学園の俺様と、辺境地の僕

そらうみ

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前編

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 その日から、僕は毎日、マイクとジャン、そしてルーンの四人で昼食を取ることとなった。
 座席はいつも決まっていて、僕の隣にルーンが座り、前にはマイク、斜め前にジャンが座った。
 ジャンは基本的に授業の内容を話して、たまに僕に色々と尋ねてくる。
 マイクはひたすら食べるか相槌を打つしかしていなくて、ルーンに関しては何故かほとんど話さず、いつも横から視線を感じている。
 周りは僕ら4人が一緒にいるのに気にはなっているものの、邪魔をすることなく、遠巻きに観察されていた。
 
そんなある日、ジャンが僕にあの話題を振ってきた。
「そういえばカイル、もうすぐダンスパーティーがあるけれど、パートナーは決まったのかい?」
 隣に座るルーンがびくりと動いた。僕は気にせずに答える。
「いえ、まだです」
「そうなんだ?マイクは?」
「僕は婚約者がいるので」
「ジャン様はどなたと?」
 僕がジャンに尋ねる。
「俺もまだなんだよ。婚約者はいるんだけどね、お互い自由にしててさ。互いに友達を仮パートナーにして参加する予定」
「本当に自由なんですね」
「まあね。学生だけの催しだし、お互いこういう時は自由に過ごすようにしている」
「では、ルーン様と参加されるのですか?」
「俺はジャンとは仮パートナーにはならない」
 珍しくルーンが会話に入ってきた。
 ジャンはルーンをチラリと横目で見て、再び僕を見る。
「カイル、ルーンと仮パートナーになれば?」
「いえ、以前お断りしていますので」
「今なら見知った仲だろう?別に一度くらい、一緒に参加してみては?」
 ジャンは微笑みながらカイルを見ているが、いつもとは違い、目が笑っていなかった。
 僕はジャンを見て黙ってしまう。
 すると、ルーンが隣から割り込んできた。
「ジャン、仮パートナーは俺が決めるし、誘うなら自分で誘う。余計なお世話は止めろ」
「そう?じゃあ黙ってるけど…このままだと、間に合いそうにもないね」
 そう言ってジャンは席を立ち、ルーンも後に続いた。
 席を立つときルーンはカイルに何か言いたそうにしていたが、結局何も言わずにそのまま席を立った。
「…はぁ~~~。辛かった…」
二人が去ってしばらくしてから、マイクが思いっきり息を吐いた。
「巻き込んで…ごめん」
「いや…実際俺はこの席に座っているだけだし…カイル、ダンスパーティーのパートナーどうするんだ?」
「僕はパーティー自体に興味はないから、欠席しようかと思ってる」
「だろうと思ったよ…。正直、ルーンの誘いを断って参加するなんて不可能だしな…」
「…」
 僕は小さくため息をついた。
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