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嫁の務め
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嫁いで早々にロクサーヌは山と積まれたクズ石と格闘することになった、侯爵という高い地位にありながらなんと浅ましいことだと彼女は呆れた。義両親となったアスラーネ侯爵夫妻は作れば、作るほど儲かると信じているようだ。
ロクサーヌは「それはとんだ勘違いだ」と諫める。
「ノルマが一日千個とは……あまりに多過ぎます。それに集中力が途切れば品質も悪くなるのですよ。それに魔力を枯渇したら数日は動けなくなります。私を消耗品とお考えでしたら暇させていただきます」
彼女の言葉を聞いた夫妻は大慌てで非人道的な事をするつもりではないと言い訳する。いくら高位貴族であろうと嫁を酷使して死なせては外聞が悪い。
「で、ではどれくらいが高品質を保つ数量なのかね?」
侯爵は顎髭を撫でながら嫁の出方を覗う、縁談を持ち込んだ時と同じにその相貌は胡散臭いとロクサーヌは思う。
「はい、義父様。私を使い潰すつもりがないのならば、日に百個が限界です。品質が粗悪で良ければ千でも良いですが売れるようなものではありせん」
現実を知らされた業突く張りの夫妻はかなり渋い顔をした、どれほどボロ儲けできると考えていたのやら。
「わかった、品質が悪くては意味が無い。其方の魔力と体力に任せる」
「ご理解いただけて恐縮です、それから作業中は神経を使いますので工房に籠らせていただきますね。見物や監視はされませんようにお願いします。侍女たちの出入りも邪魔ですので控えて下さい」
仕事中の集中力の配慮をお願いしたロクサーヌであるが、夫人は気に入らない様子だ。
「あなた!嫁の分際で私達を邪魔だと言うの!なんて無礼なのかしら!貴女程度の小娘が作れるなら誰にでも出来るのではなくって?」
おそらく魔力を込める作業を盗み見て、真似事でも企てていたと見られる夫人は顔を赤くして腹を立てた。コツや秘技を盗んでしまえば下位貴族の嫁など要らないとでも思ったのだろうか。
「そうですか、ならば今この場で試作品をひとつ作ってご覧に入れます」
「あら、それなら見せて頂戴!」
夫人は爛々と目を輝かせて強欲な顔を隠そうともしない、ロクサーヌの動き一つ見逃すまいと彼女の手元を注視する。それは侯爵当主も同様だった。
そんな彼らに軽蔑の視線を投げるとロクサーヌは小程度の防御の力を込めた。その作業は僅か数秒だ。
彼女の手の平に転がる元クズ石は薄灰から淡い青に変化していた。
手の中に納めて封入するだけの作業を見た夫人は「どういう仕掛けなのよ!」と金切声を上げた。
「どうもこうもありません、いつも通りの作業をしたまで。軽く物理防御を付与しました、効果は小程度で耐久日数は半月くらいですよ、値を付けるならそこそこです」
説明する嫁の話を聞く気がないのか、夫妻は魔石に変化したものを取り上げて見分に忙しいようだ。
「……ヤレヤレ先が思いやられるわ」
ロクサーヌは「それはとんだ勘違いだ」と諫める。
「ノルマが一日千個とは……あまりに多過ぎます。それに集中力が途切れば品質も悪くなるのですよ。それに魔力を枯渇したら数日は動けなくなります。私を消耗品とお考えでしたら暇させていただきます」
彼女の言葉を聞いた夫妻は大慌てで非人道的な事をするつもりではないと言い訳する。いくら高位貴族であろうと嫁を酷使して死なせては外聞が悪い。
「で、ではどれくらいが高品質を保つ数量なのかね?」
侯爵は顎髭を撫でながら嫁の出方を覗う、縁談を持ち込んだ時と同じにその相貌は胡散臭いとロクサーヌは思う。
「はい、義父様。私を使い潰すつもりがないのならば、日に百個が限界です。品質が粗悪で良ければ千でも良いですが売れるようなものではありせん」
現実を知らされた業突く張りの夫妻はかなり渋い顔をした、どれほどボロ儲けできると考えていたのやら。
「わかった、品質が悪くては意味が無い。其方の魔力と体力に任せる」
「ご理解いただけて恐縮です、それから作業中は神経を使いますので工房に籠らせていただきますね。見物や監視はされませんようにお願いします。侍女たちの出入りも邪魔ですので控えて下さい」
仕事中の集中力の配慮をお願いしたロクサーヌであるが、夫人は気に入らない様子だ。
「あなた!嫁の分際で私達を邪魔だと言うの!なんて無礼なのかしら!貴女程度の小娘が作れるなら誰にでも出来るのではなくって?」
おそらく魔力を込める作業を盗み見て、真似事でも企てていたと見られる夫人は顔を赤くして腹を立てた。コツや秘技を盗んでしまえば下位貴族の嫁など要らないとでも思ったのだろうか。
「そうですか、ならば今この場で試作品をひとつ作ってご覧に入れます」
「あら、それなら見せて頂戴!」
夫人は爛々と目を輝かせて強欲な顔を隠そうともしない、ロクサーヌの動き一つ見逃すまいと彼女の手元を注視する。それは侯爵当主も同様だった。
そんな彼らに軽蔑の視線を投げるとロクサーヌは小程度の防御の力を込めた。その作業は僅か数秒だ。
彼女の手の平に転がる元クズ石は薄灰から淡い青に変化していた。
手の中に納めて封入するだけの作業を見た夫人は「どういう仕掛けなのよ!」と金切声を上げた。
「どうもこうもありません、いつも通りの作業をしたまで。軽く物理防御を付与しました、効果は小程度で耐久日数は半月くらいですよ、値を付けるならそこそこです」
説明する嫁の話を聞く気がないのか、夫妻は魔石に変化したものを取り上げて見分に忙しいようだ。
「……ヤレヤレ先が思いやられるわ」
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