18 / 50
第二章 神器
観光
しおりを挟む
決意は固まった。
お姉ちゃんを助けるために僕は陰陽師となって、頂点を目指す……いや、頂点まで行く必要があるのかはちょっと謎だけど、とりあえず、それを目標に。
僕は陰陽頭と会話してみて、そう決意した。
「大丈夫だったかしらぁ?あの陰陽頭から変なことされていないかしらぁ?ずいぶんと個性的なお人だからぁ、あの人は」
「うん。特に問題はなかったですよ。ちゃんと真面目な話をしてきましたよ……なお服装にはちょっと面くらいましたけど」
「あぁ……」
陰陽頭さんはまず、お姉ちゃんの容態を責任もって確認し、どうすれば治るのか。
何をすればいいのか。
その道筋を示せるようにしてくれると言ってくれた。
一旦はそれを信じ、待ってみることにしよう。
「それで?涼音と真莉愛の二人は何処に行ったんですか?」
陰陽頭との話を終え、自分が三人と別れた際の部屋に戻ってきた僕は首をかしげる。
別れたときにいたはずの涼音と真莉愛が戻ってくると、いなくなっていたからだ。この部屋にいたのは赤羽先生だけだった。
「あー。あの二人はちょっと生家の方に呼ばれちゃったいるわぁ」
「なるほど……そういえば、涼音の親なんて見たことがなかったなぁ」
涼音とは小学生からの幼馴染で、付き合いもかなり長いと思っている。
その上で、僕は涼音の親を見たことはない。
まぁ、ずっと小中高とクラスが同じで、結構遊びに行ったりはしていたけど、互いに自分の家に行こうとはしなかったからな。僕の家もちょっとあれだったし……それに、ここ最近はほとんど二人で遊んだりということもなくなっていたから。
僕が涼音の親を見たことがないのも自然だったのかもしれない。
「涼音も、ちゃんとしたところの陰陽師家の人間なんでしょう?」
「えぇ。まぁ、そうねぇ……」
「うぅん。ちょっと意外かもですね」
「……そうかしらぁ?」
「うん。一緒に遊んでいたあの子が実はとんでもない名家の子でした!なんて言われたら、そりゃ驚くでしょう?」
「ふふっ。だとしたら、涼音の方が驚いていると思うわよぉ?一般人だと思っていた友達がとんでもない強さを持っているのだものぉ」
「まぁ、それもそうですね」
僕の方がびっくりか。
なんか特殊な剣を継承した?みたいだし?僕は。
そっちの方が驚くか。普通は。
「それでぇ、結局、優斗君は陰陽師になってくれるかしらぁ?」
「なりますよ。それがお姉ちゃんを助けるための方法なのだとしたら」
「そうぅー。ありがとうねぇ?」
「僕は僕の為に戦うんです。お礼を言われるようなことではないですよ」
「そんなのは当たり前よぉ。その上で、陰陽師として戦ってくれることに感謝しているのよぉ。陰陽師は、誰がなんといおうと、誰かを助けるために命を懸けて戦う職業なのだからぁ」
「そうですか。なら、先ほどのお礼も素直に受け取っておきますね?」
「はいぃー。ぜひ、そうしておいてぇ?」
僕は赤羽先生と言葉を交わしていた中で。
「優斗!」
いきなり、部屋へと入るためのふすまが大きく開かれる。
「……何?」
そちらの方に視線を向ければ、そこにいるのは涼音だった。
「さっさと家の人間との話を片付けて帰ってきてあげたわ。本当は貴方が戻ってくるよりも前に帰ってくるつもりだったのに……先を越されたわ。もっと長く話していなさいよ」
「えぇ?そんな理不尽なことを言われることある?」
「まぁ、良いわ。私は寛大だから許してあげる」
「あー。そう。ありがとう」
「えぇ、存分に感謝して頂戴。それで?貴方はまだ、この陰陽寮の方を観光していないわよね?」
「うん。していないね。したいな、って、思っているよ」
「じゃあ、感謝しなさい?私が案内してあげるわ!」
「うん。ありがとー。じゃあ、案内して?僕はちょっとお腹空いているから、ここしかない!みたいな感じの夜ご飯を食べられるところに連れていって」
「お安い御用よ!私のおすすめのところに連れて行ってあげるわ!歴史が積み重なれた本物の日本料理という者を貴方に見せてあげる!」
「楽しみにしている」
現地人らしい涼音に任せておけば、良い感じに楽しませてくれるでしょう。
「それじゃあ、赤羽先生。私たちはここで失礼するわ。色々とありがとうね」
「ありがとうございました」
「楽しんできてねぇー」
「私が楽しませるのよ?楽しめるに決まっているわ!」
「はぁーい」
僕と涼音は赤羽先生に見送られ、大きな建物から再び、外の陰陽寮へと繰り出した。
お姉ちゃんを助けるために僕は陰陽師となって、頂点を目指す……いや、頂点まで行く必要があるのかはちょっと謎だけど、とりあえず、それを目標に。
僕は陰陽頭と会話してみて、そう決意した。
「大丈夫だったかしらぁ?あの陰陽頭から変なことされていないかしらぁ?ずいぶんと個性的なお人だからぁ、あの人は」
「うん。特に問題はなかったですよ。ちゃんと真面目な話をしてきましたよ……なお服装にはちょっと面くらいましたけど」
「あぁ……」
陰陽頭さんはまず、お姉ちゃんの容態を責任もって確認し、どうすれば治るのか。
何をすればいいのか。
その道筋を示せるようにしてくれると言ってくれた。
一旦はそれを信じ、待ってみることにしよう。
「それで?涼音と真莉愛の二人は何処に行ったんですか?」
陰陽頭との話を終え、自分が三人と別れた際の部屋に戻ってきた僕は首をかしげる。
別れたときにいたはずの涼音と真莉愛が戻ってくると、いなくなっていたからだ。この部屋にいたのは赤羽先生だけだった。
「あー。あの二人はちょっと生家の方に呼ばれちゃったいるわぁ」
「なるほど……そういえば、涼音の親なんて見たことがなかったなぁ」
涼音とは小学生からの幼馴染で、付き合いもかなり長いと思っている。
その上で、僕は涼音の親を見たことはない。
まぁ、ずっと小中高とクラスが同じで、結構遊びに行ったりはしていたけど、互いに自分の家に行こうとはしなかったからな。僕の家もちょっとあれだったし……それに、ここ最近はほとんど二人で遊んだりということもなくなっていたから。
僕が涼音の親を見たことがないのも自然だったのかもしれない。
「涼音も、ちゃんとしたところの陰陽師家の人間なんでしょう?」
「えぇ。まぁ、そうねぇ……」
「うぅん。ちょっと意外かもですね」
「……そうかしらぁ?」
「うん。一緒に遊んでいたあの子が実はとんでもない名家の子でした!なんて言われたら、そりゃ驚くでしょう?」
「ふふっ。だとしたら、涼音の方が驚いていると思うわよぉ?一般人だと思っていた友達がとんでもない強さを持っているのだものぉ」
「まぁ、それもそうですね」
僕の方がびっくりか。
なんか特殊な剣を継承した?みたいだし?僕は。
そっちの方が驚くか。普通は。
「それでぇ、結局、優斗君は陰陽師になってくれるかしらぁ?」
「なりますよ。それがお姉ちゃんを助けるための方法なのだとしたら」
「そうぅー。ありがとうねぇ?」
「僕は僕の為に戦うんです。お礼を言われるようなことではないですよ」
「そんなのは当たり前よぉ。その上で、陰陽師として戦ってくれることに感謝しているのよぉ。陰陽師は、誰がなんといおうと、誰かを助けるために命を懸けて戦う職業なのだからぁ」
「そうですか。なら、先ほどのお礼も素直に受け取っておきますね?」
「はいぃー。ぜひ、そうしておいてぇ?」
僕は赤羽先生と言葉を交わしていた中で。
「優斗!」
いきなり、部屋へと入るためのふすまが大きく開かれる。
「……何?」
そちらの方に視線を向ければ、そこにいるのは涼音だった。
「さっさと家の人間との話を片付けて帰ってきてあげたわ。本当は貴方が戻ってくるよりも前に帰ってくるつもりだったのに……先を越されたわ。もっと長く話していなさいよ」
「えぇ?そんな理不尽なことを言われることある?」
「まぁ、良いわ。私は寛大だから許してあげる」
「あー。そう。ありがとう」
「えぇ、存分に感謝して頂戴。それで?貴方はまだ、この陰陽寮の方を観光していないわよね?」
「うん。していないね。したいな、って、思っているよ」
「じゃあ、感謝しなさい?私が案内してあげるわ!」
「うん。ありがとー。じゃあ、案内して?僕はちょっとお腹空いているから、ここしかない!みたいな感じの夜ご飯を食べられるところに連れていって」
「お安い御用よ!私のおすすめのところに連れて行ってあげるわ!歴史が積み重なれた本物の日本料理という者を貴方に見せてあげる!」
「楽しみにしている」
現地人らしい涼音に任せておけば、良い感じに楽しませてくれるでしょう。
「それじゃあ、赤羽先生。私たちはここで失礼するわ。色々とありがとうね」
「ありがとうございました」
「楽しんできてねぇー」
「私が楽しませるのよ?楽しめるに決まっているわ!」
「はぁーい」
僕と涼音は赤羽先生に見送られ、大きな建物から再び、外の陰陽寮へと繰り出した。
20
あなたにおすすめの小説
付きまとう聖女様は、貧乏貴族の僕にだけ甘すぎる〜人生相談がきっかけで日常がカオスに。でも、モテたい願望が強すぎて、つい……〜
咲月ねむと
ファンタジー
この乙女ゲーの世界に転生してからというもの毎日教会に通い詰めている。アランという貧乏貴族の三男に生まれた俺は、何を目指し、何を糧にして生きていけばいいのか分からない。
そんな人生のアドバイスをもらうため教会に通っているのだが……。
「アランくん。今日も来てくれたのね」
そう優しく語り掛けてくれるのは、頼れる聖女リリシア様だ。人々の悩みを静かに聞き入れ、的確なアドバイスをくれる美人聖女様だと人気だ。
そんな彼女だが、なぜか俺が相談するといつも様子が変になる。アドバイスはくれるのだがそのアドバイス自体が問題でどうも自己主張が強すぎるのだ。
「お母様のプレゼントは何を買えばいい?」
と相談すれば、
「ネックレスをプレゼントするのはどう? でもね私は結婚指輪が欲しいの」などという発言が飛び出すのだ。意味が分からない。
そして俺もようやく一人暮らしを始める歳になった。王都にある学園に通い始めたのだが、教会本部にそれはもう美人な聖女が赴任してきたとか。
興味本位で俺は教会本部に人生相談をお願いした。担当になった人物というのが、またもやリリシアさんで…………。
ようやく俺は気づいたんだ。
リリシアさんに付きまとわれていること、この頻繁に相談する関係が実は異常だったということに。
距離を置きたい女子たちを助けてしまった結果、正体バレして迫られる
歩く魚
恋愛
かつて、命を懸けて誰かを助けた日があった。
だがその記憶は、頭を打った衝撃とともに、綺麗さっぱり失われていた。
それは気にしてない。俺は深入りする気はない。
人間は好きだ。けれど、近づきすぎると嫌いになる。
だがそんな俺に、思いもよらぬ刺客が現れる。
――あの日、俺が助けたのは、できれば関わりたくなかった――距離を置きたい女子たちだったらしい。
落ちこぼれの貴族、現地の人達を味方に付けて頑張ります!
ユーリ
ファンタジー
気がつくと、見知らぬ部屋のベッドの上で、状況が理解できず混乱していた僕は、鏡の前に立って、あることを思い出した。
ここはリュカとして生きてきた異世界で、僕は“落ちこぼれ貴族の息子”だった。しかも最悪なことに、さっき行われた絶対失敗出来ない召喚の儀で、僕だけが失敗した。
そのせいで、貴族としての評価は確実に地に落ちる。けれど、両親は超が付くほど過保護だから、家から追い出される心配は……たぶん無い。
問題は一つ。
兄様との関係が、どうしようもなく悪い。
僕は両親に甘やかされ、勉強もサボり放題。その積み重ねのせいで、兄様との距離は遠く、話しかけるだけで気まずい空気に。
このまま兄様が家督を継いだら、屋敷から追い出されるかもしれない!
追い出されないように兄様との関係を改善し、いざ追い出されても生きていけるように勉強して強くなる!……のはずが、勉強をサボっていたせいで、一般常識すら分からないところからのスタートだった。
それでも、兄様との距離を縮めようと努力しているのに、なかなか縮まらない! むしろ避けられてる気さえする!!
それでもめげずに、今日も兄様との関係修復、頑張ります!
5/9から小説になろうでも掲載中
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
風魔法を誤解していませんか? 〜混ぜるな危険!見向きもされない風魔法は、無限の可能性を秘めていました〜
大沢ピヨ氏
ファンタジー
地味で不遇な風魔法──でも、使い方しだいで!?
どこにでもいる男子高校生が、意識高い系お嬢様に巻き込まれ、毎日ダンジョン通いで魔法検証&お小遣い稼ぎ! 目指せ収入UP。 検証と実験で、風と火が火花を散らす!? 青春と魔法と通帳残高、ぜんぶ大事。 風魔法、実は“混ぜるな危険…
男:女=1:10000の世界に来た記憶が無いけど生きる俺
マオセン
ファンタジー
突然公園で目覚めた青年「優心」は身辺状況の記憶をすべて忘れていた。分かるのは自分の名前と剣道の経験、常識くらいだった。
その公園を通りすがった「七瀬 椿」に話しかけてからこの物語は幕を開ける。
彼は何も記憶が無い状態で男女比が圧倒的な世界を生き抜けることができるのか。
そして....彼の身体は大丈夫なのか!?
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
無能扱いされ会社を辞めさせられ、モフモフがさみしさで命の危機に陥るが懸命なナデナデ配信によりバズる~色々あって心と音速の壁を突破するまで~
ぐうのすけ
ファンタジー
大岩翔(オオイワ カケル・20才)は部長の悪知恵により会社を辞めて家に帰った。
玄関を開けるとモフモフ用座布団の上にペットが座って待っているのだが様子がおかしい。
「きゅう、痩せたか?それに元気もない」
ペットをさみしくさせていたと反省したカケルはペットを頭に乗せて大穴(ダンジョン)へと走った。
だが、大穴に向かう途中で小麦粉の大袋を担いだJKとぶつかりそうになる。
「パンを咥えて遅刻遅刻~ではなく原材料を担ぐJKだと!」
この奇妙な出会いによりカケルはヒロイン達と心を通わせ、心に抱えた闇を超え、心と音速の壁を突破する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる