」
ベッドの中もそうだけれど、二人の口のなかもとても熱い。
風邪をひいていた美咲は、口に始まり、頬、首筋、あごの下や鼻の先まで、熱病に侵されている以上に熱かった。それはすべて、夏弥への想いのせいである。
「美咲……恥ずかしい……?」
「ん……うん。……だって、こんな感じ、今までなかったし……っはぁ」
「……んっ。……そうだよな」
「でも夏弥さん。……あたしとキスしたら、風邪うつっちゃうんじゃない?」
「……」
夏弥は数秒のあいだだけ黙っていた。
今から口にする言葉が大変バカげているものだと知っていても、美咲のとろけた顔のせいでつい口に出してしまいたくなって。
「いいんだ。…………美咲の風邪だったら、俺は喜んでかかりたいから」
「~~っ!」
美咲は夏弥の顔から思わず目をそらし、伏し目がちになってしまう。
掛け布団の中は、二人の汗の匂いが混ざり合っていて、それだけでとても官能的。他人が見れば、ああここに地雷を埋めときますねと言ってしまいたいシーンがそこにはあった。
「夏弥さん……あたしの風邪、受け取ってくれるんだ……?」
「愚問です……」
「ふふっ。じゃあ……もっと。……もっとしなきゃだから、その……こっちに来てよ」
「……うん」
今だって十分近いのに。
それなのに、美咲はまだ夏弥との距離が少し遠いと感じていて、もっとくっついてほしいらしい。ああなんてわがままな子。
夏弥の身体に腕を回して。夏弥も美咲の身体に腕を回して。
二人でお互いを求め合う形になっていた。
「んっ……は、ぁ」
「……っは」
ちゅっちゅちゅっちゅと繰り返していく。
口と口の逢瀬は果てのないキス時雨。
止みそうにないなと思われるくらい、熱くて、濃くて、そして深い。
そんな胸焼けしそうなひと時が一旦落ち着きをみせた頃、美咲は夏弥の胸に顔をうずめた。
くんくん匂いでも嗅ぐみたいに、鼻や頬をつけたりして、可愛らしくスキンシップを取る。
「夏弥さん……」
夏弥の匂いは、美咲にとってとても落ち着く匂いだった。
小さい頃から夏弥のことを知っているから。というのも当然あるのだろうけれど、好きな人の匂いというだけで、ずいぶん補正がかかるのかもしれない。
だから心が緩んでしまって、ついつい言ってしまったのだろう。その一言を。
「……あたし、夏弥さんの子どもがほしい…………。あっ」
「~~っ!」
(こ……子ども!)
ぶっちゃけ過ぎた美咲の発言に、夏弥は一瞬パニックに陥る。
美咲は口を滑らせてしまったことで、美咲自身も顔を真っ赤に染め上げていた。
子供がほしいということは、子作りをしたいということで。子作りしたいということは、隔たりのない濃厚接触をしたいということであって。
「あっ……こ、これは違くて……。それだけ、夏弥さんのことが……好きって意味だから……」
「……あ、ああ。そういうこと」
「好き」の表現だとしても、それはそれでオーバーですよね。と、夏弥は込み上げてくる恥ずかしさで胸が一杯になってしまう。
「それに言ったじゃん……。あたしは…………もうダメなくらい夏弥さんのこと、好きだって」
「……言ってたね」
しゃべり過ぎたせいか、美咲は眠たくなっていく意識の中でぽつりと言う。
「コホッ……。だから、風邪が治ったら…………」
「……?」
「夏弥さんに……めちゃくちゃにされてみたい……」
「っ……!」
気だるい体調のまま、曖昧な意識のまま。
美咲は、めちゃくちゃに、なんて口走る。
聞き受けたそのセリフに、夏弥は声が出せなかった。
美咲のセリフそのものに、発熱作用があったのかもしれない。
夏弥はつい、自分が美咲をめちゃくちゃにしている所を想像してしまう。
その想像だけで、どうにかなってしまいそうだと思った。
「……ちゃんと……風邪が治ったら、しましょう」
夏弥はやっとの思いでそう答える。
だけれど、それはもう美咲の発言から二分も過ぎてしまっていた。
「……。……ん? 美咲……?」
ああ残念なことに、美咲はすっかり寝入ってしまっている。
夏弥が返事をもたついていたせいである。
(返事聞く前に寝たのかよ……。いや、まぁこれはこれで……よかったような、悪かったような?)
夏弥は美咲がくうくう寝ているこの状況を察し、もう今日は話し掛けないでおこうと思った。
寝入った美咲の腕に力はなくて、二人の太ももの辺りまでずり落ちてきている所だった。
腕の先には美咲のかよわい手があって、夏弥はなんとなく、その手に自分の手をくっつけてみる。
その後、
(……今日は、このまま一緒に寝よう。美咲と一緒に寝たい)
胸の内側で、夏弥はひっそりとそんなことを感じる。
美咲の手に触れて、それを外側から優しくにぎってあげる。
すると、不思議なくらい胸の辺りが落ち着いてくる。
瞼を閉じれば、その状態で寝付けてしまいそうなくらい心地よかった。
(……ああ、晩ごはん……作りかけのままだよな……。けどもう……全部明日片付ければいいか……)
夏弥は横になったまま枕元へ腕を伸ばす。
そして、その手の先に置いてあった照明のリモコンをつかみ取り、ふぅ、と深呼吸して明かりを消したのだった。
16
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語
ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。
だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。
それで終わるはずだった――なのに。
ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。
さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。
そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。
由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。
一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。
そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。
罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。
ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。
そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。
これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。
S級ハッカーの俺がSNSで炎上する完璧ヒロインを助けたら、俺にだけめちゃくちゃ甘えてくる秘密の関係になったんだが…
senko
恋愛
「一緒に、しよ?」完璧ヒロインが俺にだけベタ甘えしてくる。
地味高校生の俺は裏ではS級ハッカー。炎上するクラスの完璧ヒロインを救ったら、秘密のイチャラブ共闘関係が始まってしまった!リアルではただのモブなのに…。
クラスの隅でPCを触るだけが生きがいの陰キャプログラマー、黒瀬和人。
彼にとってクラスの中心で太陽のように笑う完璧ヒロイン・天野光は決して交わることのない別世界の住人だった。
しかしある日、和人は光を襲う匿名の「裏アカウント」を発見してしまう。
悪意に満ちた誹謗中傷で完璧な彼女がひとり涙を流していることを知り彼は決意する。
――正体を隠したまま彼女を救い出す、と。
謎の天才ハッカー『null』として光に接触した和人。
ネットでは唯一頼れる相棒として彼女に甘えられる一方、現実では目も合わせられないただのクラスメイト。
この秘密の二重生活はもどかしくて、だけど最高に甘い。
陰キャ男子と完璧ヒロインの秘密の二重生活ラブコメ、ここに開幕!
幼馴染みのメッセージに打ち間違い返信したらとんでもないことに
家紋武範
恋愛
となりに住む、幼馴染みの夕夏のことが好きだが、その思いを伝えられずにいた。
ある日、夕夏のメッセージに返信しようとしたら、間違ってとんでもない言葉を送ってしまったのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる