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望まない婚姻
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クズ石に魔力を注ぎ魔石を作る特殊能力を持つバステル子爵家の長女ロクサーヌ。
小さな魔道具店を営んでいた子爵家だが、騎士や冒険者に重宝されていて、防御力を付与した魔石付きの篭手や腕輪が彼らに人気だった。
それに目を付けたアスラーネ侯爵家は、長女を嫁に寄越せと縁談を持ちかけたのだ。それなりの結納金を押し付けられたバルテル子爵家は上位の貴族に従うしかない。
「無理強いをして済まない」というが彼らもまた娘を金の生る木としか見ておらず、さっさと話しを纏めてしまった。
だが、悲しんだのはロクサーヌだけではなかった。
縁談相手が妹マリエッタの恋人シルヴァンだったからだ、愛らしく儚げな美少女の妹はシルヴァンを虜にして「成人したら結婚しよう」と約束を交わしていたのだ。
「どうして!愛し合ってる私達が煮え湯を飲むような辛さに耐えなきゃいけないの!」
マリエッタは両親に抗議したが婚姻の決定は覆るわけもない。
姉は望まない婚姻に苦しみながら、妹へ謝罪する。
「ごめんなさいマリー、どうしようもないの。貴女にも能力があったら違ったかも」
「なによ!お姉様はいつも上からの物言いをして私をバカにするのね、好きで凡才に生まれたわけじゃないのに!」
キーキーとヒステリックに喚くマリエッタの姿はいつもの愛らしさは皆無だ。
辛いのは彼女だけではない、ロクサーヌにも将来を誓い合った相手がいたのだから。それなのに非難を向けられるのは姉のほうばかりだ。マリエッタと引き裂かれたシルヴァンはもちろん怒り狂って、恨み言はすべてロクサーヌへ矛先が向いた。
「お前とは仕方なく結婚はしてやる、だがな心はマリエッタのものだ!分を弁えろ、俺に気易くするな!」
「……はい、肝に銘じます」
子を成すのは嫌だったが、アスラーネ侯爵はロクサーヌの能力を受け継ぐ孫を欲しがった。彼は渋々それに応じなけらばならない。
そして、結婚後。愛のない若夫婦は敷地内の離れに居を設け暮らすことになった。
これはシルヴァンが強く望んだことだ。それくらいの我儘は許せと父親に訴えたのである。
小さな魔道具店を営んでいた子爵家だが、騎士や冒険者に重宝されていて、防御力を付与した魔石付きの篭手や腕輪が彼らに人気だった。
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「無理強いをして済まない」というが彼らもまた娘を金の生る木としか見ておらず、さっさと話しを纏めてしまった。
だが、悲しんだのはロクサーヌだけではなかった。
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「どうして!愛し合ってる私達が煮え湯を飲むような辛さに耐えなきゃいけないの!」
マリエッタは両親に抗議したが婚姻の決定は覆るわけもない。
姉は望まない婚姻に苦しみながら、妹へ謝罪する。
「ごめんなさいマリー、どうしようもないの。貴女にも能力があったら違ったかも」
「なによ!お姉様はいつも上からの物言いをして私をバカにするのね、好きで凡才に生まれたわけじゃないのに!」
キーキーとヒステリックに喚くマリエッタの姿はいつもの愛らしさは皆無だ。
辛いのは彼女だけではない、ロクサーヌにも将来を誓い合った相手がいたのだから。それなのに非難を向けられるのは姉のほうばかりだ。マリエッタと引き裂かれたシルヴァンはもちろん怒り狂って、恨み言はすべてロクサーヌへ矛先が向いた。
「お前とは仕方なく結婚はしてやる、だがな心はマリエッタのものだ!分を弁えろ、俺に気易くするな!」
「……はい、肝に銘じます」
子を成すのは嫌だったが、アスラーネ侯爵はロクサーヌの能力を受け継ぐ孫を欲しがった。彼は渋々それに応じなけらばならない。
そして、結婚後。愛のない若夫婦は敷地内の離れに居を設け暮らすことになった。
これはシルヴァンが強く望んだことだ。それくらいの我儘は許せと父親に訴えたのである。
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