伝える前に振られてしまった私の恋

喜楽直人

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第三章:王太子の想い

5.頑固者の恋

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「未来の王子妃は、何を大声を出しているんだ?」
「れ、レット」
「あら。朴念仁の未来のお義兄さま。おかえりなさいませ」

「朴念仁?」

 エルドレットが首を傾げている間に、アーリーンは部屋の隅へとジュディスを連れて行き、その耳元でけしかけた。

「この国では女性は家も爵位を継ぐこともできますし、国政にも参加できます。強いのです。だから、好きになった男性への想いを、自分から告げることもできるのですわ」

 頑張って下さいね、と励ますとアーリーンは出て行ってしまった。


「なんだ。アーリーンはヤミソンに会いにいってしまうのか」
「ヤミソン様とはご一緒ではなかったのですか?」

「私が? いいや、ヤミソンには急遽仕事を代わって貰っただけだよ。……あぁ、よかった」

 なにやら手を顔のすぐ横に置かれて、瞳を覗き込まれる。
 顔が、近い。

「な、なにか?」

 どきまぎと胸が激しく鼓動した。
 先ほどアーリーンが唆していった言葉が頭を巡る。

「うん、ずっと探していたあなたの瞳と同じ色の翡翠が見つかったと連絡がきてね。実際に目で確かめてみたくなって、出掛けていたんだ。良かった。ちゃんとジュディスの瞳の色と同じだ」

 にっこりと笑って手にした翡翠を見つめる深い青の瞳が、蕩けていた。

「私の瞳の色の石は王宮でたくさん所持しているのだが、翡翠は数が少なくて。どうしても納得できなかったのだけれど、これで婚約のお披露目の際にはお互いの色を身に着けて参加できるね」

 震える唇を、ジュディスは懸命に動かした。

「あの、あのね。レット。わたし、あなたが」

 その言葉の続きを言おうとした時、唇が押さえられた。
 あの、馬車の中と同じ。

 あの時、恋をするなら自分にと言った癖に。
 ジュディスからの告白は、拒否されてしまった。

「その続きについては、できれば私から言わせて貰いたい。許されるならば、庭園に移動して、花束を用意する時間も欲しい。それと……」

「だめ。この国に来たからには、私は、強くなるって決めたの」

 エルドレットの言葉をジュディスはひと言で拒否すると、笑顔でその腕の中へと飛び込んだ。



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感想 8

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みんなの感想(8件)

芹香
2025.10.24 芹香

わ〜、続きがあったんですね♪

エルドレッドとジュディス、きっと二人でよく話し合ったり 良き理解者でいられて、より良い国造りをする国王と王妃になるでしょうね。

面白い物語をありがとうございました。

2025.10.25 喜楽直人

芹香さん、こんばんはですー

エルドレッドさまの想いが伝わってないかなーと思ったの
実は準備大変だったんですよーと書いてみました。

少しはエルドレッドさまのジュディスへの想いが
読者さま達にも伝わるといいなーと思います。

楽しんで貰えたら嬉しいです!

解除
リコ
2025.02.25 リコ

ある意味エルドレッドの告白って究極ですよね。
国1番の腹黒王子がここまでジュディスを信頼していることって凄い事ですよね。自分の背中を安心して預ける事ができる存在は、彼のような立場の人からしてみればとっても貴重な得難い存在だと思います。


2025.02.25 喜楽直人

リコさん、おはようございますー

そうなんです!
伝わって嬉しいですー💖

それでも自己評価の低いジュディスには
それがなかなか伝わらなくて
書いてた私ももどかしいですー ><

解除
ulalume
2025.02.23 ulalume

可愛いお姫様が2人紹介され
次は3人目かな?と思いきや

2人並びました!
可愛い2倍!!

エルド兄様グッジョブ!(笑)

今回ジュディちゃん視点でしたが
アーリーンちゃん視点の
「ジュディお義姉様、素敵!」
もあると良いな、
いやきっとある筈、楽しみ!!
‥と拳握ってます(^^)
いや王子達の想いが主軸かもですけど(笑)


この先も楽しみにお待ちしています!

2025.02.23 喜楽直人

ulalumeさん、おはようございますー

主役が交代するタイプの続き物では、前ヒロインと現ヒロインが
一緒に出てきて仲良くなるお話が好きです💖
倍おいしい気がします( ´艸`)

最後まで楽しんで貰えると嬉しいです!
嬉しい感想ありがとうございました🎶

解除

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