公女様は愛されたいと願うのやめました。～態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか？～

9話

私は自分の部屋めがけて全力で走った。

   「はぁ はぁ はぁ＿＿＿。」

自室に入り、摘んだ花をテーブルに置き、ベッドに飛び込んだ。

     「うぅ…」

しばらくしてうつ伏せにしていた身体を回転させ、天井の一点を見つめ呟いた。





「ティアナは相当嫌われてたんだな＿＿＿。」



リアムは私の話を一切聞き入れなかった。

処刑される未来は絶対嫌だ。焦燥感に刈り取られながらも、1点を見つめ私はしばらく考えた。

   「ふぅ＿＿＿。」

切り替えよう。

確かにリアムは作中でもティアナに対しては高圧的だった。たが、それはエリーへの嫌がらせ行為なティアナの我儘や捻くれた態度が原因だろう。

今ティアナの身体に入っているのは私だ。私が変えないと。幸いな事に原因が分かっているわ。今からでも変えることができる。

私は前世で人の顔色をうかがう事が多かったから、人の感情には敏感な方だと思う。

大丈夫、出来る。

    まず、当初の目的だったお姉様に謝る事を優先しよう。



窓際にあるテーブルに目を向けると空の花瓶が置いてある。
クロノは先程の私がした話を聞き、花瓶を用意してくれたのだろう。

優しい方だよね。本当に。

私はテーブルに置いた花を花瓶に入れ形を整えた。

とてもキレイな仕上がりになり、気がついたら気分も落ち着いていた。

今から謝りに行こう。


別間から本館との距離は少し離れている。
歩いている時に緊張からどんどん心拍が上がっていくのが分かった。

お姉様の部屋まで来た。

いざ、目の前にすると緊張する。
私は深呼吸をし、勇気を出した。

コンコン

   『はい。』

私は緊張から震える手で扉を開けた。

   「あの、お姉様。お話が…」

俯いていた顔をふと上にあげ、私はお姉様の様子を見た。窓際の椅子に腰を掛け本を読んでいた。

太陽に照らされ、まるでお姉様だけを照らしているかの様な光が、銀髪の髪を輝かせ言葉には言い表せない程、とても綺麗だった。

その姿はあまりにも美しく、なにか儚さを感じた。
こちらに気が付き、驚いた様子で私を見ている。

   「ティアどうしたの。」 

今まで、散々嫌がらせしてきたのに愛称でティアナの事を呼んでくれていたんだ。

今までこんなに可愛くて優しいお姉様を傷つけていた。

   「本当にごめんなさい。」 

勢いよくティアナは頭を下げた。

お姉様は驚き、直ぐに顔を上げるように伝えた。

   「顔を上げてティア！」

私は顔を上げ、自分の考えてい事をお姉様に伝えた。

   「これまで、お姉様にしてきた事を謝りたくて。この前もお姉様の顔を叩いて痛かったですよね。今更謝るのは遅いと思う。けど、どうしても謝りたかかったんです。ただ謝りたくて...…。」

「.........っ」

お姉様は驚いた表情をした。

お姉様は少しの沈黙の後こちらに駆け寄り、私に笑顔を見せた。