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第二章 神器
陰陽頭
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陰陽寮へと連れてこられた僕はそのまま、そこの中心部にあった一番大きな建物へと連れてこさせられていた。
陰陽頭がいるらしいここで、陰陽頭に会う。それが僕のやるべきことだった。
「……僕が、一人で進むの?」
そんな僕は今、独りぼっちだった。
付き添いでいたはずの赤羽先生に涼音と真莉愛。その三人は陰陽頭に会う許可が起きていないとかで会うことは出来ないらしい。
陰陽頭と会うことが出来るのは僕だけ。
そんな理由で僕は真莉愛から裏世界で戦った時に使った刀を何故か渡された状態で、一人、大きな建物の中を歩いいていた……陰陽頭に会うというのに武装解除はしなくていいのだろうか?
「はぁー」
いきなり知らない世界に連れてこられて、そこの世界のトップに僕が一人で会いに行け。そんな理不尽なことがあるのだろうか?
許せない。
自分が今、進んでいる長い廊下。
そこを抜けた先に陰陽頭がいるらしい。そんなところを内心で不満を並べながら進んでいく。
「……ここを、開ければいいのかな?」
その長い廊下を抜けた先にあったふすま。
そこを僕はおそるおそる開く。
「おー!よく来たねっ!待っていたよっ!」
そんな僕を待っていたのはハイテンションな一人の中年男性……いや、中年男性というには若すぎる青年だった。三十代くらいかな?
そんな男の人は何故か、パリコレでしか見ないような突飛な服を着て僕のことを待っていた。
「え、えぇ……?」
そんな男性を見て、僕は困惑の言葉を漏らす。
マジで……いや、本当にどういうことなんだ。何で、こんな変な恰好をした男性がいるの?
「まずは始めまして。私が陰陽頭の土御門だよ。気軽に土御門と呼んでくれ」
「は、はぁ……」
そんな強烈過ぎる人物の存在を前に、僕は困惑の声を漏らすことしかできなかった。
「さぁ、座ってくれ」
「……はい」
僕が面くらっている間に、目の前にいる土御門さんは色々と進めていく。
「まずは、その手にある剣を抜いてみせてはくれないかい?」
「これですか?」
「あぁ、そうだ」
「……別にいいですけど」
未だに見た目の衝撃のデカさから帰って来れていない僕は、変な恰好で真面目腐った口調へと急に移行した土御門さんの言葉に従い、真莉愛から持たされていた刀を抜く。
「お、おぉ……本当に、それが引き抜けるのか」
そんな僕を見て、土御門さんは驚きの声を上げる。
「……もしかして、これってなんかヤバい奴だったりする?」
「そうだね。その剣は日本に古くから残されている神器、と呼ばれる特殊な武器でね。強力な力を持っている反面、扱える人が限られているような剣でね。長らく、それを振るえるような継承者は現れなかった」
「……ッ!?そ、そんな凄い武器なの!?」
「あぁ、そうだ……」
「……」
まぁ、でも、それもそうなのかも……概念ごと斬る武器とかあまりにも強すぎるしなぁ。確かに普通の武器の性能ではなかった。
「君は、その武器によって選ばれた人間なんだよ」
「……」
もしかして、僕ってば結構凄いことした?知らず知らずのうちに。
「それで、本題に入ろう。まず、我々陰陽師は今、危機に瀕している」
「えっ?そうなんですか?」
「あぁ、そうなんだ。我々は著しい危機に瀕していると言ってもいい。我々陰陽師の勢力は衰退し続けるような中で、妖魔たちだけが強くなっていっているのだ。いずれ、勝てなくなる……そんな、予想さえされ始めていた」
「……ッ」
それは、不味いんじゃ。
「そんな中で、君が現れた。その神器を継承した君が。我々にとって、明るいニュースであると言わざるを得ない」
「……」
おも、思ったよりも、思ったよりも僕への期待大きい……?
「単刀直入に話そうか。私は、君が陰陽師となり、今の日本の現状を変えてくれることを期待している。期待してしまっている。当然、君には私の提案を断る権利を持っている。その上で、聞いてほしい。どうか、私の為に陰陽師にはなってくれないだろうか?君のような子に頼るほか、日本を守れそうにない弱き私の為に」
「……それへと答える前に、一つだけ、聞かせてください」
「なんだろうか?」
色々な事情は聞いた。
でも、その上で僕がやりたいこと。方針は特に変わらない。
「自分のお姉ちゃんは今、病気に苛まれています。それを助けるための術が、ここ陰陽界にはあると。陰陽師の頂点にまで近いところに上り詰めれば得られると、そう聞きました。それは、事実ですか?」
リムジンに乗る前に、どうすればいいのか。
ある程度の概要だけは聞きだしていた。詳細はまだ何もわからない。赤羽先生はただ、これから君が見ることになる世界で頂点に立てばいい、とだけ言っていた。
「……私はまず、君のお姉さんの容態をまだ把握できているわけではない。ただ、あの赤羽の娘が言ったのであれば、それが真実なのだと、私は思うよ」
「なら、自分へと向けられている期待に添えられるように努力しますよ。僕は、お姉ちゃんを助けるために動きます」
一瞬ビビった。期待の大きさに。
でも、それくらいの期待でこそ、ちょうどいい。
でなければきっと、お姉ちゃんは救えないかもしれないのだから。
「お任せください」
「ありがとう……っ」
お姉ちゃんの為に、僕は陰陽師となって頂点に立つ。
陰陽頭がいるらしいここで、陰陽頭に会う。それが僕のやるべきことだった。
「……僕が、一人で進むの?」
そんな僕は今、独りぼっちだった。
付き添いでいたはずの赤羽先生に涼音と真莉愛。その三人は陰陽頭に会う許可が起きていないとかで会うことは出来ないらしい。
陰陽頭と会うことが出来るのは僕だけ。
そんな理由で僕は真莉愛から裏世界で戦った時に使った刀を何故か渡された状態で、一人、大きな建物の中を歩いいていた……陰陽頭に会うというのに武装解除はしなくていいのだろうか?
「はぁー」
いきなり知らない世界に連れてこられて、そこの世界のトップに僕が一人で会いに行け。そんな理不尽なことがあるのだろうか?
許せない。
自分が今、進んでいる長い廊下。
そこを抜けた先に陰陽頭がいるらしい。そんなところを内心で不満を並べながら進んでいく。
「……ここを、開ければいいのかな?」
その長い廊下を抜けた先にあったふすま。
そこを僕はおそるおそる開く。
「おー!よく来たねっ!待っていたよっ!」
そんな僕を待っていたのはハイテンションな一人の中年男性……いや、中年男性というには若すぎる青年だった。三十代くらいかな?
そんな男の人は何故か、パリコレでしか見ないような突飛な服を着て僕のことを待っていた。
「え、えぇ……?」
そんな男性を見て、僕は困惑の言葉を漏らす。
マジで……いや、本当にどういうことなんだ。何で、こんな変な恰好をした男性がいるの?
「まずは始めまして。私が陰陽頭の土御門だよ。気軽に土御門と呼んでくれ」
「は、はぁ……」
そんな強烈過ぎる人物の存在を前に、僕は困惑の声を漏らすことしかできなかった。
「さぁ、座ってくれ」
「……はい」
僕が面くらっている間に、目の前にいる土御門さんは色々と進めていく。
「まずは、その手にある剣を抜いてみせてはくれないかい?」
「これですか?」
「あぁ、そうだ」
「……別にいいですけど」
未だに見た目の衝撃のデカさから帰って来れていない僕は、変な恰好で真面目腐った口調へと急に移行した土御門さんの言葉に従い、真莉愛から持たされていた刀を抜く。
「お、おぉ……本当に、それが引き抜けるのか」
そんな僕を見て、土御門さんは驚きの声を上げる。
「……もしかして、これってなんかヤバい奴だったりする?」
「そうだね。その剣は日本に古くから残されている神器、と呼ばれる特殊な武器でね。強力な力を持っている反面、扱える人が限られているような剣でね。長らく、それを振るえるような継承者は現れなかった」
「……ッ!?そ、そんな凄い武器なの!?」
「あぁ、そうだ……」
「……」
まぁ、でも、それもそうなのかも……概念ごと斬る武器とかあまりにも強すぎるしなぁ。確かに普通の武器の性能ではなかった。
「君は、その武器によって選ばれた人間なんだよ」
「……」
もしかして、僕ってば結構凄いことした?知らず知らずのうちに。
「それで、本題に入ろう。まず、我々陰陽師は今、危機に瀕している」
「えっ?そうなんですか?」
「あぁ、そうなんだ。我々は著しい危機に瀕していると言ってもいい。我々陰陽師の勢力は衰退し続けるような中で、妖魔たちだけが強くなっていっているのだ。いずれ、勝てなくなる……そんな、予想さえされ始めていた」
「……ッ」
それは、不味いんじゃ。
「そんな中で、君が現れた。その神器を継承した君が。我々にとって、明るいニュースであると言わざるを得ない」
「……」
おも、思ったよりも、思ったよりも僕への期待大きい……?
「単刀直入に話そうか。私は、君が陰陽師となり、今の日本の現状を変えてくれることを期待している。期待してしまっている。当然、君には私の提案を断る権利を持っている。その上で、聞いてほしい。どうか、私の為に陰陽師にはなってくれないだろうか?君のような子に頼るほか、日本を守れそうにない弱き私の為に」
「……それへと答える前に、一つだけ、聞かせてください」
「なんだろうか?」
色々な事情は聞いた。
でも、その上で僕がやりたいこと。方針は特に変わらない。
「自分のお姉ちゃんは今、病気に苛まれています。それを助けるための術が、ここ陰陽界にはあると。陰陽師の頂点にまで近いところに上り詰めれば得られると、そう聞きました。それは、事実ですか?」
リムジンに乗る前に、どうすればいいのか。
ある程度の概要だけは聞きだしていた。詳細はまだ何もわからない。赤羽先生はただ、これから君が見ることになる世界で頂点に立てばいい、とだけ言っていた。
「……私はまず、君のお姉さんの容態をまだ把握できているわけではない。ただ、あの赤羽の娘が言ったのであれば、それが真実なのだと、私は思うよ」
「なら、自分へと向けられている期待に添えられるように努力しますよ。僕は、お姉ちゃんを助けるために動きます」
一瞬ビビった。期待の大きさに。
でも、それくらいの期待でこそ、ちょうどいい。
でなければきっと、お姉ちゃんは救えないかもしれないのだから。
「お任せください」
「ありがとう……っ」
お姉ちゃんの為に、僕は陰陽師となって頂点に立つ。
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