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遊学篇
メロル再び
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カフェを後にした4人は目当てのエプロンドレス探しに向かう。
「ね、ついでに製菓道具も買わない?」
「そうね、面白いクッキー型があればと思ってたの!」
楽しく笑う女子達をそれぞれ思い人に見とれる男達。しばらく歩くとファンシーな雑貨店が目に入った。
「わぁ原色ピンク……」
ポップと呼べば聞こえは良いが、ドピンクの屋根とペールブルーの壁の店は客を選ぶ。
女子はともかく男子にはキツイ配色だ。
「他にしましょ、普通の雑貨店へ」
「そ、そうね!これはないわー」
すると店の奥からこれまたド派手なドレスを着た店員達が店頭で宣伝を始めた。
「本日かいてーん!キュートポップな雑貨店、ファンシーショップメロロンでぇーす!」
「よろしくお願いしまーす!本日10%オーフ!」
ちらりとショーケースを見れば、ティッシュからテーブルなどの日用品がドピンクとブルー時々ドットで揃っていた。
「目が痛い」
「無理」
「さっさと行こう」
「同意」
4人は呼び込み達と目線を外して足早に通り抜けた……のだが。
「あー!!セイン様ァ!愛しのセイン様ァ!みーっけ!」
「げっ!あの時の変な子!」
こちらを追って来るピンクドレスの子を避けるアイリス。
その子は真っすぐセインに飛びついた、きょうは運悪く?従者がいない。避けきれなかったセイン王子は受け止めるしかなかった。
「セインー♪セイン王子ぃ私の王子様ァ♡♡♡」
無遠慮にツインテの頭をセインの胸元へゴリゴリ押し付ける娘は、がっちりホールドして離さない。
「は、離れたまえ!いきなりなんだキミは!」
「えぇ?メロルですぅ忘れるわけないよねぇ、あー!照れてるんですねぇ!キャー♡そんなトコも好き♡」
ひとりで突っ走るメロルという娘に全員が固まる。
「メロル!店番をサボってなにをしてる!お客様に迷惑だろう!」
「父様!この人!この人よ、メロルの運命の王子様!」
父と呼ばれた男が義憤に満ちた顔でやってきて叫んだ。
「貴様か、可愛いうちの姫を誑かしてるエセ王子というのは!」
「は?」
エセ王子と呼ばれたセイン王子はキョトリとしている。
「私はそんな名前じゃないよな?」
「セイン殿下、偽物って言われてるんですよ、似非です」
それを聞いた王子は矜持を傷つけられて流石に笑い飛ばすことはなかった、真顔になりメロルの父を見据えた。
「小娘の無礼くらいは見逃そうと思ったが……デイビクト王家の一員として侮辱は許せん」
王子が手を挙げると6人の従者たちが現れた、メロル親子は乱暴に地に伏せられた。
「デイビクト王国第4王子セインミュルドの名のもと捕縛する、国際問題として発展するかは貴様の態度次第だ」
「ま、まさか本物?嘘だろう……なんで下町に王子が」
「え?セイン?どうして?」
「貴様に愛称で呼ぶことを許していない、不愉快だ」
グルグル巻きにされた親子は連れ去られた、恐らくベルグリーン城へ……。
姿が消えるまでメロルの泣き叫ぶ声がずっと続いた。
「ごめん、せっかくのデートに水を注して。さぁエプロンを買いに行こう」
「え?いいんですか、あの親子をほっといて」
下手人ごときに楽しい休日を台無しにされたくないと、王子はそう言って率先して歩く。
それもそうかと他3人もさっきの珍事を忘却して歩いた。
普通の雑貨店を見つけた4人は無事に買い物を楽しんだ。
エプロンドレスを2種類選んで上機嫌のアイリス。
「なぜ、汚れそうな白ばかりなんだろう?」
「清潔を保つための意味らしいわ、毎日綺麗な作業服に着替えて作ってると示すの」
「なるほどね」
料理人に感謝しなきゃならないなと言った王子は何事か悩んでいた。
「ね、ついでに製菓道具も買わない?」
「そうね、面白いクッキー型があればと思ってたの!」
楽しく笑う女子達をそれぞれ思い人に見とれる男達。しばらく歩くとファンシーな雑貨店が目に入った。
「わぁ原色ピンク……」
ポップと呼べば聞こえは良いが、ドピンクの屋根とペールブルーの壁の店は客を選ぶ。
女子はともかく男子にはキツイ配色だ。
「他にしましょ、普通の雑貨店へ」
「そ、そうね!これはないわー」
すると店の奥からこれまたド派手なドレスを着た店員達が店頭で宣伝を始めた。
「本日かいてーん!キュートポップな雑貨店、ファンシーショップメロロンでぇーす!」
「よろしくお願いしまーす!本日10%オーフ!」
ちらりとショーケースを見れば、ティッシュからテーブルなどの日用品がドピンクとブルー時々ドットで揃っていた。
「目が痛い」
「無理」
「さっさと行こう」
「同意」
4人は呼び込み達と目線を外して足早に通り抜けた……のだが。
「あー!!セイン様ァ!愛しのセイン様ァ!みーっけ!」
「げっ!あの時の変な子!」
こちらを追って来るピンクドレスの子を避けるアイリス。
その子は真っすぐセインに飛びついた、きょうは運悪く?従者がいない。避けきれなかったセイン王子は受け止めるしかなかった。
「セインー♪セイン王子ぃ私の王子様ァ♡♡♡」
無遠慮にツインテの頭をセインの胸元へゴリゴリ押し付ける娘は、がっちりホールドして離さない。
「は、離れたまえ!いきなりなんだキミは!」
「えぇ?メロルですぅ忘れるわけないよねぇ、あー!照れてるんですねぇ!キャー♡そんなトコも好き♡」
ひとりで突っ走るメロルという娘に全員が固まる。
「メロル!店番をサボってなにをしてる!お客様に迷惑だろう!」
「父様!この人!この人よ、メロルの運命の王子様!」
父と呼ばれた男が義憤に満ちた顔でやってきて叫んだ。
「貴様か、可愛いうちの姫を誑かしてるエセ王子というのは!」
「は?」
エセ王子と呼ばれたセイン王子はキョトリとしている。
「私はそんな名前じゃないよな?」
「セイン殿下、偽物って言われてるんですよ、似非です」
それを聞いた王子は矜持を傷つけられて流石に笑い飛ばすことはなかった、真顔になりメロルの父を見据えた。
「小娘の無礼くらいは見逃そうと思ったが……デイビクト王家の一員として侮辱は許せん」
王子が手を挙げると6人の従者たちが現れた、メロル親子は乱暴に地に伏せられた。
「デイビクト王国第4王子セインミュルドの名のもと捕縛する、国際問題として発展するかは貴様の態度次第だ」
「ま、まさか本物?嘘だろう……なんで下町に王子が」
「え?セイン?どうして?」
「貴様に愛称で呼ぶことを許していない、不愉快だ」
グルグル巻きにされた親子は連れ去られた、恐らくベルグリーン城へ……。
姿が消えるまでメロルの泣き叫ぶ声がずっと続いた。
「ごめん、せっかくのデートに水を注して。さぁエプロンを買いに行こう」
「え?いいんですか、あの親子をほっといて」
下手人ごときに楽しい休日を台無しにされたくないと、王子はそう言って率先して歩く。
それもそうかと他3人もさっきの珍事を忘却して歩いた。
普通の雑貨店を見つけた4人は無事に買い物を楽しんだ。
エプロンドレスを2種類選んで上機嫌のアイリス。
「なぜ、汚れそうな白ばかりなんだろう?」
「清潔を保つための意味らしいわ、毎日綺麗な作業服に着替えて作ってると示すの」
「なるほどね」
料理人に感謝しなきゃならないなと言った王子は何事か悩んでいた。
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