5 / 9
第4話
しおりを挟む
そして授業が始まりました。
授業は風魔法でした。
風魔法はコンスタン王太子殿下の得意とする魔法です。
皆次々に風魔法を唱えた。
しかし、皆並みの魔力でした。
コンスタン王太子の番になると、竜巻のような風を起こし、周りを圧倒させました。
それに続いてガブリエル。
ガブリエルもまた巨大な竜巻を起こしました。
ここはコンスタン王太子殿下とガブリエルの力比べになりました。
コンスタン王太子殿下は魔法は得意中の得意でした。
「えへん」
と王太子殿下は咳払いをしました。
しかし、ガブリエルも負けてはいなかったので、彼もまた拍手喝采を浴びていました。
「王太子殿下カッコいい」
「流石は王太子殿下」
「王太子殿下素敵」
「王太子殿下すごい」
コンスタン王太子殿下は周りの女性陣にちやほやされていました。
誰が本命なのかわからずに。
そして王太子殿下は呑気に頭を掻いています。
俺ってモテるだろう、と言わんばかりに。
果たして浮気癖はナタリーで収まるのか。
この光景を見たら、ナタリーも驚くに違いありません。
いえ、ヤキモチを焼くでしょうね。
コンスタン王太子殿下と同級生は羨ましい……と。
「コンスタン王太子殿下の風力は100m/s。ガブリエルは風速95m/sよってコンスタン王太子殿下が一番です」
と魔法の教師が言うと、コンスタン王太子殿下は投げキッスをしました。
するとまた歓声が沸くのです。
調子に乗りやがって!!
魔法の授業はコンスタン王太子殿下の圧勝で終わりました。
コンスタン王太子殿下はやはりハーレムで教室まで歩くのでした。
しかし、この前の炎魔法の時はガブリエルの勝ちでした。
しかし、このコンスタン王太子殿下は負けを認めない節があります。
ガブリエルはまさにコンスタン王太子殿下の格好のライバルなのです。
そして、ダメンズのアントワーヌは自分が注目されずに不貞腐れています。
「ねぇ、マリアナちゃん。僕凄かったよね?」
「凄かったよね?」
「凄かったよね?」
相手が「イエス」と答えるまでしつこく聞いています。
流石に皆根負けして
「凄かったよ」
と言っています。
極めつけは
「僕とコンスタン王太子殿下、どっちが凄い?」
などと聞いているのです。
皆ここで胡麻を擦って
「勿論アントワーヌだよ」
と言っています。
そしてご機嫌になるのです。
全くのまるでダメ男がコンスタン王太子殿下にライバル心を抱いているのです。
顔は相変わらず傷だらけ。
暇さえあればどこかしら掻き毟っているのです。
平民が王族にライバル心を抱くなど滑稽だわ。
「ねぇ、クリスティアーノちゃん。僕頑張ったよ」
ほら、寄ってきた。
コンスタン王太子殿下と同じく軟派でクラスの女性陣に片っ端から声をかけるこの平民男。
しかも、貴族の階級が高ければ高いほど寄り付こうとするのです。
ハッキリ言って寄生虫。
女性陣に声をかけまくっているけれど、本命は私なのです。
幾度となく「付き合って下さい」と言われた事か。
私は無視をしました。
「ねぇ、見ててくれた?」
やはり無視。
「ねぇってば」
無視。
「ねぇ」
流石に堪忍袋の緒が切れました。
「うるさい!」
と言ってしまった。
この男だけは敵に回しても良いと思ったからです。
いえ、既に敵意を抱いています。
しかし、相手はその敵意に気づかないからタチ悪いのです。
私への一方的な好意。
アントワーヌは一時は引いてくれる。
しかし、また時間が経つと寄って来るのです。
コンスタン王太子殿下に婚約破棄され、私に言い寄ってくるのは平民のダメンズ。
それが私の分相応なのでしょうか?
私は勢いよくガブリエルに声をかけました。
「ガブリエル! 私はガブリエルの方が凄いと思ったわ」
やはり、貴族は貴族同士よね。
「ありがとう。そう言ってくれるのはきみしかいないよ」
何だかガブリエルが照れているようにも見えました。
照れていると言えば先程のアントワーヌ。
私はアントワーヌに「水泳が得意そう」と言ったら、アントワーヌは照れているようにも見えたっけ?
私がアントワーヌに愛着を持たれてしまったのはアントワーヌを褒めたからでしょう。
全く迷惑な話。
何度学園職員から注意されても言う事聞かないのだから、大したモンです。
水泳が得意そうとは言ったものの、実際は溺れて救助隊を呼ぶ始末。
本当にダメダメです。
また、授業にもよく遅れてきたりします。
出席をとると、「僕のこと呼んだ?」などと言うのです。
しかも、1回言えばいいものを執拗に言ってくるのです。
学園1のしつこさナンバーワンとくればアントワーヌでしょう。
アントワーヌは自信屋で、自分が学園でモテていると勘違いしています。
そして、度々鏡を見て無い髪の毛を弄っているのです。
ロザリーもアントワーヌには呆れています。
ロザリーにも「何かついているよ」と言って触ったのです。
「何かついているよ。猫の毛がついているよ」と。
ロザリーは猫を飼っていません。犬も飼っていません。
触る口述が欲しかったとすぐにわかるのです。
私はアントワーヌの事を勝手に『迷惑男』と呼んでいます。
転生前はSNSで嫌な奴をブロックしていましたが、リアルブロックはできません。
私はこのアントワーヌに悩まされ続けているのです。
やはり、悪役令嬢という役柄、こういうのも付き物なんだなぁと思いながら……。
授業は風魔法でした。
風魔法はコンスタン王太子殿下の得意とする魔法です。
皆次々に風魔法を唱えた。
しかし、皆並みの魔力でした。
コンスタン王太子の番になると、竜巻のような風を起こし、周りを圧倒させました。
それに続いてガブリエル。
ガブリエルもまた巨大な竜巻を起こしました。
ここはコンスタン王太子殿下とガブリエルの力比べになりました。
コンスタン王太子殿下は魔法は得意中の得意でした。
「えへん」
と王太子殿下は咳払いをしました。
しかし、ガブリエルも負けてはいなかったので、彼もまた拍手喝采を浴びていました。
「王太子殿下カッコいい」
「流石は王太子殿下」
「王太子殿下素敵」
「王太子殿下すごい」
コンスタン王太子殿下は周りの女性陣にちやほやされていました。
誰が本命なのかわからずに。
そして王太子殿下は呑気に頭を掻いています。
俺ってモテるだろう、と言わんばかりに。
果たして浮気癖はナタリーで収まるのか。
この光景を見たら、ナタリーも驚くに違いありません。
いえ、ヤキモチを焼くでしょうね。
コンスタン王太子殿下と同級生は羨ましい……と。
「コンスタン王太子殿下の風力は100m/s。ガブリエルは風速95m/sよってコンスタン王太子殿下が一番です」
と魔法の教師が言うと、コンスタン王太子殿下は投げキッスをしました。
するとまた歓声が沸くのです。
調子に乗りやがって!!
魔法の授業はコンスタン王太子殿下の圧勝で終わりました。
コンスタン王太子殿下はやはりハーレムで教室まで歩くのでした。
しかし、この前の炎魔法の時はガブリエルの勝ちでした。
しかし、このコンスタン王太子殿下は負けを認めない節があります。
ガブリエルはまさにコンスタン王太子殿下の格好のライバルなのです。
そして、ダメンズのアントワーヌは自分が注目されずに不貞腐れています。
「ねぇ、マリアナちゃん。僕凄かったよね?」
「凄かったよね?」
「凄かったよね?」
相手が「イエス」と答えるまでしつこく聞いています。
流石に皆根負けして
「凄かったよ」
と言っています。
極めつけは
「僕とコンスタン王太子殿下、どっちが凄い?」
などと聞いているのです。
皆ここで胡麻を擦って
「勿論アントワーヌだよ」
と言っています。
そしてご機嫌になるのです。
全くのまるでダメ男がコンスタン王太子殿下にライバル心を抱いているのです。
顔は相変わらず傷だらけ。
暇さえあればどこかしら掻き毟っているのです。
平民が王族にライバル心を抱くなど滑稽だわ。
「ねぇ、クリスティアーノちゃん。僕頑張ったよ」
ほら、寄ってきた。
コンスタン王太子殿下と同じく軟派でクラスの女性陣に片っ端から声をかけるこの平民男。
しかも、貴族の階級が高ければ高いほど寄り付こうとするのです。
ハッキリ言って寄生虫。
女性陣に声をかけまくっているけれど、本命は私なのです。
幾度となく「付き合って下さい」と言われた事か。
私は無視をしました。
「ねぇ、見ててくれた?」
やはり無視。
「ねぇってば」
無視。
「ねぇ」
流石に堪忍袋の緒が切れました。
「うるさい!」
と言ってしまった。
この男だけは敵に回しても良いと思ったからです。
いえ、既に敵意を抱いています。
しかし、相手はその敵意に気づかないからタチ悪いのです。
私への一方的な好意。
アントワーヌは一時は引いてくれる。
しかし、また時間が経つと寄って来るのです。
コンスタン王太子殿下に婚約破棄され、私に言い寄ってくるのは平民のダメンズ。
それが私の分相応なのでしょうか?
私は勢いよくガブリエルに声をかけました。
「ガブリエル! 私はガブリエルの方が凄いと思ったわ」
やはり、貴族は貴族同士よね。
「ありがとう。そう言ってくれるのはきみしかいないよ」
何だかガブリエルが照れているようにも見えました。
照れていると言えば先程のアントワーヌ。
私はアントワーヌに「水泳が得意そう」と言ったら、アントワーヌは照れているようにも見えたっけ?
私がアントワーヌに愛着を持たれてしまったのはアントワーヌを褒めたからでしょう。
全く迷惑な話。
何度学園職員から注意されても言う事聞かないのだから、大したモンです。
水泳が得意そうとは言ったものの、実際は溺れて救助隊を呼ぶ始末。
本当にダメダメです。
また、授業にもよく遅れてきたりします。
出席をとると、「僕のこと呼んだ?」などと言うのです。
しかも、1回言えばいいものを執拗に言ってくるのです。
学園1のしつこさナンバーワンとくればアントワーヌでしょう。
アントワーヌは自信屋で、自分が学園でモテていると勘違いしています。
そして、度々鏡を見て無い髪の毛を弄っているのです。
ロザリーもアントワーヌには呆れています。
ロザリーにも「何かついているよ」と言って触ったのです。
「何かついているよ。猫の毛がついているよ」と。
ロザリーは猫を飼っていません。犬も飼っていません。
触る口述が欲しかったとすぐにわかるのです。
私はアントワーヌの事を勝手に『迷惑男』と呼んでいます。
転生前はSNSで嫌な奴をブロックしていましたが、リアルブロックはできません。
私はこのアントワーヌに悩まされ続けているのです。
やはり、悪役令嬢という役柄、こういうのも付き物なんだなぁと思いながら……。
0
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢の私、計画通り追放されました ~無能な婚約者と傾国の未来を捨てて、隣国で大商人になります~
希羽
恋愛
「ええ、喜んで国を去りましょう。――全て、私の計算通りですわ」
才色兼備と謳われた公爵令嬢セラフィーナは、卒業パーティーの場で、婚約者である王子から婚約破棄を突きつけられる。聖女を虐げた「悪役令嬢」として、満座の中で断罪される彼女。
しかし、その顔に悲壮感はない。むしろ、彼女は内心でほくそ笑んでいた――『計画通り』と。
無能な婚約者と、沈みゆく国の未来をとうに見限っていた彼女にとって、自ら悪役の汚名を着て国を追われることこそが、完璧なシナリオだったのだ。
莫大な手切れ金を手に、自由都市で商人『セーラ』として第二の人生を歩み始めた彼女。その類まれなる才覚は、やがて大陸の経済を揺るがすほどの渦を巻き起こしていく。
一方、有能な彼女を失った祖国は坂道を転がるように没落。愚かな元婚約者たちが、彼女の真価に気づき後悔した時、物語は最高のカタルシスを迎える――。
ワンチャンあるかな、って転生先で推しにアタックしてるのがこちらの令嬢です
山口三
恋愛
恋愛ゲームの世界に転生した主人公。中世異世界のアカデミーを中心に繰り広げられるゲームだが、大好きな推しを目の前にして、ついつい欲が出てしまう。「私が転生したキャラは主人公じゃなくて、たたのモブ悪役。どうせ攻略対象の相手にはフラれて婚約破棄されるんだから・・・」
ひょんな事からクラスメイトのアロイスと協力して、主人公は推し様と、アロイスはゲームの主人公である聖女様との相思相愛を目指すが・・・。
私は《悪役令嬢》の役を降りさせて頂きます
・めぐめぐ・
恋愛
公爵令嬢であるアンティローゼは、婚約者エリオットの想い人であるルシア伯爵令嬢に嫌がらせをしていたことが原因で婚約破棄され、彼に突き飛ばされた拍子に頭をぶつけて死んでしまった。
気が付くと闇の世界にいた。
そこで彼女は、不思議な男の声によってこの世界の真実を知る。
この世界が恋愛小説であり《読者》という存在の影響下にあることを。
そしてアンティローゼが《悪役令嬢》であり、彼女が《悪役令嬢》である限り、断罪され死ぬ運命から逃れることができないことを――
全てを知った彼女は決意した。
「……もう、あなたたちの思惑には乗らない。私は、《悪役令嬢》の役を降りさせて頂くわ」
※全12話 約15,000字。完結してるのでエタりません♪
※よくある悪役令嬢設定です。
※頭空っぽにして読んでね!
※ご都合主義です。
※息抜きと勢いで書いた作品なので、生暖かく見守って頂けると嬉しいです(笑)
悪役令嬢に転生したので地味令嬢に変装したら、婚約者が離れてくれないのですが。
槙村まき
恋愛
スマホ向け乙女ゲーム『時戻りの少女~ささやかな日々をあなたと共に~』の悪役令嬢、リシェリア・オゼリエに転生した主人公は、処刑される未来を変えるために地味に地味で地味な令嬢に変装して生きていくことを決意した。
それなのに学園に入学しても婚約者である王太子ルーカスは付きまとってくるし、ゲームのヒロインからはなぜか「私の代わりにヒロインになって!」とお願いされるし……。
挙句の果てには、ある日隠れていた図書室で、ルーカスに唇を奪われてしまう。
そんな感じで悪役令嬢がヤンデレ気味な王子から逃げようとしながらも、ヒロインと共に攻略対象者たちを助ける? 話になるはず……!
第二章以降は、11時と23時に更新予定です。
他サイトにも掲載しています。
よろしくお願いします。
25.4.25 HOTランキング(女性向け)四位、ありがとうございます!
悪役令嬢がヒロインからのハラスメントにビンタをぶちかますまで。
倉桐ぱきぽ
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢に転生した私は、ざまぁ回避のため、まじめに生きていた。
でも、ヒロイン(転生者)がひどい!
彼女の嘘を信じた推しから嫌われるし。無実の罪を着せられるし。そのうえ「ちゃんと悪役やりなさい」⁉
シナリオ通りに進めたいヒロインからのハラスメントは、もう、うんざり!
私は私の望むままに生きます!!
本編+番外編3作で、40000文字くらいです。
⚠途中、視点が変わります。サブタイトルをご覧下さい。
悪役令嬢は間違えない
スノウ
恋愛
王太子の婚約者候補として横暴に振る舞ってきた公爵令嬢のジゼット。
その行動はだんだんエスカレートしていき、ついには癒しの聖女であるリリーという少女を害したことで王太子から断罪され、公開処刑を言い渡される。
処刑までの牢獄での暮らしは劣悪なもので、ジゼットのプライドはズタズタにされ、彼女は生きる希望を失ってしまう。
処刑当日、ジゼットの従者だったダリルが助けに来てくれたものの、看守に見つかり、脱獄は叶わなかった。
しかし、ジゼットは唯一自分を助けようとしてくれたダリルの行動に涙を流し、彼への感謝を胸に断頭台に上がった。
そして、ジゼットの処刑は執行された……はずだった。
ジゼットが気がつくと、彼女が9歳だった時まで時間が巻き戻っていた。
ジゼットは決意する。
次は絶対に間違えない。
処刑なんかされずに、寿命をまっとうしてみせる。
そして、唯一自分を助けようとしてくれたダリルを大切にする、と。
────────────
毎日20時頃に投稿します。
お気に入り登録をしてくださった方、いいねをくださった方、エールをくださった方、どうもありがとうございます。
とても励みになります。
転生令嬢の涙 〜泣き虫な悪役令嬢は強気なヒロインと張り合えないので代わりに王子様が罠を仕掛けます〜
矢口愛留
恋愛
【タイトル変えました】
公爵令嬢エミリア・ブラウンは、突然前世の記憶を思い出す。
この世界は前世で読んだ小説の世界で、泣き虫の日本人だった私はエミリアに転生していたのだ。
小説によるとエミリアは悪役令嬢で、婚約者である王太子ラインハルトをヒロインのプリシラに奪われて嫉妬し、悪行の限りを尽くした挙句に断罪される運命なのである。
だが、記憶が蘇ったことで、エミリアは悪役令嬢らしからぬ泣き虫っぷりを発揮し、周囲を翻弄する。
どうしてもヒロインを排斥できないエミリアに代わって、実はエミリアを溺愛していた王子と、その側近がヒロインに罠を仕掛けていく。
それに気づかず小説通りに王子を籠絡しようとするヒロインと、その涙で全てをかき乱してしまう悪役令嬢と、間に挟まれる王子様の学園生活、その意外な結末とは――?
*異世界ものということで、文化や文明度の設定が緩めですがご容赦下さい。
*「小説家になろう」様、「カクヨム」様にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる