131 / 186
116.追放後のルビー②
しおりを挟む
「あんた最低だね」
「な……なによ。あなたが私をバカにするのがいけないんでしょ!?」
思わずカッとなり言い返すルビー。
「確かに私も悪かったよ、あんたの言うようにお育ちが悪い分口も悪いんだよ。すまないねぇ。でもさあ……私個人じゃなくて娼婦っていう存在を見下すような発言は気に食わないねぇ」
「はあ?何が悪いのよ?何人もの人に身体を許すなんてあり得ないでしょ」
「好きでやってたとでも?」
「そこまでは思っていないわよ。家族に売られたのかしら?それとも恋人?自分でこさえた借金かしら?貧乏人は辛いわね」
はっと鼻で笑うルビー。
「わかっていて……よく同じ女性として侮辱できるね。あんただって今貧乏人だよ。あんたもいつか娼婦になる可能性があることを忘れちゃいけないよ」
「同じ女性だからよ。そんな何人もの男と閨を共にするなんて地獄だわ。娼婦になるくらいなら自分で命を断つわ。私は宰相の孫娘にして王子の婚約者だったのよ?国を担うため努力をしてきた私が……誇り高き私が……ただ客と寝るだけの楽な仕事の娼婦に落ちるなんてあるわけないけれど」
「楽……ね。あんただって下手したら娼館行きだったかもしれないよ」
「はあ?私は治癒魔法が使えるからここにいるのよ。ちょっとやり過ぎて貴族ではなくなってしまったけれど。でも私の才能をご存知の陛下はそれを活かす場に私をお送りになったのよ」
「へー良かったね……」
冷めた声音に気づかぬルビーは鼻高々といった様子で話し続ける。
「ええ血筋だけでなく私には才能もあるものですから」
「男を誑かす才能の方の仕事に追いやられなくて良かったねぇ」
彼女の言葉に至る所からクスクスと忍び笑いが漏れる。
「は?」
「自分の婚約者の弟を好意もないのに誑かしてたんだろ?アリス様が気に入らないからその男を奪おうとしたんだろ?娼婦は気に入らない女の客を奪おうとしたり太客を横取りする娘がいるんだよ。あんたは身体は差し出してないみたいだけど本質的な部分で娼婦と何が違うんだい?あ!だから陛下はあんたを娼館には送らなかったのかもしれないね?だって娼婦を娼館に送っても罰にならないんだから!」
冷静に話していた女性の言葉がだんだん乱暴なものに変わっていく。そして、二人のやり取りを黙って聞いていた周囲からどっと嘲笑の嵐が巻き起こった。
嘲笑の嵐の中でルビーはカーッと頭が、いや体全体に怒りが駆け巡った。
相手に飛び掛かる。
思いっきり相手の女の顔をひっぱたき髪の毛を引っ張っていた。そして、自分も同じように相手にやられていた。
いや、相手以上にやられていた。
気づいたら自分も相手もボロボロになっていた。
その後その状態のまま二人で修道長に丸丸1日お説教された。
自分は悪くないのに。
この女一生許さないと睨みつけると鼻で笑われた。
絶対にぜっっったいに許さない。
とはいうものの何かできるわけもなく……
むしろ態度の悪い傲慢な元貴族娘として仕事以外で相手にしてくれる人がいなくなった。もともとこの修道院には娼館から逃げてきた者、使い物にならなくて捨てられた者、身体を壊した者がたくさんいた為だ。
娼婦ではなかった者も仲間を馬鹿にし続けるルビーに嫌悪を抱くようになった。
一部の人を除いて
「まーたあんたと一緒なの?」
「こっちの台詞よ……」
「まあまあ二人共やめましょう」
仕事以外で話をするのは今や同室のウェンディとビアンカだ。ウェンディははっきりものを言うタイプ、ビアンカはおっとりとした優しい女性だった。
「ウェンディ、こっちも頼むよ」
「あいよー」
ウィンディは燃えるような赤髪を持つ元娼婦の女性。。よく気がつく娘で仕事も早く、性格もざっくばらんとしており周囲の者から慕われている。
「ちょいちょい」
「何よ」
ウェンディ……なんでこいつは話しかけてくるのよ。
「この患者さん私じゃ無理だから、あんたお願い」
「…………………………」
ムスッとしたまま、ざっくりと切れた手を治癒魔法で治す。
「ありがとうございます」
ちょっと、治したのは私なのになぜウェンディを見て言うのよ。
「今日はありがとうね、助かったわ。私に診てほしいって来てくれるのは嬉しいんだけどさー、私治癒魔法が使えるわけでもないし、医療の心得があるわけでもないからあんまり役に立てないんだよね」
仕事が終わり自室に戻ろうとした時に、ニコリと笑顔で言われたありがとうという言葉。
照れくさくなり早口でまた……
「あんたよく私に助けを求めたりできるわよね?娼婦はプライドがないのかしら?」
「はあ?」
「私だったら自分がやってた仕事を馬鹿にするような相手に助けを求める無様な真似はできないわ」
どうして自分はこうなんだろう……
「はは、あんた本当に性格ヤバイよね。まあでもあんたの言う通りあたしは娼婦上がりだよ。だからこそ嫌なヤツとも付き合えるのさ。それに自分にできないことを嫌いな相手だろうがなんだろうが頼むことを恥ずかしいとは思わないよ。自分の一言で助かる人がいるなんて幸せなことじゃないか」
「娼婦あがりは忍耐力があって羨ましいわ」
「ふふっ」
「な、なに笑ってんのよ」
「あんた素直なやつだよね。私そういうやつ好きだよ。だから私はあんたを嫌ってないし」
「え?」
「あんたはまだ自分が平民になったことを認められないんだ。だから平民の中でも女性として最後に行きつく娼婦っていうやつを目の敵にして自分は平民は平民でもそういうやつらとは違うって自分に思わせたいんだよ」
「そうよ!実際に高貴なる血筋で国に貢献していた私とただ男と寝るだけで金が得られるあなた達みないな存在が同じなわけないじゃない」
「ただ寝るだけ……ね」
「そうよ媚を売って何人にも身体を許して……。まあでも慣れてしまえば楽な仕事よね。なんの責任もないし。私は王子の婚約者として多くの人の暮らしを良くするために頑張ってきたのよ。とても責任のある素晴らしいことでしょう?」
「あんたは娼婦っていう仕事をわかってないね」
「多くの男と寝るだけの仕事でしょ」
「…………………………」
「な……なによ?」
なんでそんな悲しそうな顔をするのよ。
「きっとそのうちわかるよ。ここには娼婦がたくさん来るから。いやそれだけじゃないね。あんたは平民というものをわかっていない。本当に貴族からは考えられないいろんな苦労がある。あんたがそれに気づいたとき平民に対しての考えが変わればきっとあんたは成長できるよ」
そう言うと去っていくウェンディ。
「な……なんなのよ」
無学の娼婦が。平民についてなどちゃんと習ったわよ。それに屋敷に平民の商人を呼んで何度も話をしたこともあるのだから。
私に無礼な口を聞くなんてあの女……何様なの。
ちょっとありがとうって言われたくらいで嬉しいとか思って損したわ。
「な……なによ。あなたが私をバカにするのがいけないんでしょ!?」
思わずカッとなり言い返すルビー。
「確かに私も悪かったよ、あんたの言うようにお育ちが悪い分口も悪いんだよ。すまないねぇ。でもさあ……私個人じゃなくて娼婦っていう存在を見下すような発言は気に食わないねぇ」
「はあ?何が悪いのよ?何人もの人に身体を許すなんてあり得ないでしょ」
「好きでやってたとでも?」
「そこまでは思っていないわよ。家族に売られたのかしら?それとも恋人?自分でこさえた借金かしら?貧乏人は辛いわね」
はっと鼻で笑うルビー。
「わかっていて……よく同じ女性として侮辱できるね。あんただって今貧乏人だよ。あんたもいつか娼婦になる可能性があることを忘れちゃいけないよ」
「同じ女性だからよ。そんな何人もの男と閨を共にするなんて地獄だわ。娼婦になるくらいなら自分で命を断つわ。私は宰相の孫娘にして王子の婚約者だったのよ?国を担うため努力をしてきた私が……誇り高き私が……ただ客と寝るだけの楽な仕事の娼婦に落ちるなんてあるわけないけれど」
「楽……ね。あんただって下手したら娼館行きだったかもしれないよ」
「はあ?私は治癒魔法が使えるからここにいるのよ。ちょっとやり過ぎて貴族ではなくなってしまったけれど。でも私の才能をご存知の陛下はそれを活かす場に私をお送りになったのよ」
「へー良かったね……」
冷めた声音に気づかぬルビーは鼻高々といった様子で話し続ける。
「ええ血筋だけでなく私には才能もあるものですから」
「男を誑かす才能の方の仕事に追いやられなくて良かったねぇ」
彼女の言葉に至る所からクスクスと忍び笑いが漏れる。
「は?」
「自分の婚約者の弟を好意もないのに誑かしてたんだろ?アリス様が気に入らないからその男を奪おうとしたんだろ?娼婦は気に入らない女の客を奪おうとしたり太客を横取りする娘がいるんだよ。あんたは身体は差し出してないみたいだけど本質的な部分で娼婦と何が違うんだい?あ!だから陛下はあんたを娼館には送らなかったのかもしれないね?だって娼婦を娼館に送っても罰にならないんだから!」
冷静に話していた女性の言葉がだんだん乱暴なものに変わっていく。そして、二人のやり取りを黙って聞いていた周囲からどっと嘲笑の嵐が巻き起こった。
嘲笑の嵐の中でルビーはカーッと頭が、いや体全体に怒りが駆け巡った。
相手に飛び掛かる。
思いっきり相手の女の顔をひっぱたき髪の毛を引っ張っていた。そして、自分も同じように相手にやられていた。
いや、相手以上にやられていた。
気づいたら自分も相手もボロボロになっていた。
その後その状態のまま二人で修道長に丸丸1日お説教された。
自分は悪くないのに。
この女一生許さないと睨みつけると鼻で笑われた。
絶対にぜっっったいに許さない。
とはいうものの何かできるわけもなく……
むしろ態度の悪い傲慢な元貴族娘として仕事以外で相手にしてくれる人がいなくなった。もともとこの修道院には娼館から逃げてきた者、使い物にならなくて捨てられた者、身体を壊した者がたくさんいた為だ。
娼婦ではなかった者も仲間を馬鹿にし続けるルビーに嫌悪を抱くようになった。
一部の人を除いて
「まーたあんたと一緒なの?」
「こっちの台詞よ……」
「まあまあ二人共やめましょう」
仕事以外で話をするのは今や同室のウェンディとビアンカだ。ウェンディははっきりものを言うタイプ、ビアンカはおっとりとした優しい女性だった。
「ウェンディ、こっちも頼むよ」
「あいよー」
ウィンディは燃えるような赤髪を持つ元娼婦の女性。。よく気がつく娘で仕事も早く、性格もざっくばらんとしており周囲の者から慕われている。
「ちょいちょい」
「何よ」
ウェンディ……なんでこいつは話しかけてくるのよ。
「この患者さん私じゃ無理だから、あんたお願い」
「…………………………」
ムスッとしたまま、ざっくりと切れた手を治癒魔法で治す。
「ありがとうございます」
ちょっと、治したのは私なのになぜウェンディを見て言うのよ。
「今日はありがとうね、助かったわ。私に診てほしいって来てくれるのは嬉しいんだけどさー、私治癒魔法が使えるわけでもないし、医療の心得があるわけでもないからあんまり役に立てないんだよね」
仕事が終わり自室に戻ろうとした時に、ニコリと笑顔で言われたありがとうという言葉。
照れくさくなり早口でまた……
「あんたよく私に助けを求めたりできるわよね?娼婦はプライドがないのかしら?」
「はあ?」
「私だったら自分がやってた仕事を馬鹿にするような相手に助けを求める無様な真似はできないわ」
どうして自分はこうなんだろう……
「はは、あんた本当に性格ヤバイよね。まあでもあんたの言う通りあたしは娼婦上がりだよ。だからこそ嫌なヤツとも付き合えるのさ。それに自分にできないことを嫌いな相手だろうがなんだろうが頼むことを恥ずかしいとは思わないよ。自分の一言で助かる人がいるなんて幸せなことじゃないか」
「娼婦あがりは忍耐力があって羨ましいわ」
「ふふっ」
「な、なに笑ってんのよ」
「あんた素直なやつだよね。私そういうやつ好きだよ。だから私はあんたを嫌ってないし」
「え?」
「あんたはまだ自分が平民になったことを認められないんだ。だから平民の中でも女性として最後に行きつく娼婦っていうやつを目の敵にして自分は平民は平民でもそういうやつらとは違うって自分に思わせたいんだよ」
「そうよ!実際に高貴なる血筋で国に貢献していた私とただ男と寝るだけで金が得られるあなた達みないな存在が同じなわけないじゃない」
「ただ寝るだけ……ね」
「そうよ媚を売って何人にも身体を許して……。まあでも慣れてしまえば楽な仕事よね。なんの責任もないし。私は王子の婚約者として多くの人の暮らしを良くするために頑張ってきたのよ。とても責任のある素晴らしいことでしょう?」
「あんたは娼婦っていう仕事をわかってないね」
「多くの男と寝るだけの仕事でしょ」
「…………………………」
「な……なによ?」
なんでそんな悲しそうな顔をするのよ。
「きっとそのうちわかるよ。ここには娼婦がたくさん来るから。いやそれだけじゃないね。あんたは平民というものをわかっていない。本当に貴族からは考えられないいろんな苦労がある。あんたがそれに気づいたとき平民に対しての考えが変わればきっとあんたは成長できるよ」
そう言うと去っていくウェンディ。
「な……なんなのよ」
無学の娼婦が。平民についてなどちゃんと習ったわよ。それに屋敷に平民の商人を呼んで何度も話をしたこともあるのだから。
私に無礼な口を聞くなんてあの女……何様なの。
ちょっとありがとうって言われたくらいで嬉しいとか思って損したわ。
804
あなたにおすすめの小説
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
【完結】白い結婚で生まれた私は王族にはなりません〜光の精霊王と予言の王女〜
白崎りか
ファンタジー
「悪女オリヴィア! 白い結婚を神官が証明した。婚姻は無効だ! 私は愛するフローラを王妃にする!」
即位したばかりの国王が、宣言した。
真実の愛で結ばれた王とその恋人は、永遠の愛を誓いあう。
だが、そこには大きな秘密があった。
王に命じられた神官は、白い結婚を偽証していた。
この時、悪女オリヴィアは娘を身ごもっていたのだ。
そして、光の精霊王の契約者となる予言の王女を産むことになる。
第一部 貴族学園編
私の名前はレティシア。
政略結婚した王と元王妃の間にできた娘なのだけど、私の存在は、生まれる前に消された。
だから、いとこの双子の姉ってことになってる。
この世界の貴族は、5歳になったら貴族学園に通わないといけない。私と弟は、そこで、契約獣を得るためのハードな訓練をしている。
私の異母弟にも会った。彼は私に、「目玉をよこせ」なんて言う、わがままな王子だった。
第二部 魔法学校編
失ってしまったかけがえのない人。
復讐のために精霊王と契約する。
魔法学校で再会した貴族学園時代の同級生。
毒薬を送った犯人を捜すために、パーティに出席する。
修行を続け、勇者の遺産を手にいれる。
前半は、ほのぼのゆっくり進みます。
後半は、どろどろさくさくです。
小説家になろう様にも投稿してます。
婚約破棄された公爵令嬢は冤罪で地下牢へ、前世の記憶を思い出したので、スキル引きこもりを使って王子たちに復讐します!
山田 バルス
ファンタジー
王宮大広間は春の祝宴で黄金色に輝き、各地の貴族たちの笑い声と音楽で満ちていた。しかしその中心で、空気を切り裂くように響いたのは、第1王子アルベルトの声だった。
「ローゼ・フォン・エルンスト! おまえとの婚約は、今日をもって破棄する!」
周囲の視線が一斉にローゼに注がれ、彼女は凍りついた。「……は?」唇からもれる言葉は震え、理解できないまま広間のざわめきが広がっていく。幼い頃から王子の隣で育ち、未来の王妃として教育を受けてきたローゼ――その誇り高き公爵令嬢が、今まさに公開の場で突き放されたのだ。
アルベルトは勝ち誇る笑みを浮かべ、隣に立つ淡いピンク髪の少女ミーアを差し置き、「おれはこの天使を選ぶ」と宣言した。ミーアは目を潤ませ、か細い声で応じる。取り巻きの貴族たちも次々にローゼの罪を指摘し、アーサーやマッスルといった証人が証言を加えることで、非難の声は広間を震わせた。
ローゼは必死に抗う。「わたしは何もしていない……」だが、王子の視線と群衆の圧力の前に言葉は届かない。アルベルトは公然と彼女を罪人扱いし、地下牢への収監を命じる。近衛兵に両腕を拘束され、引きずられるローゼ。広間には王子を讃える喝采と、哀れむ視線だけが残った。
その孤立無援の絶望の中で、ローゼの胸にかすかな光がともる。それは前世の記憶――ブラック企業で心身をすり減らし、引きこもりとなった過去の記憶だった。地下牢という絶望的な空間が、彼女の心に小さな希望を芽生えさせる。
そして――スキル《引きこもり》が発動する兆しを見せた。絶望の牢獄は、ローゼにとって新たな力を得る場となる。《マイルーム》が呼び出され、誰にも侵入されない自分だけの聖域が生まれる。泣き崩れる心に、未来への決意が灯る。ここから、ローゼの再起と逆転の物語が始まるのだった。
貴族令嬢、転生十秒で家出します。目指せ、おひとり様スローライフ
凜
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞にて奨励賞を頂きました。ありがとうございます!
貴族令嬢に転生したリルは、前世の記憶に混乱しつつも今世で恵まれていない環境なことに気が付き、突発で家出してしまう。
前世の社畜生活で疲れていたため、山奥で魔法の才能を生かしスローライフを目指すことにした。しかししょっぱなから魔物に襲われ、元王宮魔法士と出会ったり、はては皇子までやってきてと、なんだかスローライフとは違う毎日で……?
実は家事万能な伯爵令嬢、婚約破棄されても全く問題ありません ~追放された先で洗濯した男は、伝説の天使様でした~
空色蜻蛉
恋愛
「令嬢であるお前は、身の周りのことは従者なしに何もできまい」
氷薔薇姫の異名で知られるネーヴェは、王子に婚約破棄され、辺境の地モンタルチーノに追放された。
「私が何も出来ない箱入り娘だと、勘違いしているのね。私から見れば、聖女様の方がよっぽど箱入りだけど」
ネーヴェは自分で屋敷を掃除したり美味しい料理を作ったり、自由な生活を満喫する。
成り行きで、葡萄畑作りで泥だらけになっている男と仲良くなるが、実は彼の正体は伝説の・・であった。
婚約破棄されたので、隠していた力を解放します
ミィタソ
恋愛
「――よって、私は君との婚約を破棄する」
豪華なシャンデリアが輝く舞踏会の会場。その中心で、王太子アレクシスが高らかに宣言した。
周囲の貴族たちは一斉にどよめき、私の顔を覗き込んでくる。興味津々な顔、驚きを隠せない顔、そして――あからさまに嘲笑する顔。
私は、この状況をただ静かに見つめていた。
「……そうですか」
あまりにも予想通りすぎて、拍子抜けするくらいだ。
婚約破棄、大いに結構。
慰謝料でも請求してやりますか。
私には隠された力がある。
これからは自由に生きるとしよう。
婚約者を奪った妹と縁を切ったので、家から離れ“辺境領”を継ぎました。 すると勇者一行までついてきたので、領地が最強になったようです
藤原遊
ファンタジー
婚約発表の場で、妹に婚約者を奪われた。
家族にも教会にも見放され、聖女である私・エリシアは “不要” と切り捨てられる。
その“褒賞”として押しつけられたのは――
魔物と瘴気に覆われた、滅びかけの辺境領だった。
けれど私は、絶望しなかった。
むしろ、生まれて初めて「自由」になれたのだ。
そして、予想外の出来事が起きる。
――かつて共に魔王を倒した“勇者一行”が、次々と押しかけてきた。
「君をひとりで行かせるわけがない」
そう言って微笑む勇者レオン。
村を守るため剣を抜く騎士。
魔導具を抱えて駆けつける天才魔法使い。
物陰から見守る斥候は、相変わらず不器用で優しい。
彼らと力を合わせ、私は土地を浄化し、村を癒し、辺境の地に息を吹き返す。
気づけば、魔物巣窟は制圧され、泉は澄み渡り、鉱山もダンジョンも豊かに開き――
いつの間にか領地は、“どの国よりも最強の地”になっていた。
もう、誰にも振り回されない。
ここが私の新しい居場所。
そして、隣には――かつての仲間たちがいる。
捨てられた聖女が、仲間と共に辺境を立て直す。
これは、そんな私の第二の人生の物語。
【完結】以上をもちまして、終了とさせていただきます
楽歩
恋愛
異世界から王宮に現れたという“女神の使徒”サラ。公爵令嬢のルシアーナの婚約者である王太子は、簡単に心奪われた。
伝承に語られる“女神の使徒”は時代ごとに現れ、国に奇跡をもたらす存在と言われている。婚約解消を告げる王、口々にルシアーナの処遇を言い合う重臣。
そんな混乱の中、ルシアーナは冷静に状況を見据えていた。
「王妃教育には、国の内部機密が含まれている。君がそれを知ったまま他家に嫁ぐことは……困難だ。女神アウレリア様を祀る神殿にて、王家の監視のもと、一生を女神に仕えて過ごすことになる」
神殿に閉じ込められて一生を過ごす? 冗談じゃないわ。
「お話はもうよろしいかしら?」
王族や重臣たち、誰もが自分の思惑通りに動くと考えている中で、ルシアーナは静かに、己の存在感を突きつける。
※39話、約9万字で完結予定です。最後までお付き合いいただけると嬉しいですm(__)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる