21 / 50
第二章 神器
陰陽師
しおりを挟む
まず、大前提として一般的に知られている陰陽道と、現実の陰陽師が使う術はまるでかけ離れているらしい。
「……えぇ?」
この段階でまず、僕は怪訝に思ったが、長年裏で戦い続けているのにずっと体系が同じであるわけもないし、そもそもとして裏で戦い続けている人たちの力が表に完全な形で伝わっているわけがない。
そう言われて僕は納得するしかなかった。
その上で、陰陽術というのは、陰と陽のエネルギーのバランスを保つことが重要で、陰は静寂や冷静、暗闇、月を象徴し、陽は活力や熱、光、太陽を象徴しているしい。
術者は符や鏡、剣などを代表例として挙げられる特定の道具を使って術を発動する。その術に置いて、五行のシンボルも重要な役割を果たしているんだそう。
「それじゃあ、五行についての説明を。まず、五行とは宇宙のあらゆる現象を説明するための基本的な要素を示す概念よ。陰陽術はこの概念に添って世界が構築されると置き、その概念に影響を及ぼすことで発動する緒。木は成長や発展を象徴している。火は熱やエネルギーを象徴し、土は安定や栄養を象徴する。そして、金は硬さや収縮を象徴する。最後に水は流動性や柔軟性を象徴しているわね。基本的に術式はすべて、この五つの分類に分けられて……」
「……おぉう」
いきなり涼音の口から告げられる専門用語たち。
それについて、何となく理解していた僕は更に早口でまくし立てられた涼音の言葉へとあっけにとられる。ちょっと、専門用語を使うな。とは言わないけど、せめて早口は辞めて?
「まぁ、ここら辺はどうでもいいわ」
ちょっと理解が遠く、詳細を聞こうとした僕であるが、途中で入ってきた真莉愛の雑な言葉に止められる。
「……えっ?」
「そんなに重要な要素じゃないもの」
重要じゃないのっ!?
「……何の要素なの?五行とかって」
「各術式の属性だと思っておけばいいわ」
「ふーん」
「でも、ここは意外と大事なのよ……自分の術式を知る大前提の知識としてぇ」
「まっ、ここら辺は雑でいいわよ?自分の術式を極め、最強に至る。そうすれば、全部が些事になるもの」
「……ちっ」
「じゃあ、その真莉愛の言葉を信じることにしよう」
深く考えなくていいというのなら、そうしたい。
なんか、涼音は深く知っておいた方がいい、みたいなことを言っていたけど、出来ればそれは無視しておきたい。
「でも、術式って五行に関するでしょ?それを知らないで術式が使えるの?」
「術式は生まれながらに与えられているものだもの。術式は生まれた瞬間に一つだけ与えられ、それ以外を手にすることはないわ。他のことを知ったって、どうしようもないでしょう?」
「……」
いや、敵を知らないのは問題な気がするんだけど……。
「陰陽師で戦うことを想定する意味なんてないわ。妖魔は別に陰陽術を使わないもの」
「あっ、なるほど。というか、術式って生まれながらに決まっているようなものなんだね?」
「えぇ、そうよ。そうなのよ」
「それじゃあ、本題に入っていくわね?」
話の説明を自分から真莉愛に奪われていた涼音が再度、話し始める。
「人は誰でも陰陽術の元になる呪力は持っているわ。でも、その呪力量が少なければ、何も発動出来ないので基本的には無意味。この呪力の総量は基本的に遺伝的なものなので、陰陽師は家柄を重要視するわ。それで、この呪力だけは何も意味はない。呪力単体だと何も引き起こせない。この力を変化させることでようやく、世界に対して大きな力を見せることが出来る。この際に必要になってくるのが道具と術式よ」
「なるほど。二人の術式は?」
「私は金の力に由来する構築術式の『呪化創物』よ。呪力を圧縮し、物質へと変換するわ」
「私のは焼却術式の『紅蓮賛歌』ね。ただただ相手を燃やし尽くすだけの術式よ?」
「ふむふむ」
真莉愛の術式は見たな。そういえば。
確かに泥の巨人を倒したあの火力は凄まじかった。
「それで?道具との関係性は?」
「呪力を体外へと放出するための出口よ」
「それがないと発動しないの?」
「しないわね。人間は呪力を外へと放出するための出口ないもの。これが必須なの」
「ほーん。そういうものなのか」
「そういうものなのよ」
何となくの概要は理解出来た。
つまり、自分の術式さえ知っていればいいのね?五行とかガン無視でいいでしょ。
というか、僕に関しては素の身体能力とあの刀だけで十分なような気もするし。
「それで?僕の持っている術式って何なの?」
ある程度理解することが出来た僕はその上で、自分の術式を尋ねる。
僕は今、自分の術式を把握していない状況なんだけど、ここからでも知れるのだろうか?
「それをこれからやっていくのよ」
そんな僕の疑問へと答えるように、涼音は一つの水晶を何処からともなく取り出すのだった。
「……えぇ?」
この段階でまず、僕は怪訝に思ったが、長年裏で戦い続けているのにずっと体系が同じであるわけもないし、そもそもとして裏で戦い続けている人たちの力が表に完全な形で伝わっているわけがない。
そう言われて僕は納得するしかなかった。
その上で、陰陽術というのは、陰と陽のエネルギーのバランスを保つことが重要で、陰は静寂や冷静、暗闇、月を象徴し、陽は活力や熱、光、太陽を象徴しているしい。
術者は符や鏡、剣などを代表例として挙げられる特定の道具を使って術を発動する。その術に置いて、五行のシンボルも重要な役割を果たしているんだそう。
「それじゃあ、五行についての説明を。まず、五行とは宇宙のあらゆる現象を説明するための基本的な要素を示す概念よ。陰陽術はこの概念に添って世界が構築されると置き、その概念に影響を及ぼすことで発動する緒。木は成長や発展を象徴している。火は熱やエネルギーを象徴し、土は安定や栄養を象徴する。そして、金は硬さや収縮を象徴する。最後に水は流動性や柔軟性を象徴しているわね。基本的に術式はすべて、この五つの分類に分けられて……」
「……おぉう」
いきなり涼音の口から告げられる専門用語たち。
それについて、何となく理解していた僕は更に早口でまくし立てられた涼音の言葉へとあっけにとられる。ちょっと、専門用語を使うな。とは言わないけど、せめて早口は辞めて?
「まぁ、ここら辺はどうでもいいわ」
ちょっと理解が遠く、詳細を聞こうとした僕であるが、途中で入ってきた真莉愛の雑な言葉に止められる。
「……えっ?」
「そんなに重要な要素じゃないもの」
重要じゃないのっ!?
「……何の要素なの?五行とかって」
「各術式の属性だと思っておけばいいわ」
「ふーん」
「でも、ここは意外と大事なのよ……自分の術式を知る大前提の知識としてぇ」
「まっ、ここら辺は雑でいいわよ?自分の術式を極め、最強に至る。そうすれば、全部が些事になるもの」
「……ちっ」
「じゃあ、その真莉愛の言葉を信じることにしよう」
深く考えなくていいというのなら、そうしたい。
なんか、涼音は深く知っておいた方がいい、みたいなことを言っていたけど、出来ればそれは無視しておきたい。
「でも、術式って五行に関するでしょ?それを知らないで術式が使えるの?」
「術式は生まれながらに与えられているものだもの。術式は生まれた瞬間に一つだけ与えられ、それ以外を手にすることはないわ。他のことを知ったって、どうしようもないでしょう?」
「……」
いや、敵を知らないのは問題な気がするんだけど……。
「陰陽師で戦うことを想定する意味なんてないわ。妖魔は別に陰陽術を使わないもの」
「あっ、なるほど。というか、術式って生まれながらに決まっているようなものなんだね?」
「えぇ、そうよ。そうなのよ」
「それじゃあ、本題に入っていくわね?」
話の説明を自分から真莉愛に奪われていた涼音が再度、話し始める。
「人は誰でも陰陽術の元になる呪力は持っているわ。でも、その呪力量が少なければ、何も発動出来ないので基本的には無意味。この呪力の総量は基本的に遺伝的なものなので、陰陽師は家柄を重要視するわ。それで、この呪力だけは何も意味はない。呪力単体だと何も引き起こせない。この力を変化させることでようやく、世界に対して大きな力を見せることが出来る。この際に必要になってくるのが道具と術式よ」
「なるほど。二人の術式は?」
「私は金の力に由来する構築術式の『呪化創物』よ。呪力を圧縮し、物質へと変換するわ」
「私のは焼却術式の『紅蓮賛歌』ね。ただただ相手を燃やし尽くすだけの術式よ?」
「ふむふむ」
真莉愛の術式は見たな。そういえば。
確かに泥の巨人を倒したあの火力は凄まじかった。
「それで?道具との関係性は?」
「呪力を体外へと放出するための出口よ」
「それがないと発動しないの?」
「しないわね。人間は呪力を外へと放出するための出口ないもの。これが必須なの」
「ほーん。そういうものなのか」
「そういうものなのよ」
何となくの概要は理解出来た。
つまり、自分の術式さえ知っていればいいのね?五行とかガン無視でいいでしょ。
というか、僕に関しては素の身体能力とあの刀だけで十分なような気もするし。
「それで?僕の持っている術式って何なの?」
ある程度理解することが出来た僕はその上で、自分の術式を尋ねる。
僕は今、自分の術式を把握していない状況なんだけど、ここからでも知れるのだろうか?
「それをこれからやっていくのよ」
そんな僕の疑問へと答えるように、涼音は一つの水晶を何処からともなく取り出すのだった。
10
あなたにおすすめの小説
付きまとう聖女様は、貧乏貴族の僕にだけ甘すぎる〜人生相談がきっかけで日常がカオスに。でも、モテたい願望が強すぎて、つい……〜
咲月ねむと
ファンタジー
この乙女ゲーの世界に転生してからというもの毎日教会に通い詰めている。アランという貧乏貴族の三男に生まれた俺は、何を目指し、何を糧にして生きていけばいいのか分からない。
そんな人生のアドバイスをもらうため教会に通っているのだが……。
「アランくん。今日も来てくれたのね」
そう優しく語り掛けてくれるのは、頼れる聖女リリシア様だ。人々の悩みを静かに聞き入れ、的確なアドバイスをくれる美人聖女様だと人気だ。
そんな彼女だが、なぜか俺が相談するといつも様子が変になる。アドバイスはくれるのだがそのアドバイス自体が問題でどうも自己主張が強すぎるのだ。
「お母様のプレゼントは何を買えばいい?」
と相談すれば、
「ネックレスをプレゼントするのはどう? でもね私は結婚指輪が欲しいの」などという発言が飛び出すのだ。意味が分からない。
そして俺もようやく一人暮らしを始める歳になった。王都にある学園に通い始めたのだが、教会本部にそれはもう美人な聖女が赴任してきたとか。
興味本位で俺は教会本部に人生相談をお願いした。担当になった人物というのが、またもやリリシアさんで…………。
ようやく俺は気づいたんだ。
リリシアさんに付きまとわれていること、この頻繁に相談する関係が実は異常だったということに。
距離を置きたい女子たちを助けてしまった結果、正体バレして迫られる
歩く魚
恋愛
かつて、命を懸けて誰かを助けた日があった。
だがその記憶は、頭を打った衝撃とともに、綺麗さっぱり失われていた。
それは気にしてない。俺は深入りする気はない。
人間は好きだ。けれど、近づきすぎると嫌いになる。
だがそんな俺に、思いもよらぬ刺客が現れる。
――あの日、俺が助けたのは、できれば関わりたくなかった――距離を置きたい女子たちだったらしい。
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
男:女=1:10000の世界に来た記憶が無いけど生きる俺
マオセン
ファンタジー
突然公園で目覚めた青年「優心」は身辺状況の記憶をすべて忘れていた。分かるのは自分の名前と剣道の経験、常識くらいだった。
その公園を通りすがった「七瀬 椿」に話しかけてからこの物語は幕を開ける。
彼は何も記憶が無い状態で男女比が圧倒的な世界を生き抜けることができるのか。
そして....彼の身体は大丈夫なのか!?
無能扱いされ会社を辞めさせられ、モフモフがさみしさで命の危機に陥るが懸命なナデナデ配信によりバズる~色々あって心と音速の壁を突破するまで~
ぐうのすけ
ファンタジー
大岩翔(オオイワ カケル・20才)は部長の悪知恵により会社を辞めて家に帰った。
玄関を開けるとモフモフ用座布団の上にペットが座って待っているのだが様子がおかしい。
「きゅう、痩せたか?それに元気もない」
ペットをさみしくさせていたと反省したカケルはペットを頭に乗せて大穴(ダンジョン)へと走った。
だが、大穴に向かう途中で小麦粉の大袋を担いだJKとぶつかりそうになる。
「パンを咥えて遅刻遅刻~ではなく原材料を担ぐJKだと!」
この奇妙な出会いによりカケルはヒロイン達と心を通わせ、心に抱えた闇を超え、心と音速の壁を突破する。
落ちこぼれの貴族、現地の人達を味方に付けて頑張ります!
ユーリ
ファンタジー
気がつくと、見知らぬ部屋のベッドの上で、状況が理解できず混乱していた僕は、鏡の前に立って、あることを思い出した。
ここはリュカとして生きてきた異世界で、僕は“落ちこぼれ貴族の息子”だった。しかも最悪なことに、さっき行われた絶対失敗出来ない召喚の儀で、僕だけが失敗した。
そのせいで、貴族としての評価は確実に地に落ちる。けれど、両親は超が付くほど過保護だから、家から追い出される心配は……たぶん無い。
問題は一つ。
兄様との関係が、どうしようもなく悪い。
僕は両親に甘やかされ、勉強もサボり放題。その積み重ねのせいで、兄様との距離は遠く、話しかけるだけで気まずい空気に。
このまま兄様が家督を継いだら、屋敷から追い出されるかもしれない!
追い出されないように兄様との関係を改善し、いざ追い出されても生きていけるように勉強して強くなる!……のはずが、勉強をサボっていたせいで、一般常識すら分からないところからのスタートだった。
それでも、兄様との距離を縮めようと努力しているのに、なかなか縮まらない! むしろ避けられてる気さえする!!
それでもめげずに、今日も兄様との関係修復、頑張ります!
5/9から小説になろうでも掲載中
Gランク冒険者のレベル無双〜好き勝手に生きていたら各方面から敵認定されました〜
2nd kanta
ファンタジー
愛する可愛い奥様達の為、俺は理不尽と戦います。
人違いで刺された俺は死ぬ間際に、得体の知れない何者かに異世界に飛ばされた。
そこは、テンプレの勇者召喚の場だった。
しかし召喚された俺の腹にはドスが刺さったままだった。
ダンジョン冒険者にラブコメはいらない(多分)~正体を隠して普通の生活を送る男子高生、実は最近注目の高ランク冒険者だった~
エース皇命
ファンタジー
学校では正体を隠し、普通の男子高校生を演じている黒瀬才斗。実は仕事でダンジョンに潜っている、最近話題のAランク冒険者だった。
そんな黒瀬の通う高校に突如転校してきた白桃楓香。初対面なのにも関わらず、なぜかいきなり黒瀬に抱きつくという奇行に出る。
「才斗くん、これからよろしくお願いしますねっ」
なんと白桃は黒瀬の直属の部下として派遣された冒険者であり、以後、同じ家で生活を共にし、ダンジョンでの仕事も一緒にすることになるという。
これは、上級冒険者の黒瀬と、美少女転校生の純愛ラブコメディ――ではなく、ちゃんとしたダンジョン・ファンタジー(多分)。
※小説家になろう、カクヨムでも連載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる