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55話
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「わぁっ!お兄様!」
僕は、お兄様に抱っこされ強く抱きしめられている。走ってくる途中、お兄様の目元が光っていたような気がした。
「……」
しばらく、お兄様は何も言わずに僕のことを抱きしめたままだった。僕も、お兄様に再び会えた喜びから無意識にギュッと掴んだ。
「ウィル、ウィル」
「はい、お兄様」
お兄様は、何度も僕の名前を呼んだ。まるで、噛み締めているみたいに。
「本当に無事で良かった。」
お兄様は、僕を抱っこするのに満足したのかそっと下ろしてくれた。
「こんなに、暗い森で彷徨っていたなんて、ごめん。兄さんが、ちゃんと手繋いでなかったからだよね。ごめんね、怖い思いさせて、ごめん」
「お兄様のせいじゃないですよ、僕が勝手に歩いちゃったのが行けなかったんです。僕の方こそ、心配かけてごめんなさい」
お兄様、優しいくて責任感のある人だから、きっと僕が居なくなったことを自分のせいにしてるはず。決してそんなことはないのに。
『ウィリアム!』
僕と、お兄様が話しているとお父様とお母様も駆け寄ってきた。そして、お兄様同様強く抱きしめてくれた。
「もうっ、勝手に森を彷徨いたらダメでしょっ!何かあったらどうするの!」
ビクッ
お母様は、ものすごく怒っている。こんな様子、初めて見た。
「ご、ごめんなさい。もう、絶対ひとりでどっか行ったりしません」
「……っ」
お母様は、少しの間口を開かなかった。お母様の顔を見ると嬉しそうに、涙を浮かべていた。
「ふぅ、本当に良かった。お母さん、すごく心配したんだからね」
「ああ。リズの言う通りだ。ウィリアムが、無事で本当に良かった。ウィリアムになにかあったらと考えると、父さんの心臓が持たないぞ」
みんなが、僕の事を探してくれた。帰ってこれたんだら僕の大好きな家族の元に…本当に、申し訳ない。でも、それ以前に…
「うわぁぁぁぁぁぁんっ、わぁぁーん」
僕は、家族に会えた安堵感と森の中でルーナ達に会うまで孤独だったのを思い出して、大きな声で泣き叫んだ。僕は、溢れる涙を両手で一生懸命擦った。
「ごわがったよぉっ!グスッ、お父様、グズッ、気がついたらいなぐでぇ!」
「おーよしよし、父さんも本当にお前に会いたかった。大丈夫だ、もう、大丈夫だぞ」
お父様は、僕のことを抱き上げ落ち着くように背中をさすった。
「ほら、ウィリアム。そんなに目を擦ったら、明日腫れちゃうわよ」
「だっでぇ」
お母様は、ポケットからハンカチを出し僕の涙を優しく拭いてくれた。そのハンカチからは、いつものお花のような匂いがして、自ずと僕の気持ちも落ち着いた。
「ヒック、ヒック」
しばらく、お父様に抱っこされ子供のようにあやされるとひくつきはあるものの、涙はすっかり収まった。
「ウィリアム、もう落ち着いたか?」
「ヒック、はい、失礼しました」
僕は顔を上げ、お父様に笑顔を見せた。
(もう一度、この愛くるしい笑顔が見れて良かった、良かった。)
僕は、お兄様に抱っこされ強く抱きしめられている。走ってくる途中、お兄様の目元が光っていたような気がした。
「……」
しばらく、お兄様は何も言わずに僕のことを抱きしめたままだった。僕も、お兄様に再び会えた喜びから無意識にギュッと掴んだ。
「ウィル、ウィル」
「はい、お兄様」
お兄様は、何度も僕の名前を呼んだ。まるで、噛み締めているみたいに。
「本当に無事で良かった。」
お兄様は、僕を抱っこするのに満足したのかそっと下ろしてくれた。
「こんなに、暗い森で彷徨っていたなんて、ごめん。兄さんが、ちゃんと手繋いでなかったからだよね。ごめんね、怖い思いさせて、ごめん」
「お兄様のせいじゃないですよ、僕が勝手に歩いちゃったのが行けなかったんです。僕の方こそ、心配かけてごめんなさい」
お兄様、優しいくて責任感のある人だから、きっと僕が居なくなったことを自分のせいにしてるはず。決してそんなことはないのに。
『ウィリアム!』
僕と、お兄様が話しているとお父様とお母様も駆け寄ってきた。そして、お兄様同様強く抱きしめてくれた。
「もうっ、勝手に森を彷徨いたらダメでしょっ!何かあったらどうするの!」
ビクッ
お母様は、ものすごく怒っている。こんな様子、初めて見た。
「ご、ごめんなさい。もう、絶対ひとりでどっか行ったりしません」
「……っ」
お母様は、少しの間口を開かなかった。お母様の顔を見ると嬉しそうに、涙を浮かべていた。
「ふぅ、本当に良かった。お母さん、すごく心配したんだからね」
「ああ。リズの言う通りだ。ウィリアムが、無事で本当に良かった。ウィリアムになにかあったらと考えると、父さんの心臓が持たないぞ」
みんなが、僕の事を探してくれた。帰ってこれたんだら僕の大好きな家族の元に…本当に、申し訳ない。でも、それ以前に…
「うわぁぁぁぁぁぁんっ、わぁぁーん」
僕は、家族に会えた安堵感と森の中でルーナ達に会うまで孤独だったのを思い出して、大きな声で泣き叫んだ。僕は、溢れる涙を両手で一生懸命擦った。
「ごわがったよぉっ!グスッ、お父様、グズッ、気がついたらいなぐでぇ!」
「おーよしよし、父さんも本当にお前に会いたかった。大丈夫だ、もう、大丈夫だぞ」
お父様は、僕のことを抱き上げ落ち着くように背中をさすった。
「ほら、ウィリアム。そんなに目を擦ったら、明日腫れちゃうわよ」
「だっでぇ」
お母様は、ポケットからハンカチを出し僕の涙を優しく拭いてくれた。そのハンカチからは、いつものお花のような匂いがして、自ずと僕の気持ちも落ち着いた。
「ヒック、ヒック」
しばらく、お父様に抱っこされ子供のようにあやされるとひくつきはあるものの、涙はすっかり収まった。
「ウィリアム、もう落ち着いたか?」
「ヒック、はい、失礼しました」
僕は顔を上げ、お父様に笑顔を見せた。
(もう一度、この愛くるしい笑顔が見れて良かった、良かった。)
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